村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」に、深い井戸の底から見上げる空に真昼でも星が見えるという話が出てくる。
そして、O・ヘンリーの短編第三集にも同じような記述がでてくる。また『帝都物語』の中で、寺田寅彦もおなじことを言っているらしい。
本当なんだろうか。どうしてそんなことが起こるんだろう。
昼間は大気中にある細かい粒(雲なども含めて)によって太陽の光が乱反射されて、その光に星の光が負けてしまって見えなくなる。その斜め方向から入ってくる散乱光を筒や井戸などで遮断する事によって、十分星の光に対抗できる明るさになる。
また、周りが暗いので目の感度が高くなってより小さくて弱い光も見えるようになる。
それで昼間でも星が見えるようになる、ということらしい。
ターゲットにする星が天頂にくるような緯度の範囲上にある井戸で、その星が昼間に天頂を通過する期間、天頂付近が晴れていて星が通過する5分間から10分ぐらいの間に見ないといけない、という条件内で可能ということらしい。
両手を双眼鏡のような形にして遠くを見ると驚くほどよく見えるという原理と同じなんですね。
科学館などの天体望遠鏡のある施設では、昼間に星を見るイベントを時々やっているようです。
星の通り道の真下に枯れた深井戸があるというのも、何か運命的な偶然の成せる業。小説はそんな非日常を切り取って提示し、吾々の脳を様々に刺激してくれます。
小説とい世界には無限の可能性と魅力を感じますね。
「日歌」が千首を超えたのを機に、 「游歌」 とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートすることにしました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選
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