ジュネーブ0.01%以下の快楽

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2006年08月14日
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カテゴリ: 東京生活
今年4月から開講していたモカの日本語教室。
プライベートレッスンの生徒はスイス人のカエルくん。




1回1時間半~2時間のレッスンで、週2回。
この5月末まで努めていた仕事は、毎日11時からだったから、
レッスンの日はいつもより2時間早く出勤して、勤務前にスターバックスで待ち合わせ。
レッスンを開始したころのモカの仕事は、
日本語とも教育ともぜんぜん関係のない職場でのマネージャー職。
経営陣の一人だった。
(今はやめちまったけど、詳しくはちょいと前の日記参照)



日本語ゼロレベルからはじめたカエルくんは、初級前半レベルに到達した。




レッスン開始のころは、
ひらがなもカタカナも書けないし、読めない。
自分の名前すら書けなかったし、読めなかった。


でも、漢字も少しずつ覚えてくれたし、興味をもってくれた。
大変だっただろうけど、根気強くがんばってくれた。






なんど説明しても忘れる文型、
何度でてきても覚えられない単語。


もちろん、初級前半レベルに到達したとは言うものの、完璧!というわけでもない。

本当は、やってきたことの半分も身に染み付いていない。
穴だらけの初級前半レベル。



一回ですべてのことを覚えられるわけではない。
何度も忘れて、何度もやりなおして、

そして、何度やっても覚えられない自分にイライラする。
何度言い直してもちゃんと口をついてでない外国語に悲しみでいっぱいになる。


この4ヶ月間のレッスンで、カエル君の身についたこと。



聞こえた単語から推測する。
話している会話のトーンから推測する。

推測したことをつなげる。
そして、なんとなくでもいい、概要がつかめる。


今までは雑音としてしか耳を通過しなかった日本語だったけど、
日本語の音がつかめるようになった。



そして、日本語で会話ができるようになった。
モカのレッスンは1回約2時間。
その間中、ほとんど日本語で会話ができるようになった。

これは大きな財産だ。




カエルくんは、4ヶ月間のプライベートレッスンを終えて、明日スイスへと戻る。
そして、今月末から、オランダの学校へ3年間行く。
カエルくんは夢を追っかけている。


学校の入学許可はすでにもらっているものの、
これからオランダ語も勉強することになるらしい。

せっかくがんばった日本語を続けることができるか、それはわからない。


今後の日本語学習の続け方を、とりあえず伝えたけれど、
日本語は忘れたっていいかもしれない。
外国語学習なんて何回忘れてなんぼの世界なんだろう。

いや、それは外国語に限らずだ。
普段話している日本語だってそう。
仕事だってそう。


何度も忘れて何度もやり直して、そしてようやくこなれてくる。






教師・・・モカが一番なりたくない職業だった。
もっとも避けてきた道だった。


毎年毎年おんなじこと教えて、おんなじ環境にいて、
なんだかつまんない仕事。



誰かになにかを教えること。指導すること。
ぜんぜんおもしろくない。



学校で出会った先生、思い出に残る大事な出会いもあったけど、
「あんなやつたいしたことない」って思える人って多かった。


モカが出会ってきた人たち。
あの教師たちは、なんでこんな仕事を選んだんだろう。
他にやることなかったから?




・・・なんでだろう。
小学生ながらに、そう思っていた。



そう思い続けてきた職業なのに、
いつのまにか、モカは教育の世界に足を突っ込んでいた。



でも、教師という世界に近づく自分が嫌だった。


「あんなつまんない世界に人生の軸なんておけるかっつーの。」
それが本音だった。



でもその傍らで、本当はわかっていた。

モカがもっとも苦手な「努力」の裏に教師は成り立つのだと。

教師こそ、毎日が「同じになる日なんてない」仕事。
毎日、毎日教えることも違う。
毎年、毎ターンで教える相手も違う。

教える相手もレベルも違う。


そして、、、教える側に立たされた人-教師-のレベルもアイディアも日々変わらなければならない。
他人の人生に大きく関与する立場なのだから。


極めようとすればするほど、「同じまま」ではありえない職業。


いろんなスタイルの「教師」がいる。

金八みたいな教師。
GTOみたいな教師。

あんなもんドラマだから。
そう思いたいけど、実際そうでもないんだよな・・・。
なにげに、あれって現実の世界。





もっともっと楽しませたい、がんばらせたい。
理解させてやりたい。
できるようにさせてやりたい。
達成感に満ちた顔で笑わせてやりたい。


そう思えば思うほど、
レッスン前の準備は時間がかかる。


レッスンの前日は、何時間もかかって教案を作ったり、
レッスンの朝はバタバタしながらも、テキストを見直して、指導の仕方を考える。


たった1時間のレッスンでも、
準備にかかる時間は2時間だったり5時間だったり。



そして、最後にカエル君が言った。

「日本語が読めるようになった。書けるようになった。
 日本語もわかるようになったし、日本人の友達も僕の日本語にびっくりした。
 とっても嬉しい。
 本当にありがとう。ありがとう。」




