願いの扉☆いいことパラダイスの人生を送る方法

願いの扉☆いいことパラダイスの人生を送る方法

2008年09月13日
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昨日は「 魔王
一昨日の講演会の話の続きを書く予定でしたが、
このドラマのことを書いてしまわないと、どうにもすっきりしないので
今日は「魔王」について書いてみたいと思います。

録画している方は是非、見終わってから読んでください~。
また「魔王」を観られていない方も、
何か考えて頂けると思いますので、是非、いつも通りお読みくださいね♪

何度かあらすじは書いたのですが、これは復讐劇です。

バトルロワイヤルのようなことがテロップに書かれていたら、
なんと関係者は全員、死んでしまいました~(;>_<;)

これだけでも、衝撃ですが、衝撃のラスト17分!!と
またどっきりするテロップで予告されているので
リアルタイムで決してテレビを観ない私が10時からテレビの前にスタンバイし、
これも、10年に1度ぐらいのすごいことなんですが、
なんと、どんなに面白くても1度観た番組を2度観ることは決してない私が
朝、起きてもう一度、観てしまいました!!

どんなに面白かったか、これでおわかり頂けたでしょうか~!?
今まで観たドラマで1番面白く、1番好きでした。

さて、ストーリーは以前、書いた通り、最愛の弟を殺された兄の復讐劇です。

殺されただけではないのです。

弟を刺した同級生は正当防衛で無罪。
つまり、弟の方がいかにも殺そうとしてナイフを振り回したかのような犯罪者扱い。

苦しんでいる人を助ける、正義の味方のような弁護士になりたいとういう夢を持っていた弟が
殺されただけでなく、犯罪者のように仕立て上げられて、


ひとり残された真中友雄( 大野智 )は金と権力にまかせて真実をねじまげた
芹沢一家へ復讐するために、死んだ友達と入れ替わり、
名前も変え、成瀬領として、弁護士になっていました。

正当防衛に仕立てあげた芹沢家の顧問弁護士が、領の最初の復讐のターゲットになり、
その顧問弁護士を第三者を誘導して殺してからは、
自らが芹沢一家の顧問弁護士となり、芹沢家に近寄ります。

そして、弟を刺した直人(生田斗真)と一緒に視察現場にいた直人の親友を
次々に殺し、正当防衛の記事を捏造した新聞記者まで殺していきます。
勿論、自らの手は汚さず、うまくその人を恨んでいる人をコントロールして、
第三者に殺させていくのです。

実際に殺人を勧めるのでもなく、凶器を渡すわけでもないやり方、
つまり法律では殺人教唆も幇助も成立しない形で、彼は次々にターゲットを消していきます。

そして、直人の兄(劇団ひとり)も直人の親友(忍成修吾)を殺した罪で捕まった後、
自ら死を選び、そのショックでもともと体調を崩していた直人の父(石坂浩二)も死去、
家族も親友も殺され、すべてを亡くした直人は、拳銃を手に、
領を弟・秀雄が死んだ場所へ呼び出します。

もともとナイフの刃の部分ではなく、柄(え)の部分を威嚇で突き立てただけなのに
誤ってもみあっているうちに、秀雄の腹部に刃の部分が突き刺さってしまっただけの
本来は事故でした。

正直にそれを詫びずに、父親が世間体を気にして、正当防衛に仕立て上げたことが
すべての過ちの原因だったのですが、
「おれのせいで始まった復習ならおれが止めるしかないんだ」
直人はそう言って、領に銃口を向けます。

ところが、直人は引き金をひけずに躊躇しています。
そんな直人に領は「何を迷っているんです!?憎くないんですか?
あなたはたった一人の父親と優しいお兄さん、そしてかけがえのない親友まで殺されたんだ。
殺しても飽き足らないほどに憎いはずだ。違うか!?法律では僕を裁けない。
復讐のチャンスは今しかないんだ。早く殺せ!」と詰め寄ります。

そうなのです。領の復讐は直人を殺すことではなく、
直人に自分を殺させて、そして、今度こそ殺人の裁きを受けさせることだったのです。

自分の命を差し出してまで、相手に自分と同じ痛みを与えようとすること、
自分の命を犠牲にしてまで、相手に真実の裁きを受けさせようとすること、
そう、復讐は相手の命を奪うことではなく、
相手に自分の気持ちをわからせることだったのです。
そして、真実の重みを受けさせることだったのです。

ところが、直人は領を殺せませんでした。
「そこまであなたを苦しめたのは自分なのだから、あなたを殺せない」と。

そして、銃を手放しましたが、領は「あなたが僕を殺さないと
僕は本当の僕に戻れない」と、最後は自らに銃口を向け死のうとし、
そして、その銃を取り合っているうちに、銃は直人に向かって発砲してしまい、
直人は死んでしまいます。最期の言葉は「許してください。おれのことも。あなた自身も」

また、領も本当は腹部に重症を負っていました。
今回の復讐劇の元々の原因を作った山野という、いじめの対象になっていた秀雄の友達に
誤って射されていたのです。

そして、その傷により、領もまた死を迎えます。
最期の言葉は「許してくれ。僕のことも、あなたのことも」

最期に弟の形見だったハーモニカを直人に握らせ、直人の肩にもたれて息絶えた領。
肩を寄せ合い、安らかな顔で死を迎えている二人は
死んでからようやく、心と心を重ねることができたのです。

