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August 10, 2013
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カテゴリ: ドラマ
あらすじ





現代

廃墟と化したブライヤークリフ。興味本位で忍び込んだカップルを襲ったのは、ブラッディフェイスに扮したジョニー・モーガンだった。

4ヶ月後

ケネディ・センター名誉賞の授賞式を控え、インタビューを受けるラナ。
彼女はベストセラーを6冊生み出したのち、時代を読みテレビの世界に進出、その後は自らの報道番組を持つなどジャーナリストとして一時代を築いた。プライベートではパートナーのオペラ歌手マリアンとの満ち足りた生活。同性愛者であることを理由に、どこかへ閉じ込められたり治療を受けさせられる時代は終わった。
しかし、彼女にはまだやり残したことがある。





1970年3月27日

キットはジュードを施設から連れ出した。書店でのラナとの再会から数ヶ月後のことである。母親を亡くした2人の子ども達のために、キットの家庭にはジュードが必要だった。






1970年代

ラナは再び精神科病棟へ足を踏み入れる。劣悪な環境に置かれた患者の現状を撮影し『ブライヤークリフの真実』として放送したことで、施設閉鎖に成功。
その後ラナは、1965年に枢機卿に任命されたティモシー・ハワードを取材。患者失踪事件について、また、患者を使って人体実験を行っていた故アーデン医師について、ブライヤークリフの最高責任者だったハワードを追及する。取材攻撃の結末は、ハワードの自殺で幕引きとなった。このことでラナは世間のバッシングを受ける。





1970年代半ば

ラナはジョニー・モーガンと一度だけ接触している。
同性愛者が子どもを持ちたいと願うのは許されない時代であった。そんな中、キットから「子ども達、トーマスとジュリアの代母になって」と頼まれラナは喜んで引き受ける。キットはアリソンという女性と再婚。





1980年代後半〜

トーマスは法律学の教授に、ジュリアは優秀な神経外科医となった。
キットは40歳で膵臓がんを患い肝臓に転移、化学療法も効かず死を待つのみの状態に。穏やかな表情で数ヶ月過ごしたのち、ある日突然姿を消した。妊娠したアルマとグレースが「彼ら」に回収された時と同じ、閃光の中での一瞬の出来事である。ブライヤークリフで心停止した時と同じように、「彼ら」はキットを観察し続けていたのだろうか。





現代

インタビューを終え、取材スタッフがすべて部屋を出た後、ラナはやり残した仕事に着手する。ジョニー・モーガンについての情報はすでに入手していた。ラナの予想通りジョニーは今部屋の中にいて、彼女を殺そうとしている。






1964年

シスター・ジュードはラナに言う。
「悪に近寄ると、悪もあなたに歩み寄る」











感想

もしかしたら、ジョニー・モーガンはスレッドソンとラナの子ではないかもしれないなと思った。ジョニーが「自分はラナの子だ」と確信した根拠はラナの本を読み、テレビに映るラナを見た、というだけの話だ。ラナの本によって殺人鬼ブラッディフェイスとしてハリウッドスター並みの有名人となったスレッドソンと、自分は関係があると思い込む誇大妄想、血統妄想だったのでは。しかし間接的ではあるものの、実際に第二のブラッディフェイスを誕生させたのは自分であり、不幸な人間をこの世に送り出してしまった責任をとる意味で、ラナは最後の行動に出たのではないか。



1963年に報告されたミルグラム実験では被験者のうち65%が相手に最大の電気ショックを与えたという記録が残っているが、人間は役割を与えられれば比較的容易にそこに身を委ねてしまう。「ユダヤ人を絶滅させることこそ我々の務めだ」とアイデンティティを与えられたナチスドイツと同じように。ジョニーは「スレッドソンの血を引いている」という考えに支配されブラッディフェイスとしての役割を自らに与えてしまった。そういった意味では病棟を牛耳っていた時代のシスター・ジュードも、殺人鬼ジョニー・モーガンも、善男善女として健全に生きる人々も、皆同じ普通の人間であり、環境や境遇、その時代の常識とされることにどれほどの影響を受けているのか、それは時間が経過しないと見えてこない部分が多い。もしかしたら私たちも、取り返しのつかない間違いを今この瞬間も続けているのかもしれない。





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Last updated  August 11, 2013 03:49:57 PM
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