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まだ早い時間で、人も少なくて、空気だけが先に動いているみたいだった。見頃らしい、というより、ただ「今そうなっている」という感じで咲いていた。
少し立ち止まる。
朝で、まだ、うまく目が慣れないまま眺めていた。
家に戻ってから天気予報をつけた。
画面の中では、遠くの町で川の水位が上がっていると言っていたり、どこかでは激しい雨になっていると言っていた。地図と音だけが少し大きくて、実感はあまり追いつかない。
こちらはまだ降っていない。
ただ、空は、だいぶ重くなっている気がする。風も、さっきより静かではない。
台風が近くまで来ているらしい。
こういうとき、理由もなく落ち着かない。
何かを準備するほどでもないのに、何かが少しずつ変わっていく感じだけがある。
朝見たヤマボウシの花のことを思い出す。
毎年同じように咲いているはずなのに、今年は少しだけ長く見てしまった。昔もこういう花の季節があったはずなのに、名前も知らないまま通り過ぎていた気がする。
思い出せそうで、思い出せない。
どこかの町では雨が強くなっているらしいし
今のところ、この辺りはまだ静かだけど
もうすぐ天気が変わるのかもしれない…
傘は持っている方が良さそうだ。
ヤマボウシの花が、明日少しでも残っていればいいと思う。
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