つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2008年03月04日
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カテゴリ: アート
善光寺参りのあと長野県信濃美術館東山魁夷館に立ち寄る。
ここの目玉はその名の通り、東山魁夷のコレクションにあ
るのだろうが、特別展示の島崎鶏二という画家の作品が深
く印象に残った。

この画家は、今回はじめて知ったのであるが、あの文豪、
島崎藤村の次男である。戦時中、従軍画家となり、37歳
でボルネオ島沖の航空機事故で亡くなっている。

今回の展示は女性像がほとんどであった。沈んだ色調で、
直線的なタッチで描く女性たちは、どこか愁いを秘めてい

らを見やる女性の作品が多いからであろう。

「弓」という作品があった。森の中でゆかた姿で弓を引く
裸足の女性。暗い木々の中での白いゆかたが、巫女のよう
にも感じられ神秘的な絵であった。舞台も日本であるのか、
西洋であるのか分からなくなってくる。

「水」という作品。暗い森の中で水浴びするふたりの女。
ひとりは足まくりをしたゆかた姿で、泉に入っており、も
う片方は裸身で、髪を洗っている。このふたりが、水の反
射で光り輝いている姿は、はっと息を飲む美しさであった。

水.jpg

こういう埋もれた画家の素晴らしい作品にふと出会えたこ
とが嬉しい。それが地方の美術館の魅力のひとつかもしれ


東山魁夷館の方は、「煉瓦色の世界」というタイトルで、ヨ
ーロッパや、京都、奈良など古都の風景画の特集であった。
彼独特の静謐な世界にどっぷりと浸ることができた。

彼のたった一枚の油絵という「15歳の自画像」があった。

未来を見据えるかのようにまっすぐな視線を投げかける

たった15歳の少年の作品から元気をもらうことができた。





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最終更新日  2008年03月07日 06時01分22秒
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