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2011.10.20
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カテゴリ: ビジネス・経営


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証券マン時代、連続で30営業日通って、社長に初面談いただいた経験がありますが、
当方の名刺を机に積んであり、「君と本気で付き合えるかを試していたんだよ」と言われ、
その社長は、大口の個人顧客として支店の大手客になっていただけました。

厳しくエグイ機関投資家ほどおいしい客になる!

マーケットは朝9時に始まる。
前日のロンドン、ニューヨークの流れを引き継ぎ、東京市場が慌ただしく動き出す。

マーケットは眠らないのだ。債券セールスだった私は、朝緊張して受話器を握りしめていた。
20代の頃、日本を代表する機関投資家を担当していた頃だ。

「おはようございます。本日もよしくお願いします」という挨拶から始め、
前日の海外マーケットの状況を簡潔に伝え、その日の東京市場の動きを予想する。

そのタイミングに電話が繋がっている業者にはほぼ注文が入る。
それを狙って業者は朝から顧客へ電話をかけまくる。

 当然、私も9時にマーケットが始まった瞬間、担当顧客へ電話する。

 「もしもし、マーケットはいま…」

 「ブツッ、プー、プー、プー…」

忙しい顧客は電話を取っては切り、取っては切る。負けじと業者もかけ直す。
こんな繰り返しだ。そんな慌ただしい状況下、私は厳しい顧客と向き合っていた。

朝9時、一番で電話すると、
「こんな早く電話してきても、何も準備できてないよ。ブツッ、プー、プー、プー…」。

翌朝9時10分に電話すると、
「こんな時間にかけてきても、発注は全部終わったよ。ブツッ、プー、プー、プー…」。


「なんで? えっ? ほんと? ちゃんと調べたのか? ニューヨークに確認したのか?」
などと厳しい突っ込みが入る。

さすがに参った、といった感じだった。
毎朝、私は深呼吸をしてから、その顧客には電話することにした。

「今日は何を言われるのだろう。とほほ…」。正直つらかった。


しかし、「これは修行なのだ」と自分に言い聞かせ、ひたすら話題を考え、
電話だけは続けた。もちろん、その間、発注らしきものはない。

ところが、半年近くたったある日、突然その顧客から巨額の発注が来た。
しかも、価格はこちらの言い値だった。それ以降、頻繁に発注が来た。
キツネにつままれた気がした。

そして、結局その顧客は取引量でナンバー1になった。
電話の受け答えもこれまでがウソのように優しく、アドバイスまでくれるようになった。

何が起きたのか分からないまま時間がたち、翌年になって思い切って聞いてみた。
なぜ、急に態度が変わり、発注が増えたのか。

 「いや、福留さんには悪かったけど、試したんですよ、あなたを」

つまり、あえて厳しい態度で接して、
それでも電話をかけてくるかどうかを半年もかけて試していた、と言うのだ。

 「えっー」という心境だった。

先行きの分からないマーケットにおいて、
顧客は深く付き合う業者選びにこれほど慎重だということなのだ。
厳しく接すると、多くの業者が数週間もすれば自然に電話してこなくなる。
数字が上がらないので担当者が代わるが、後任もまた試され、
いつまでたっても取引が増えないという悪循環に陥る。

一方、なぜか、電話をし続けた業者は、
ごく少数の取引業者として迎え入れられ、巨額の発注を受けることができるのだ。

 この一件で私は貴重なことを学んだ。

一見、厳しくえぐい客ほど、懐に入り込んでいる業者は少なく、
うまくいけば大きなメリットを得られる相手なのだということを。

 もちろん、優しくても発注してくれる顧客もいるのだが、競争は逆に厳しい。

 入り口が厳しければ厳しいほど、入りこむとおいしいのだ。

このことを学んだ後でも、やはり厳しい顧客へ電話するのはつらいものだ。
できれば優しく接してくれる顧客へ電話したくなる。

 しかし、「数字が…」と思い直し、再び受話器を握るのだ。

 営業はつらいものだ。


■ふくどめ・こうたろう 

株式会社グローバル・リーチ代表。邦銀勤務の後、15年超を欧米金融機関に勤務し、
経営幹部として活躍。本年3月に慶應義塾大学大学院修了、経営学修士号(MBA)を取得。
その後、新たに教育事業を立ち上げ、現在に至る。









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最終更新日  2011.10.21 00:12:21
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