素直に、最高に嬉しかった。

たぶんこれを「教師冥利に尽きる」というのだろうか。



4ヶ月間、カエル君と一緒にがんばってこれたこと。
よかった。




そして、なんだかんだいって、
次の日本語レッスン希望の生徒がすでにいる。
またしてもスイス人。




学校絡みの生活に飽き飽きして、しばし封印してたけど、

日本語教師モカ。
復活かな。











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最終更新日  2006年08月14日 18時07分00秒
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*゚ロ゚)ホ・(*゚ロ゚)ホーーッ!!   
kuff  さん
ビバ☆日本語!!
カエル君はとってもいい先生にめぐり合えて幸せだと思います゜(゜*´Д⊂グスン
私もドイツ語勉強してるときほんとに自分自身に腹が立って「もぉ~ヽ(`Д´#)ノ」ってなる時あるけど、そこから逃げずにちょっと辛抱してやってみよう!!ってゆー気になれた、モカちゃんの日記。
何気にパワー頂きましたヾ(´ー`*)ノ
モカちゃん教師復活だね!!
☆(゜ー゜☆)(☆゜ー゜)☆ (2006年08月15日 05時19分09秒)

Re:日本語学校スタバ教室(08/14)  
いんど象  さん
 私も「教師」って職業、イヤでした。
 自分が先生って呼ばれるの、耐えられないや。そんな責任持てない。って思って。

 私の友達何人か、大学の時教職取ったんだけど、結局先生になった人は殆んどいません。実際に教育実習をしてみたら、
「自分には40人もの生徒を教えるなんて責任が持てない。」
と思った。そんな覚悟もなく、何となく教職を取ってただけだったって気付いたからだって。それって、とっても全うな考えだと思う。

 で、それでも教師の道を選ぶ人には2タイプ。
1)は、それでもどうしても先生になりたい。どんな辺鄙な場所の学校でも構わない。自分はこの仕事に魅了された。ってやる気あふれる人。
 一人こういう友達がいて、故郷を離れ、長野県の山間部で、1クラス3人くらいの学校の先生として着任しました。彼は学園祭でもクラスのリーダータイプ。ユーモアも責任感もあって、きっといい先生になるだろうと予感させる人。児童心理や教育論なんかも沢山読んでいて、最初から「教師になる」って意気込みも周りの人とは違いました。

 2)は、親から「先生になったら?」と薦められたなどの理由の、なんとなくな人。
 その彼女は自立していなくて、何かというと人に頼ってくるタイプ。どのゼミに入るか、どの実習に参加するかも自分で決められない(だから、ゼミの内容と実習の内容がちゃらんぽらんだったり・・・)。正直、この人が他人を指導していいの?って思えたり・・・。
 彼女は両親とも教師で、親から先生になれと薦められ教職を取り、地元の県の採用に合格。しかも家から通える学校に着任が決まりました。何故か親が教師や公務員の人は、出身県で家から通える学校に着任する確率が高く、偶然にしてはできすぎな感じ(笑)。

 でも、実際には2)のタイプの教師、多いんですよね・・・。勿論、私、1)のタイプの先生に教わりたいです(笑)。
(2006年08月15日 06時12分19秒)

Re:*゚ロ゚)ホ・(*゚ロ゚)ホーーッ!!(08/14)  
lapin523  さん
kuffちゃん
・・・その顔文字かわいいよ。(-_-;)

いい先生になるにはまだまだ薄っぺらい人生のモカだけどさ、でも、カエル君が喜んでくれて本当によかった。
そしてKuffちゃんにお褒めの言葉をいただいて感無量じゃ~(/ー ̄;)シクシク
Kuffちゃんドイツ語がんばってるんだね。
語学学習ってやってる間に成果って見えないよね。地道にやっているとある日突然、「おお~」って自分で思える日がくるんだよね。でも、いつくるんだろね~それって。あきらめそうになるよね。

でも、やってきたことは自分を裏切らないよ。
たとえ忘れたとしてもね。
ともにがんばろう~( ̄0 ̄)/ オォー!! (2006年08月15日 09時26分40秒)

Re[1]:日本語学校スタバ教室(08/14)  
lapin523  さん
いんど象ちゃん

おっしゃるように 1)タイプの先生、2)タイプの先生って、いらっしゃいますよね。
そして、1)の先生に出会う確立って少ないような気がします。
すべての教師を否定したいわけではないし、教師を「神様」のように見立てているわけでもないけど、
でも、「教師にあってほしい姿」って、あるような気がする。
(もちろん自分でそれを成し遂げるにはかなり無理があるんですけど・・・)


親が教職を取れと言ったからとりあえず取った。。。
ま、親の言い分はわかります。
そしてそう答える方々の状況も理解できます。

人生の先をいく親が言うように、
資格があれば、そして教職という「公務員」の資格があれば、人生のチャンスが広がることには、確かに間違いではないのですから。

でも、「親の言いなり」と「親のアドバイス」とは、やっぱり違いますよね。
自分でどう受け止めるのか。
自分の中でどう消化していくのか。


「学習者にとってのいい先生」と「単に生徒の立場にとってのいい先生」これまた違うだろうし。


正直なところ、自分で選んだ道ですが、「教師」という職業が好きなのかどうか、それは未だによくわかりません。



「日本語」が好きなことはたしかなんですけど♪ (2006年08月15日 09時45分49秒)

