野の花も日々あれこれ考える

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2006年08月14日
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カテゴリ: 趣味のいろいろ
一泊旅行の余韻を楽しむのもつかの間、殿の仕事のお付き合いのある方から「川でバーベキューするからおいで」と電話が。

以前にも何度か参加したことがあるが、それはそれはものすごいバーベキュー大会だ。

うちの子供達は残念ながら今日から二人で私の実家へ遊びに行く予定が決まっていたので、二人を駅まで送って、今年は殿と二人で参加することに。
水着を中に着こんで、Tシャツとハーフパンツを上から着、タオルと、お土産のスイカを車に積み込んで出発する。

車で走ること約40分。
窓を開けると、市内よりも少し空気の温度が下がったかなと感じた頃、現場に到着。

バーベキュー会場.JPG

大きな道路のすぐそばとは思えない秘境っぷりの川原。
毎年、このバーベキューパーティはここで開かれる。


建設現場ではみな険しい表情で力仕事をしているメンバーなのだが、この日ばかりはみな人懐っこく、優しく、楽しい笑顔だ。
ざっと見たところ10家族くらいだろうか。
今年は日程が変更になったため、これでも参加者は少ないほうらしい。

私たちのための炭はすでに火がおこされていて、パラソルまで準備されていた。
「遠慮しないで好きなように楽しんでね」と案内されて席(といっても川原の石の上だが)に着く。

ここのバーベキューは、いつでも至れり尽くせりに何もかも用意されている。
テントの下には大きなスチロールのケースがずらりと並び、それぞれに、牛、トントロ、鶏、トウモロコシ、かぼちゃ、玉ねぎ、ピーマン、おにぎり…などがぎっしり詰まっている。
缶ビールとチューハイも数百本ずつは氷水に冷やされているし、日本酒や焼酎のビンもならんでいる。
もちろんお茶やジュースもたくさんある。
到底、個人の開くバーベキューパーティの規模とは思えない。
町内会のイベントでも、こんなにたくさんの食材を準備することはないだろう。


これらはこのバーベキューのメインではないのだ。
メインの食材はまだ川の中。

鮎とりの準備.JPG

参加者達が和やかにお肉や野菜を焼いているころ、数人のおやじ達がおもむろにウエットスーツに着替え始める。
この主催者の社長は、実は地元では有名な鮎しゃくり名人なのだ。
「鮎をしゃくる」というのは、このあたりではポピュラーな鮎のとりかたで、細い竿の先に、細いゴム紐をつけられた針が仕込んであり、水中の鮎に引っ掛けて捕まえるのだ。


おやじ達は数人で長い網を持ち、バーベキュー会場からは少し川下に移動し、そこで網を広げ始める。
大声で怒鳴りあいながら、おやじ達は網を広げながら少し上流へと移動してくる。
一段落すると、今度は少し上のほうからも同じ作業をする。

鮎をうまくとるにはかなりの経験が必要らしい。
とても動きのすばやい魚だから、次の動きを読まなければ、うまく捕まえられないのだ。
だから、ここでは若造は決してえらそうにはできない。
下手に動くと邪魔をしてしまうので、名人達に怒鳴られる。
だが、おやじ達に怒鳴られたり笑われたりしながら、若造たちも数年後には鮎とりのうまいおやじに育つのだろうなと思うと、なんだかとてもほほえましかった。

そうこうしてちょうどバーベキューをしている目の前の川に、網で囲った大きな生簀ができた。
それまで大声で声を掛け合っていたおやじ達は、ふいに静かになって、細い竿を片手に水面に顔をつける。

おやじたちの鮎とり.JPG

おやじたちの鮎とり2.JPG

数秒のうちに、今日のお楽しみの一匹目が私たちのところへ届けられた。

とれたて.JPG

目の前で今、取られたばかりの鮎だ。
とれたての鮎は、かすかにスイカのにおいがする。
川の石につく苔を食べるためらしい。
少し塩を入れた器に入れると、ぴちぴち跳ねて、勝手に塩まみれになってくれるので、逃がさないように注意して網の上へ。

とれたてを炭火で.JPG

私はここのバーベキューに参加するまで、鮎という魚がこんなにおいしいものだとは知らなかった。
身はほのかに甘く、いい香りがする。
ワタは確かに苦いのだが、それがまた旨いのだ。
小さいものは頭からバリバリと食べる。

おやじ達はひたすら川の中から捕まえた鮎を川原に投げてよこす。
それを次々に塩をつけて焼く。
結局、私は10匹ほど塩焼きでいただいた。

食べるのに飽きたら川へ入る。
ここの参加者はみんな、大人も子供みたいに川で遊ぶ。
大人が泳ぐのにちょうど良い深さの場所があり、そこで泳いだり、浅いところをジャブジャブ歩いたり。

しかし、ぼんやりしていてはいけない。
初参加者にはここの会恒例の手荒な儀式が待っている。
若い衆が数人集まったかと思うと、初参加の一人一人を川へぽーいっと投げ込むのだ!
私は数年前にやられた。
力仕事は慣れている彼らだから、ぼんやりとおにぎりを食べていた私などはあれよあれよという間にみなで持ち上げられ、ちょうど良い深さのところへジャブンと投げられた。
これで、ここの会の正式メンバーになれたということなのだ。

投げ込まれて笑いながら川から戻ってくる人たちを拍手で迎えたりしていると、社長の奥さんが大きなお鍋を持ち出してきた。
鮎入りのお味噌汁を作ってくれるのだ。
これも毎年恒例になっているもので、参加者はとても楽しみにしているものの一つ。
残った野菜と鮎を入れた味噌汁の鍋には、魚臭さをを消すために、仕上げに焼いた大きな石を放り込む。
一瞬で鍋の中がぶわーっと沸騰し、あたりにお味噌の良い香りが漂う。

鮎の入ったお味噌汁.JPG

熱々のお味噌汁が、川で冷えた体にしみる。
残りの炭火でおにぎりも焼いて、そろそろフィナーレが近づいてくる。

ヒグラシが鳴く頃2.JPG

糸トンボ.JPG

ヒグラシが鳴き始めたら、みなそれぞれに片づけをはじめる。
いい大人達なのに、みんな子供のように、楽しさの余韻をにじませた笑顔で片付けている。

鮎をとるおやじたちのかっこよさと、子供のようにはしゃぐ大人たちの純真さ。
なんだか、俗世間から切り離された空間にいたような、心地よい錯覚を起こすほどの、楽しい時間だった。





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Last updated  2006年08月17日 20時20分46秒
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