ふつうの生活 ふつうのパラダイス

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2006年10月10日
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カテゴリ: 日本映画


毎日ミナコ さんのところでも紹介されていて面白そうだと思っていたら、こないだやっとビデオやさんで発見。ミナコさんのところの方がストーリーの説明はうまいよ。私ははしょってるから。というか、してない。以下ネタバレ書いちゃいました。


見てみました。

うーん。シナリオはこってますね。演技派の俳優そろえてあるし。といいますか、このくらい演技できる俳優さんそろえないと、ただでさえ、陳腐な話が陳腐を逸脱してしまうだろうなあと。そんな話ですね。

中学受験のために湖畔の貸し別荘に泊まる受験生3人とその親たち。そして、突然死体が出現するわけです。

はっきりいって、こんなばかげた勉強合宿をする塾なんてあるんでしょうか。基本線としては、ありえない。何だけど。

でも、世の中には、もしかしてあるかもしれませんけどね。

でも、これ中学受験なのに、ろくすっぽ勉強もしないで、体力つけるとか、親の面接の練習とか、しかも、先生はたった一人。なにをどう考えてもおかしい。

本来中学受験の合宿では、一日10時間から12時間は勉強させます。それも、ものすごく難しいから、一人の先生が全教科教えるなんてそうはできないと思う。だから、親まで呼びたてて、面接だ、バーベキューだなんてたらたらしたことやってる余裕なんてあるはずないと思うんですけどね。面接の練習なんて東京でやればいいじゃん。
第一、こういう合宿というのは、受験生がいると、のんびり夏休みや正月が送れない家族のためだと私は思ってるんですけど。(いやこれは家族サイドの願望か)家族まで呼びたててどうするのでしょう。しかも、3家族ともほかの兄弟とかいないのですか。

いくら、試験問題をその筋からゲットしても、ちゃんと勉強してないと、無理だと思いますけど。
それにこの話、季節はいつでしょう。長袖着てるけど、田舎のわりにそれほど寒くなさそう。
こんないい季節なら、二学期あたりだから、学校があるはずで、合宿なんてできると思えません。

全員同じ靴はいてたり、同じ体操服着てたり。

とにかくはじからはじまで、全部おかしいので、もうこれは一種のファンタジーなんですね。「SAYURI」と同じ。
どうりでヒットしないわけだなあと、思いました。

そういう数々の を数え上げた上でなおかつ感想としては、最初から、役所広司演じる父親役が 。言動も 。最初の段階で「なんだこいつ。なんにもわかってないじゃん。どうみても、父親失格じゃん。」と思ってたら、話が進むうちにどんどんその は増殖していって、周りの親たちがどんどん親としての本性をあらわにしていくのと対照的に父親としては果てしなく遠い なやつに成り果てていく。

「子供はのびのび。受験なんていらない。普通の学校に行けばいいんだ」というあたりからすでにね。だって、中学受験しなくたって、高校受験はあるし、子供は勉強しなくちゃいけないものだし、のびのびなんてほとんど死語ですね。今の時代。高校受験だって、中学受験と同じ高いレベルの学校目指そうとすれば、中学受験と同じ、あるいはそれ以上のハードな勉強が待ってますから。イマドキ中学受験が異様な世界というのは、すでに時代錯誤。高校受験も同じように週三日の塾通いが常識となりつつあります。

で、のんびり育った挙句、女房子供ほっといて、愛人作るような男が育つんでしょうか。

さて、愛人を殺したのは、誰か。というと、どうも子供たちらしいんだけど、でも、そのちょっと前に出てくる子供たちの靴を映し出すシーン。靴が四足あったような気がするんだけど。
本当の犯人はやっぱりあの塾先生(トヨエツ)なんじゃないのですか。などと考えてみる。

子供のためだと塾に洗脳されてなんでもする受験生の親の姿を揶揄しているようであります。

子供のためと隠蔽に余念のない親は、いくらでも、塾にだまされる受験生の普通の親とぜんぜんかわらないのです。

ここに書かれている物語は受験にからむ狂気ではなく、真実の親の本性であり、父親でありながら、いつまでも、本当には父親になりきれず、かといって浮気した相手の死体を捨てることにも平気でいられる男の未熟な姿であるとしたら、
作者は何をいわんとしたんでしょう。
とにかくこんな男とはまず結婚なんかしない方がいいと思う。役所さんはいい男なんだけどな。

それでつまり、役所広司演じるところの主人公は世間一般の常識と世論を代表しているようで、物語のスタートでは、中学受験に埋没している親の陳腐さを描こうとしているように見えるのですが、物語の進むうちに、わが子のために必死に殺人の隠蔽までする親たちの必死さが親の当然の愛情として映し出されていくにつれて、常識ばかりをもっともらしく語る主人公はだんだん浮き上がってその陳腐さを増していく。

これは、世間というものが受験とそれにかかわる親や子供を表面的にだけ見て、評することの浅慮さへの批判なのだろうか。主人公は物語中で終始、ほかの親や妻から、「おかしいのはあなたでしょう。」と言われ続ける。前半受験に我を失った親たちの狂気の言葉に聞こえるのだが、物語の進むにつれて、その言葉によって、本当におかしいのは、主人公だと語っていることがわかる。表面しか捉えずに、興味本位的な批判しかしない、世間常識への製作者側の本音なのだろうか。この映画の中で何度も繰り返されるこの言葉こそがまさに、監督の一番言いたかったテーマなのではないだろうかと、私は思うのだが、どうだろう。

ラスト、受験という世界に己を埋没させる覚悟をするにいたってやっと主人公は、父親として、一人の人間として本気で生きていこうとする。そういう一人の男の実はこれもまた、成長物語だといえる。

主人公の娘は無事に合格し、死体は見つからずに終わったらしい。

私もこんな状況では娘のために死体を隠蔽するかもしれない。

でも、やっぱり犯罪の隠蔽はやめたほうがいいんじゃないでしょうか。

それにしてもこの映画、大宣伝ができなかったのは、無理ないですね。
殺人は隠蔽されたまま、見つからずに終わっちゃってるし、子供の殺人も肯定されちゃてるんだもの。シリリオはいいできなんですけどねー。おしい。



レイクサイド マーダーケース














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最終更新日  2006年10月10日 09時43分09秒
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