ほいほい  
パンダ さん
教師ってのは良いぞ・・・講師だった頃楽しく教えることが出来たし、年下の生徒達と勉強していると、こっちも色々教えてもらう事がたくさんあったな。

頑張れ。NYから応援しているで。 (2006年08月15日 11時35分08秒)

Re:ほいほい(08/14)  
lapin523  さん
パンダちゃん

いろいろと教えてもらうことがたくさんあった。
たしかに、本当に、本当に、モカ自身もたくさんたくさん教えられた。
教えている内容の知識だけじゃない、もっともっともっといろんなこと。
語学学習をがんばる姿勢も本当に教えられた。

>教師ってのは良いぞ・・・

なんだか、パンダのこの一言にきゅんときた。
あったかい声援、ほんとうにありがとう。
なんだかもう一歩強くなれた。

友パン O(-人-)O アリガタヤ・・ (2006年08月15日 11時47分17秒)

Re:日本語学校スタバ教室(08/14)  
*Migros* さん
先生って、生徒にとっては重要な存在だよね。
私は好きな教科が得意だったのではなく、好きな先生の教科が得意だった気がする。それが最終的に好きな教科になってたな。
カエル君、いい先生に出会ってよかったね☆
(2006年08月17日 15時28分25秒)

Re[1]:日本語学校スタバ教室(08/14)  
lapin523  さん
*Migros*ちゃん

好きな先生の科目が得意だった、、、確かに。
そういうのってあるよね。
好きな科目でも、先生を嫌いになって、そして嫌いになった科目って確かにあったよ、(*'')(*,,)(''*)(,,*)ウンウン。

あの先生にあえてよかったって、いつの日か言ってもらえるような先生に、なれる自信は。。。あはは、そう簡単ではないだろうなぁ。

ミグロちゃんありがとうね。
なんかうれしかった。 (2006年08月17日 18時29分46秒)

日本語!  
schaetzeli  さん
モカさんにうちのアンドレス君にも日本語を教えていただきたい・・・!!

気合はあるけど、どう勉強したらいいのかわからなくて、
教材だけが部屋に積まれている様子です。

日本語のレッスンでは、初めにどんなことから教え始めるんですか~?? (2006年08月17日 18時59分36秒)

Re:日本語!(08/14)  
lapin523  さん
schaetzeliちゃん

お返事遅くなったっち。
なんか、真剣にいろいろ考えてみたよ。
アンドレ君、日本語学習の気合はありありなんでしょ。
ぜひがんばってもらいたくて、ラテとここ数日、あーでもない、こーでもないと、がんばりたい日本語学習のための学習ポイントを考えてました。

まず、ひらがなとカタカナの習得は必須だよね。
これが読めないと、たぶんテキストが読めないからね。
でも、さすがにひらがな&カタカナだけを完璧になるまでやりつづけるとかなりきつい。
なので、まずはひらがな&カタカナを一通りやる。

で、ひらがなとカタカナと習得はどっちが難しいとおもうかい?(schaetzeliちゃんはたぶんわかってるよね。)

そしてカナの練習をしつつ、「ありがとう」「ごめんなさい。」「おはよう」「じゃ、またね」「また明日」を言えるように&かけるようにしてね。

「こんにちは」と「こんばんわ」は、今はわざわざおしえないほうがいいかな。(教えちゃだめというわけではないけどね^^)実は、この挨拶はちょっと特殊なのだ。特殊、というのは、schaetzeliちゃんが身近な人(たとえば家族と)日本語で話すときを考えるとこの二つのやりとりは、しないはずでしょ。^^


これができたら、次へ進もう~!
(2006年08月19日 00時02分10秒)

そういえば  
ヒカル さん
もかさんは、今回は日本語の教師をしてるけど、
前に話してた韓国語の本の話はどうなったの?
というか、もかさんは一体何ヶ国語話せるんだろ(?_?)ラテさんももちろん語学堪能・・・2人で何ヶ国語??? (2006年08月29日 15時22分30秒)

Re:そういえば(08/14)  
lapin523  さん
ヒカルっち

いぇーい。
おひさしぶり~
韓国語の本は、まだ編集中とのことです。
今月、韓国の先生とお話しをしましたが、今先生が別件で忙しいようで、ちょっと後回し気味。

もか、学習した言語はいくつかあるけど、習得して現在も持続している言語はそんなにないんだ。
スワヒリ語とかやっていたこともあったけど、スワヒリ語なんてなかなか使うチャンスが無いから、勉強がストップしたら急激に落ちたね・・・
ラテは、ほぼ完璧に4ヶ国語+簡単な会話なら数ヶ国語できるらしいよ。モカには、それを測定する技能がありませんが・・・^^ (2006年08月29日 15時28分38秒)

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