森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.04.29
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情熱大陸という番組を見た。
走りの伝道師杉本龍勇さんの話だった。
杉本さんは1時間も指導すれば誰でも早く走れるようになるという。
杉本さんは1992年のバルセロナオリンピックの400メーターリレーのアンカーだった。
その時は6位入賞している。 30歳で現役を引退し、指導者となった。
そして今や指導者として引っ張りだことなっている。
現在は法政大学で教鞭をとっている。これが本職である。
それとは別に、ヨーロッパでプレーするサッカーの岡崎慎司、吉田麻也、宮市亮などの指導にあたっているという。
杉本さんは、彼らに15メートルのダッシュをさせると走りの問題点はすぐわかるようだ。


・股関節の開き具合。股関節の開き具合が小さいと速く走れない
・腕の振りが高いか低いか。これは肩の関節が柔らかいかどうかに関係する。
腕の振りが低い人には、高く振り上げ、高い位置で後ろで手を合わせる動作を繰り返えさせる。
・手を上下に振る。これは走るときに体全体を使う癖をつける。
・中臀筋を鍛える。このトレーニングは日本人には欠かせないという。これはお尻の両側に付いている。これを鍛えるにはまず片足にさせる。次に膝を曲げずに、軸足の中臀筋を持ち上げさせるトレーニングを行う。これを鍛えると、軸足が曲がらずエネルギーが地面に伝わり、地面からの反動で高く上がり、スピードが上がるという。

杉本さんは自分のアスリートとしての経験と研究の中から、理想的な走り方のコツをつかみ、他の人に伝授しているのである。
ただし、どん底のスランプに落ち込み、解決策を求めてきた人のみに対応されていた。
技術のみならず、スランプで陥った岡崎慎司にはメンタル面でも強力にサポートしていた。
岡崎選手は30メーターのダッシュで勝負しているのではない。
動き出しのタイミングと最初の5歩のキレさえ戻れば大丈夫と励ましていた。
その後の試合では、その助言が効いて大活躍していた。


神経症で苦しんでいる人たちに、的確な助言をして神経症から回復してもらう方法があるのではないか。
その人をみて、症状を的確に判断し、打開策を求められれば、的確なアドバイスができる方法。
その場合に、ポイントとなる点は何か。私なりに考えてみた。

まず問題となるのは、その人は愛着障害を引きずっていないかどうかという点である。
愛着障害を抱えている人にとっては、その修復にまず最初に取り組むことが欠かせない。

愛着障害には、不安型、回避型、恐れ・回避型、未解決型などのタイプがある。
私は不安型タイプだった。
愛着障害のない方は、すぐに森田理論学習に取り組んでもよいが、愛着障害のある方はその修復が先にこないといけない。生活の発見会の集談会では、傾聴、受容と共感が重要視されている。
これは、森田理論学習をするにあたって、愛着障害がある人に対して、 「心の安全基地」づくりに役立っていると思う。そういう役割を担える人を作ることが先決である。
森田理論学習の前提として安定的な愛着スタイルの獲得は欠かせない。

その次に本格的に森田理論の学習をして、症状のとらわれから解放されていく道を習得していく。
ここで重要なことは、言うまでもなく、精神交互作用の打破、思想の矛盾の打破、生の欲望の発揮などである。
そういう視点から、先輩会員は神経症に陥っている人を的確に分析し、その人たちが救いを求めて来たとき、的確なアドバイスが出来るような能力を獲得しておくことが必要である。
そういうことがないと、仲良しグループや傷をなめ合うだけの烏合の衆になってしまうかもしれない。
最終的には、傾聴、共感と受容という段階から、的確な指導やアドバイスへとステップアップしていくことが欠かせない。これには口で指導するだけではなく、日常生活の中での行動実践も含む。
相手が強く指導やアドバイスを求めているにもかかわらず、その対応ができないということであれば、森田理論学習という会合に参加することを中止してしまう人が多発すると思う。





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Last updated  2017.04.29 06:52:09
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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