…と、ざっとこんなストーリーでしたが、自らの手を汚さずに
第三者をコントロールして、次々に復讐の標的を消していくその頭の良さに脱帽するとともに
その、「人をコントロールしようとすること」が、
まさにこのドラマの悲しみを、大きく彩っていたように思います。

そして、私たちの日常とはかけ離れているかのように見えるこの復讐劇は
実は私たちが日常生活の人間関係で、常に繰り返していることに、とても似ているのです。

「人をコントロールしたい」「人に自分と同じ痛みを感じさせたい」
「人に自分の気持ちをわかってほしい」「人に同じような悔しさを味合わせてやりたい」

「自分が受けた傷と同じ分だけの傷を与えてやりたい」というのは
「魔王」のように殺人事件まで起こさなくても、実は私たちの日常の中で
私たちが普段、抱いていることとなんら変わりがないように思います。

『引き寄せの法則』で私たちは、他人をコントロールすることの愚かしさを
いつもエイブラハムから学んでいますが、
いつも他人がどうした、こうしたで悩み、傷つき、問題に焦点を当てがちです。

しかし、他人をコントロールしようと思っても、
いつもコントロールできない限界にぶち当たってしまいます。

そう、自分へのコントロールには限界はないのに、
人のコントロールには常に限界が付きまといます。

そして、その限界に向かって、私たちは毎日のように悪戦苦闘を強いられています。
他人をコントロールすることに解決を見出すのではなく、
どんな問題も、解決できる力は自分しか持っていないことに気づき、
人に向かって思考を動かすのではなく、自分に向かって動かすことができたら、
そこで初めて、自らの幸せを創造できるようになるのです。

このドラマの主人公が、復讐には何の解決もないことや
自分の悔しさを相手にわからせるために自分の人生があるのではないと
早く気付いて、自らの中に幸せを探しに行けたら、どんなによかったでしょうか。

領が心惹かれた女性しおり(小林涼子)が、顔を上に上げて、木漏れ日の美しさや
空の青さに目を向けて生きていって欲しいと訴えるシーンがありました。

また、領と直人の死後、二人に関わった刑事がしおりに向かって、
海を見ながら、「知らない間に大切なことを置き去りにして生きてきたんだって、
この海に気づかされました。
あいつらにも一度でいいから見せてやりたかった」というシーンがあります。

ドラマの感想をブログや公式HPの書き込みで見ていると、
ほとんど蛇足のように言われているこのシーンですが、
私は実はこのセリフにこのドラマが1番訴えたいことが
描かれているのではないかと思います。

だって、海ぐらい、普通の人なら1度ぐらい見ているでしょう~。
それを敢えて、「こんな景色を一度でいいから見せてやりたかった」というこのセリフに
領と直人がいかに暗闇の中を生きてきたかが物語られていると思うのです。

自らが復讐や憎しみ、悔恨や罪の意識の中で生き、
暗いトンネルの中でもがく人生を選び、青空や海を見ようとしなかったこと、
自らがそのような人生を創造してしまったことへの悲しさが、
そのセリフにこめられていると思います。

最後にわざわざ暗いトンネルから抜け出した映像があったのも、
挿入されていた物語の中に、暗いトンネルから抜け出せなかった子供の話が出てくるのも
みんなみんな、自らの心が創り出すトンネルから出てこようとしない限り、
青空の見える人生は待っていないのだということを、このドラマは訴えたかったのでしょう。

他にも、感想にせっかく完全犯罪の秀逸さが際立っている作品なのだから、
領が直人を完全犯罪で殺して終わって欲しかったという意見もありましたが、
私は、この作品は領の復讐話が主題ではなく、
領と直人の心の悲しみ、人と自分を許さない限り、
青空は見えないことを描きたかったのだと思うので、この終わり方がベストだと思います。

寄り添うように死んでいた二人、死んでからでないと和解できなかった悲しみ、
結局、愛と許しがテーマだったんだな~と感じました。

だって、領の復讐話がスカっとするだけなら、
テレビの前でみなさん号泣してないでしょうー!!
そう、私も大泣きでしたが、この作品で泣けるのは、自分の中にも人を許せない領や、
許してほしいと思う直人がいるからだと思います。

そう、復讐劇に見せかけて復讐が目的ではなかったことが
領の完全犯罪だったのでは!?

それにしても、こんな難しい作品をこんなに見事に演じ上げた大野くん、
私の中では、アカデミー賞50個ぐらいあげたいぐらいの大物俳優さんです!
石坂浩二さんのセリフにあった「お見事!!」まさにその通り!!

天使のような笑顔や、悲しい表情にハートが打ち抜かれっぱなしでした。
今度から素の大野くんを直視できるか心配です(笑)

そして、斗真くんも、脇をかためた忍成修吾くんのやな人ぶりや
田中圭くんの愛する人を一途に思う演技、小林涼子ちゃんの清清しさや
吉瀬美智子さんの美しさなど、脇役の方もほんとに素敵でした♪

結局、いいことパラダイスと、どう絡めるか模索中だった「魔王」。
意外にも愛と人生をたくさん教えてくれたので、こんなにブログに書くことができました。
これが魔王・成瀬領の最後の大仕事だったかも~!?

こんなに素晴らしい作品を作ってくださった「魔王」原作者、
ドラマスタッフ、キャストのみなさんに心から敬意を送ります!!



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最終更新日  2008年09月13日 18時47分44秒
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