ガムザッティの感動おすそわけブログ

ガムザッティの感動おすそわけブログ

PR

Calendar

Favorite Blog

流行語大賞「ふてほ… New! 王道名なしさん

和製男女ドラゴン大… モイラ2007さん

博多M!千秋楽おめで… YYCafeさん

11月9日夜公演「King… yuki アイドル 俳優 映画 演劇 ドラマなどさん

   元局アナがス… ころりん0924さん
ライターかあさんと… プチプチゆっきーさん
ぺ天使のつぶやき kamadoyamadocaさん
もっとハッピー happy-gaiさん
こちら25643 ヒロランさん
観劇日記~夢のあと… みおと5747さん

Free Space

設定されていません。

Comments

gamzatti @ Re[1]:「ムー」「ムー一族」(05/28) ひよこさんへ 訂正ありがとうございました…
ひよこ@ Re:「ムー」「ムー一族」(05/28) ジュリーのポスターに向かってジュリーっ…

Profile

gamzatti

gamzatti

2007.07.20
XML
15日のリハーサルで負傷した橋本直樹に代って
マイアミシティバレエのプリンシパル・ソリスト清水健太がバジルを務めた
Kバレエカンパニー「ドン・キホーテ」。

昨日は「代打の代打は・・・」という発言をしたのだが、
実際に観た感想を一言でいえば、

「代打の代打がホームランを打った!」

とでもいおうか。
清水は、随所に舞台経験の豊富さを垣間見せ、
安定した技術と表現力で「急ごしらえ」であることなど微塵も感じさせない


彼のよさは、強靭かつしなやかな上体の使い方。
特に手の先から肩にかけて。
私は4階中央という遠目からの鑑賞だったが、
彼の手の動きだけで胸がキュンとした。
掌が、肩が、腕のラインが語りかけてくる!
これは、
芳賀クンや輪島クンにははっきり言ってまだ獲得できていない力。
彼らの動きには「次はこうで、その次はこうで・・・」と
振りを振りとしてなぞっていると感じさせてしまう硬さが透けてみえ
自然な表現の発露として感じられない時がある。
清水に、そのぎこちなさは全くない。


ゆっくりしたパートでは完全にシンクロ。
キメの場面では一歩メリハリの利いた動きで一歩先んじ、
音楽をリード。

清水健太のアダージオは、本当に、魅せる。
全幕の主役としては、最高の配役だったのではないだろうか。


しかし、ジャンプが・・・。

唯一、彼のパフォーマンスで見劣りするのがジャンプ。
Kバレエで熊川の息をのむほど高くて滞空時間の長い跳躍を見慣れている観客にとって、
清水のジャンプは
「え?」というほど低かった。
この点は、熊川に勝るとも劣らないとさえ思えた橋本直樹のジャンプには到底かなわない。
だから、ソロのヴァリエーションは、物足りないし、盛り上がらないのだ。残念。

ただ、自分なりの完成品をきちんと提示するプロ意識に、
この人は、舞台の中央に立つ素養を身につけた一流の人だな、と思った。
9月からのパフォーマンスに大いに期待。

昨日は、中村祥子/宮尾俊太郎のメルセデス/エスパーダコンビも絶好調。
特に宮尾のエスパーダがいい。
Kバレエで長くそのイメージを作ってきたキャシディのエスパーダをものともせず、
いなせで「いいカッコしい」な若者の、はじけるようなイケメン闘牛士を自然体で演じていた。
長身二人のダイナミックな踊りはステージをパッと華やかにする吸引力をもつ。
彼らの初キトリ/バジルの舞台を見られる人はきっと満足することだろう。

今回、ダウエルのガマーシュばかりを期待していたが、
昨夜もっとも感動したのは、ルーク・ヘイドン演じるドン・キホーテ。
風車に闘いを挑み傷ついたキホーテ翁が見る夢の場面である。
キューピッドに連れられて、ドルシネア、キトリ、夢の女王が次々と現れては去る。
(一体、どれが私の想いびとなんだ?)
という、キホーテの混乱が、4階からも手にとるようにわかる。
コールドの列が、時に道を作って彼を導き、
時に迷路の森となる。
最後は円陣となって彼を追いつめ、「仇敵」風車に変身、翻弄する・・・。
全体の構成自体がキホーテの心理を端的に表す名演出だが、
それもこれも、ルークの演技力があってこそなのだとしみじみ感じた。

昨夜のキホーテはかくしゃくとして、どの場面でも、ものすごくカッコよかった。
Kバレエのキホーテは、どんどん「老いぼれボケ老人」のイメージから離れていく。
騎士道まっしぐらのキホーテ。大マジメだから可笑しい、という点はあるものの、
ドタバタの道化はサンチョ・パンサとロレンツォで十分と思わせてくれる。

さて、本公演終了後しばらく休団する康村和恵のキトリ。
彼女のキリッとしたパフォーマンスはいつみても気持ちがいい。
堂々としたステージを終え、カーテンコールでは肩を震わせて泣いていた。
思いっきり、踊れたかな?
あと一回。清水クンと、22日がんばってね。

