♪ 本好きが生きる力となりぬべい正座して読む義父(ちち)は九十二
今年で九十二歳となった義父は、小柄だが背筋が伸びて姿勢がいい。普段から正座が一番楽だと言って憚らず、家へ来ても足を崩すことがない。自宅で本を読む時もソファーベッドに正座して読んでいるらしい。
小学生の時に両親を亡くし、天涯孤独な人生を歩んで来た人だが決して他人に弱みは見せない。性根が座っているのだろう、シベリア抑留の体験談も楽しそうに話すし、辛い思いをしたという様な話も聞いたことが無い。
自分の置かれた状況を、何が何でも受け入れる事が絶対の条件だっただろう。人の悪口を言わない、愚痴をこぼさない、我が儘を言わない、忍耐と服従、協調と妥協の人生。温厚で周囲からは「仏様のような人」と言われ、職場でもみんなに好かれて悪口をいう人もいない。
野生の動物がそうであるように過去は無いものとして、今、現在を精一杯生きること。明日という未来に目を向けて生きる姿勢があるからこそ、つつがなく生きて来られたのだろうと思う。「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラが「私には明日があるわ!」と言ったように・・・。
手先が器用で、日曜大工好きが高じて部屋の改装を頼まれたり、ちょっとした家具の製作を依頼されたりしていた。私もレコード収納ラックや手作りスピーカーの平面バッフルの穴あけをやってもらったりした。
♪ 口喧嘩の茶飯事にして義父義母(ちちはは)はアドレナリンを力に生きる
♪ 矍鑠と背筋を伸ばしゆく義父(ちち)の必須アイテム茶のハンティング
♪ おもむろに「最近歳を感じるなぁ」つぶやく義父(ちち)は卒寿を過ぎぬ
♪ みなしごとなりて辛苦の長旅を生き来て義父(ちち)は長寿の誉れ
義父母の歳を二人合わせて189。本人たちが喜びそうもないので何もお祝いはしなかったが、結婚して60年のダイヤモンド婚式を過ぎている。
義父は今でも、毎月5~6の本を図書館で借りてはせっせと読んでいるらしい。その読んだ本の内容を、行けばカミさんに話し聞かせてくれるという。内容を記憶しているばかりでなく、筋道を立てて話すというから恐れ入る。目も耳もちゃんとしている上に、記憶力もしっかりしているということ。
義母もニュースにはとても関心が高く、聞き知ったニュースを長々と聞かされるらしい。好奇心旺盛で自我が強く、口喧嘩をしては義父を閉口させている。
イギリス式による結婚記念日呼称の一例。
10年目 錫・アルミニウム婚式
15年目 水晶婚式
20年目 磁器婚式
25年目 銀婚式
30年目 真珠婚式
35年目 珊瑚婚式
40年目 ルビー婚式
45年目 サファイア婚式
50年目 金婚式
55年目 エメラルド婚式
60年目 ダイヤモンド婚式
70年目 プラチナ婚式
日本では、1894年(明治27年)に明治天皇が銀婚式を祝ったのをきっかけに、一般に広まったとされる。名称は、国や地方によって違う場合もあり、時代とともに変化もしていくようだ。
平均寿命の他に「 健康寿命 」というのがあって、健康で元気な状態での高齢者は意外と少ないという。男で約9年、女で約12年、平均寿命を下回っている。
国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口(平成24年1月推計)によれば、 平成25年から平成34年 にかけて、 平均寿命 は 男性では80.09年から 81.15年 へと1.06年、 女性では86.80年から 87.87年 へと1.07年 とさらに延びることが予測されている。
厚生労働省の「平成25年簡易生命表における平均寿命」および厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の「第2回健康日本21(第二次)推進専門委員会」資料
老後30年時代といわれる中で、雇用延長で65歳まで働いた場合、 退職後の元気な期間 は 男性6年 、 女性9年 しかないという現実。
健康寿命を伸ばすために、俗に「テクテク・カミカミ・ニコニコ・ドキドキ」といわれている。これは適度な運動(テクテク)、3度の規則正しい食事(カミカミ)、心の健康(ニコニコ)、五感を使った感動(ドキドキ・ワクワク)を指すのだとか。
普通に元気ならこの辺の事は当たり前に出来ることだろう。
ヨーロッパの高齢者ホームでは、ヘルパーが朝起こしに来て朝食に連れ出した後は、個室には(ヘルパーが)鍵をかけるという。つまり住人は、医者の指示で横になる必要がある場合を除いて、夕食が終わるまで自分の個室には戻れないというシステム。
個室に自由に入れるようにすると、人はついつい安楽を求めるのでベッドに横になる確率が高くなる。そうすると、すぐに足腰が弱まってしまう。そのため多少つらくても、リハビリルームや図書室、庭や町への散歩などで時間を費やすことで、それらを予防しているという訳だ。
いづれは日本でも採用するところが出て来るかもしてないが、今はとてもそんな状況にはない。人手不足でサービスは低下するばかりで、オチオチ歳なんか取っていられないのが現状のようだ。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆ 短歌集 「ミソヒトモジ症候群」 円居短歌会第四歌集2012年12月発行
● 「手軽で簡単絞り染め」
◆ 満10年となりました。 2016.05.07 コメント(2)
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