まだ十代の頃、テレビで見て、非常に感動したわけでもないのに、長く記憶に残っているシネマがある。
題名は『整形美女の復讐』だったか。
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類まれな才知に恵まれ優秀な頭脳を持ちながら、容姿に恵まれなかったヒロインが、
イジワルな同世代のからかいといじめの対象となり、投身自殺を図る。
そして、全身整形により、絶世の美女となって蘇り、次々に復讐を果たしていくというストーリーだった。
冒頭は結婚式のシーン。
ベテランの本物を見抜く目を持った刑事に逮捕されて手錠でつながれながらの結婚式の場で、殺人犯の主人公の回想という形で、話が展開していく。
痛快の一言に尽きる。
ぢつを申せば、カラリストという仕事をして、知りえた事実として、どんな女性も、似合う装いをすれば、其処へ現れたときよりぐんと美しくなるし、心持ちで、もの凄い違いが出る。
だから年若い大学生の主人公が、醜いとしたら、センスの問題か手抜きや不精、間違った自己表現の手段による弊害でしかないと思うのが、本音だ。
そもそも、若いということは、自然の与えたもうた、素晴らしい魅力のひとつなのだ。勿論、そのままでは、あまりに芸がないし、それに驕れば、時の洗礼を受けていく度に、貧相で薄っぺらな内面が露呈していく。
それで、年を重ねていくに従い、若さを失う代償に、才知や心栄えや趣味や品格という、目に見えない魅力を積み重ねていかねばならない。
この作品ではヒロインを、思わず誰もが腰を引くくらいの不器量でセンスの悪い娘と設定。
複数の大学のほとんどの単位を習得した英才にして、美声で物真似の才の持ち主、全米でも有数のビリヤードチャンピョン。
で、それほどの才知に恵まれている人物はまれ、というくらいの資質に恵まれた分、神様が公平を期すため、器量を差っぴいた、とでもいいたいらしい。
でも、半端ではないその頭脳や才能。正直、うらやましいばかりの設定なのだ。
要は他より抜きんでたものを持ちすぎると、集団の中では、浮きまくるということ。
出る釘は打たれるとばかり、ヒロインの気にしている容姿をネタに、壮絶なイジメに逢う。
変身してからは、持ち前の才知を活かし、見事な復讐劇を企画していくので、ついこちらも引き込まれてしまう。
あまりに鮮やか、なのだ。
。。。。。。。。。。。。。。
できれば、もう一度、見てみたいなあ。
こういった復讐劇はよくドラマや映画で取り上げられるけど、ここまで、徹底したものは少ないような気がする。
人生のスパイス 2016.04.15
くれないとり、つぶやく 2015.05.20 コメント(1)
何時、でも 2014.11.26
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