そのカーテンコール、芸術監督・熊川も登場。
連日顔を見せているようだが、負傷直後の「海賊」の時に比べ、
かなり元気そうに見えた。

今回「最初から熊川なしとわかっているKバレエ公演」に足を運び、
熊川の凄さを思い知るとともに、
「熊川なし」でも、そんじょそこらのバレエ団より絶対パフォーマンスは上だな、と
心から感じた。
次から次へと若い才能が頭角を現す。
昨日の花売り娘の一人、白石あゆ美はアーティストからの抜擢だが、
もう一人の花売り娘、ソリストとして安定した踊りを続ける副智美と比べても、
まったく遜色なかった。

Kバレエは熊川の実力とネームバリューで興行的にはずっと成功し続けてきたが、
だからといって順風満帆でここまで来たわけではない。
さまざまな問題を、少しずつクリアしてここまで大きくなってきた。
女性プリンシパルがヴィヴィアナしかいなかった時代があったが、
いつの間にか実力のある女性たちが揃った。
男性プリンシパルが、熊川・キャシディに誰も続かなかった時代があったが、
気がつけば、たくさんの男性ダンサーが育った。
そこにはカンパニー内外でのオーディション制という切磋琢磨が功を奏しているのではないか。
がんばれば、主役も夢ではない。
そのモチベーションの高さがダンサーの質を上げ、
移籍という形で仲間に入りたいと思う人間も増していったように思う。

「熊川がいない時代」という、最大とも思える問題を抱えているKバレエ。
この問題がクリアされる頃には、
どんなKバレエになっているのだろうか。

「一体どこまで大きくなるのか?」
これは、かつて熊川に対して使ったフレーズ。
今は、Kバレエに使ってみたい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.07.20 09:05:44
コメント(8) | コメントを書く
[熊川哲也とKバレエカンパニー] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:「ドン・キホーテ」(07/20)  
二月のうさぎ さん
はじめまして。以前よりブログ拝見しておりましたが、初めて書かせていただきます。初日、2日目と見てきましたが突然のキャスト変更の舞台はどうだったのかと、思ってましたが良い舞台だったようで嬉しいです。 ガムザッティさんほど古くからの熊川さんのファンではないけれど10年来応援してます。 (2007.07.20 10:14:36)

Re[1]:「ドン・キホーテ」(07/20)  
gamzatti  さん
二月のうさぎさん
コメントありがとうございます!
初日、二日目といらっしゃったなんて、
私なんかより、ずっと思いが深いファンだと思います。
今回、払い戻ししなかった人は、本当にエライです。
「応援」という言葉が、じーんときます。
(2007.07.20 10:48:22)

Re:「ドン・キホーテ」(07/20)  
いつもガムザッティさんのバレエ鑑賞評をとても楽しみにしています。
バレエ素人の私にとって、見所など、とてもわかりやすく、すごく勉強になります。
こんな風な見方ができれば、同じ舞台が何倍も楽しめますね。

ガムザッティさんの影響で、さっそく熊川DVDを購入しました。
「ドン・キホーテ」
「くるみ割り人形」
「コッペリア」です。

他にもお勧めのバレエDVDがあったら、ぜひまたご紹介くださいね。

8月には娘(小4)のバレエ公演があります。
今年から、子供の発表会と、バレエ団の公演両方に出演します。
公演は「コッペリア」。
「仕事」の場面に出ます。

まだまだ、その他大勢の中の一人ですが、初めての人間役です(笑)
(2007.07.20 18:11:45)

Re[1]:「ドン・キホーテ」(07/20)  
gamzatti  さん
チェリーままさん
うれしいコメント、ありがとうございます!
これからもがんばります!
お嬢さんの発表会、実力を思う存分発揮して、
素敵な舞台になることをお祈りしています。


(2007.07.20 19:13:23)

こんにちは!  
パンプキン さん
ミクシィからお邪魔したパンプキンといいます。
ガムザッティさんの文章力と表現力に、自分も同じ舞台を見ていたかのような錯覚を起こします♪
舞台の様子がとても伝わってきて感動しました。

熊川さんが以前よりも体調が優れてきたようでなによりです。康村さんも休団前最後の舞台でひとしおのものがあったんですね。。。

Kバレエのドン・キホーテは見たことがないので(老いぼれ老人じゃないんですね!)DVDが欲しくなってきました。

また感動をおすそ分けさせてください<(_ _)> (2007.07.22 10:19:03)

Re:こんにちは!(07/20)  
gamzatti  さん
パンプキンさん
コメントありがとうございました。
また、お気に入りにしてくれて、感謝です。
舞台の雰囲気が伝わったみたいで、よかったです!

>Kバレエのドン・キホーテは見たことがないのでDVDが欲しくなってきました。

Kバレエの「ドン・キ」DVDは完成度高いですよ。
TBSのマワシモノではありませんが(笑)、
持っててソンはないです。
熊川の超絶技巧と楽しいストーリーと、華やかな異国情緒を堪能できます。 (2007.07.22 11:31:00)

Re:「ドン・キホーテ」(07/20)  
あられ さん
清水さん、オーラがなさ過ぎ。
道化要員あたりが妥当。

(2007.09.30 00:28:30)

Re[1]:「ドン・キホーテ」(07/20)  
gamzatti  さん
あられさん
プリマは立っているだけでプリマだといいます。
また、舞台の中央に立ったときだけでなく、
たとえ端っこにいても目立つのが、
スターのスターたりえるオーラですよね。

「この人を見たい!」と思わせるものを持っている人というのは、
何かが違う、と痛感します。

(2007.09.30 13:05:07)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: