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日本料理と「日本人が食べてきた食事」とは必ずしも一致しない。時代や社会階層や地域によって差があり、調理法も、古くから東アジア諸国、西洋などから伝来してきたものが多い。現在、日本人が食べている食事の中で、他国の料理としての度合いが強いものを除いた残りを「日本料理」と言うことが多い。
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日常的な食事の構成としては、ご飯(白米やその他の穀物を炊いたもの)、汁物、おかず3品(主菜1品と副菜2品)という組み合わせを取り、一汁三菜と言う。これらを好みにより交互に食べる。一方、懐石料理・会席料理のように改まった席では一品(あるいは一膳)ずつ順番に料理が供されるのが普通である。
『外国語になった日本語の辞典』という書籍によると、日本語がそのまま英語になった単語の代表的なものとして「カラオケ」「スシ」「テンプラ」などがあります。
その中の食品に関する言葉が沢山あって調べてみると、その約7%に当たる60か70語もあります。そのうち29語が(soy bean=醤油)に関する言葉です。ソイ・ソース(soy sauce=醤油)に関する言葉は余りにも古く入ってきているので、ソイ・ビーンの「ソイ」と言う言葉が「醤油」から来ていると言う事を知らないアメリカの人が増えています。事実、若い人たちに聞いたら知らないと言われました。初めから「ソイ・ビーン」を英語だと思っている若い人が居ます。
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一方、味噌は調味料としてだけではなく、中に野菜を入れたりして、食品としての味噌、つまり舐めて酒を飲むとか、御飯につけて食べるという、舐め味噌というものも発達していきます。つまり16世紀までは日本の調味料の中心は味噌であったと言う事です。
味噌の中から液体を取って使うという方法が中世の終わりぐらいに出てきますが、その一つは、味噌の中に籠を入れて、その中に滲み出て来たエッセンスを溜めて使う「たまり」というものがあります。
同じように「たれ味噌」と言って、味噌を水に溶いて緩くしたものを袋に入れて吊るしておきますと、そこからドロップしてくる汁を使うようになります。
日本のお料理は刺身をすぐ思い浮かべますが、刺身を醤油で食べると言う事は江戸時代以降ののことで、江戸時代までの刺身の食べ方は、刺身を別のつけ汁を使って食べました。そのつけ汁で一番代表的な物は、煎り酒というものです。煎り酒の作り方は、たまり・塩・梅干・鰹節を加えて、3分の1ぐらいに煮詰めたものです。
そういうものが刺身のつけ汁だったのです。
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味噌も醤油も生産するのに時間がかかります。かつては1年とか2年掛けて作ったものがありました。その長い熟成の間に蛋白質がアミノ酸にかわって、いわゆる”うまみ味”が生まれたのです。
これは非常に単純な比較なので、もっと詳しく考えなければならないのですが、西洋では塩とか香辛料とか比較的単純な自然の素材を使って、料理する過程で味わいを深くする、調理の間に味を十分付けていくのが基本的な作り方ですが、日本の場合には、予め長い時間を掛けて作られた味噌と醤油がありますので、食品に味を付けるスタイルは比較的浅い、場合によっては、それをつけて食べる、食品の中にしみこませずに使うことも非常に多いのです。
十分味付けされた料理が中国や西洋の料理の中心になってきますが、日本の場合は素材の味を助ける、素材の味を生かす調味料、つけ汁的な使い方が沢山あります。
世界の人々は、味覚には、甘み、酸味、塩味、苦味、の4味があるというが、日本人だけこれにうま味が加わって5味を持っており、「UMAMI」はそのまま世界共通語になっている。小学校3年生から6年生までを対象にした味覚の授業をなどを行っているが、最近は家庭で子供たちに味覚を伝えられなくなっている。味覚が最も発達するのは8歳から12歳までであり、子供達への食育活動が重要。