親と教師の往来all right日記

PR

プロフィール

HANa3

HANa3

カレンダー

コメント新着

スナフキー @ Re:バラ園で働くのは(06/16) おはようございます。 なかなか深いですね…
スナフキー @ Re:ウポポイ(民族共生象徴空間)(06/14) 初めまして。 私は1度ウポポイに行ったこ…
小次郎papa @ Re:映画「小学校~それは小さな社会~」(12/21) 映画を見ていないのに、見たかのような感…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2025.11.23
XML

教員になった頃
理科の授業でカイコを育てて
糸を吐かせて絹糸のうちわを作ったり
繭玉人形を作ったりしたことがあった
子供たちも慣れてくると
すべすべのカイコを掌に這わせて
カイコの愛らしい顔や模様をじっと見つめて大切に育てる
桑の葉を食べて大きくなればなるほど
体の大きさに合わせた大きなフンがコロコロ出てくる
桑の葉が校庭になければ練り餌をあげる
ちなみに家畜のカイコは一頭二頭と数える
勝手に卵を産ませて増やすことはできない

カイコを育てた経験が様々な知識を定着させる

生まれる瞬間を見るために
卵を冷蔵庫で保管したり
授業の日に合わせて数日前に冷蔵庫から出したりする
教室の拡大カメラで大きく卵を写して
他の教科の授業を進めながら
生まれる瞬間をみんなで見守ったりもする

卵の薄い皮の中で幼虫が動いていたり
運が良ければ生まれてくる瞬間も見られるのだ
この瞬間をクラスみんなで共有できた時
どんな虫嫌いも少し興味をもつことができる
そして毎日校庭から新鮮な桑の葉を取ってきて育て始める
1ミリほどの卵から出てきた幼虫も
数週間で子供たちの指と同じくらいの太さに育つ

一人一人担当のカイコを大切に育てる経験は
優しい微笑みのように見える模様とシルクの肌触りや
絹糸を吐いて日本の産業を発展させた社会科の学習につながっていく
カイコの凄さを実感させられると
さらに愛着が湧く
そして理科の教科を超えた経験となる

昆虫の体のつくりについて
頭 胸 腹の3つに分かれている
という知識を理解させるために
分かりやすい動画教材を見せても
教科書を開いた瞬間に虫嫌いの子供たちは
声を上げて拒否反応を示す

授業の中でできるのは決められた授業時数の中での指導
学校行事に追われていると各教科の指導はおろそかになる
教師の裁量に任された「指導方法の工夫」は
小学校の教員にとって
どれか一教科強みがあるとよい
と初任者の頃から先輩や管理職に言われてきた

そのアドバイスに
私はずっと一つに絞れないままでいた
学べば学ぶほど全教科の面白さがあるからだった
その面白さを家族とも共有してきた

土日に数十の幼虫と桑の葉を持ち帰り
月曜日に元気なカイコを学校に持っていっていたので
我が子はカイコに慣れ親しんでいた

娘は小学校で「カイコを育てる先生」が担任となった時
うちわの骨組みに絹糸を吐かせてシルクの手作りうちわを持ち帰ってきた

私は授業で繭玉人形を作らせたことしかなかった

こうした教科書には掲載されていない教材を用いた指導は
経験豊富なベテランの先生方でも
やる人とやらない人がいる

私は子育てをしながら教員をやってきたので
教員1年目と2年目の時に
理科指導を独自で開発される先生と学年を組み
段ボール箱で空気砲を作ったり
工作用紙で潜望鏡を作ったり
メダカの卵を一人一つ渡して育てる方法も教えてもらった
他にも先輩教員から紹介してもらったのは
会費を払って参加する理科の研究会

自費で受ける研修の面白さ
学習指導要領を超えた
各教科の枠を超えた学ぶ喜びが
授業づくりの面白さを知るスタートとなった

手間と時間のかかることを
自ら好きでやれることほど強いものはないと実感している

「やらされるもの」「やらねばならぬもの」ができたときの喜びより
「やってみたい」という内発的な動機づけがあることの方が失敗した時や困難に直面した時にそれらを乗り越えようとするエネルギーや諦めないで努力をし続ける粘り強さが出てくる

日々発信される新しいことだけでなく
これまで大切にされてきたことも
常に知りたいと思う

クラスの子供達にも我が子にも
私自身が今ワクワクしていることを伝え続けている

カイコを育てていたあの頃は
生まれた時からクラスみんなに大切に育てられ
桑の葉をよく食べて日に日に大きくなっていく姿を見て
カイコが桑の葉を無心で食べるように
クラスのすべての子どもたちが興味をもてる何かに夢中になれたらいいなと思っていた

家族で行った3度目の富岡製糸場では
解説員の出すクイズにだいぶ答えられるようになっていた
世界遺産に登録されたので
フランス製の糸縒り機の実演コーナーも新たにできていた
昔の人が考え出した仕組みや当時の人々の思いを
今もこれからも伝え続けることの大切さを感じた

そして
カイコを育てたあの時の子供たちとの経験をふりかえり
これからも自分の指導方法の引き出しを増やし続けたいと思った






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2025.11.23 07:24:07
コメントを書く
[誇るべき日本🇯🇵] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: