歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2020.09.19
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カテゴリ: 猫の目

♪ 引力に敗けて転がる植木鉢の割れても末に金継ぎの待つ


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 ご主人様、庭に転がっている割れた植木鉢を見て、しばらく静かだった手遊(すさ)びの虫が目を覚ましたらしい。焼き締めの釉のかかった黒っぽい縦長のやつが大小4つに割れてしまっている。その欠片を見ていて、面白半分に「金継ぎ」してみようと思い付いたらしい。

 以前から興味があると言ってたような・・・
 やった事ないのに、やっているのをTVで見た事があって何とかなると、他人に出来て自分に出来ないわけがないといういつもの不遜な思い上がりが這い出てきたようだ。
拡大します
 先ずは、綺麗に洗って乾してある。そしてそれを、水にも強い「セメダイン スーパーX」という万能接着剤で元の形に復元するわけだ。本来は、漆に何か混ぜてペースト状にしたもので貼り付けるらしいけど、爺さまの家に漆なんかあるわけがない。それで、使用にも耐える強力接着剤で貼っちまうというわけだ。接着して直ぐには固まらないらしく、一晩放置してあった。

 接着部分に漆を盛り上げ、その上に金粉(金泥)を振ってやるのが「金継ぎ」の技法らしい。漆の代わりに、同じ接着剤で代用するって魂胆らしい。とに角この接着剤は粘度が高いので、漆のように細筆で乗せていくようなわけにはいかない。
 どうするか見ていると、付属のアタッチメントの先端をカットし、口元を少しだけ斜めに削った。そうすれば、鉢に盛り上げていく時に接着剤の山を低く出来るんじゃないか、と考えたようだ。

 なにせ初めてのことなので実際にやってみると、これがなかなか難しいらしい。鉢は曲面になっている上に、塗布するラインは曲がっている。一定のスピードで、同じ太さに接着剤を絞り出しながら、ライン上に乗せていくなんてよっぽど練習しないと無理。でもまあ、爺さまは面白半分にやっているわけなので、その難しさを面白がればいいと、気にもしていない様子。
 接着した時にはみ出した接着剤もそのままなので、よけいやりにくい。歪もうが、太さが変わろうが適当に強引にぐぅぃぃと・・。大丈夫かな。


 そうして肝心の金紛(金泥)を蒔く作業に入るわけだけれど、ボンドの表面が乾かないように一度にやらず、3回に分けてやっていた。この接着剤は使い慣れてるからねえ、その辺りは抜け目がない。
 金泥も漆と同様に爺さまが待っているわけない。でも、染色で使うHRS(ブロンズパウダー、銅・亜鉛・アルミの合金)なら有る、それで十分だろうと。純金泥の代用として使うものなので変色する可能性があるけれど使うのは植木鉢だからねぇ、なーんにも問題はないわけだ。

 蒔絵(まきえ)の技法をやってみようと思っているらしい。水性ペンの中身を抜いた筒を用意した。そこに金泥を入れて、中指で弾くようにして接着剤の線上に振りかけていく。
 まあテクニックが無いので上手くはいかないけれど、余分な部分は後で払えば落ちてしまうので、なにも気にすることもないようだ。


 大した知識もないまま、ぶっつけ本番でやっちまった爺さまはエライ。捨ててしまえばそれまでだけれど、こうして手を加えてやれば立派に再生するんだからねぇ。立派なもんだ。
 金継ぎは魂が込められた分、元のものよりも価値の高いものになるというからねぇ。「いい仕事してますねえ」って言ってやりたいわ。割れたものを工夫して、新たな価値を見つけ出してしまう人間って、ホント面白いねぇ。猫の知ったことじゃないけど・・・



直径155㎜ 高さ155㎜

 アップにしてこうして見てみると、ナニ、荒が目立つって?
 いやいや、「いい味が出ている」と言ってよー。茶碗みたいに手に取って使うもんじゃなく土を入れて使うもんだからね、「野趣ってもんが必要なの!」・・・なーんて


さーて、何を植えてやろうか。


 この「金継ぎ」って日本の伝統技法っていうけど、とてもユニークだよね。詫び寂びの美意識を、移りゆく森羅万象とクロスオーバーさせて、心の中にある種の情緒を膨らませていく、その懐の深さ。勿体ない精神も根底にあるのだろうけど、海外の人がいま憧れを持って注目していることも理解し、納得出来るというものだね。

 「The Art of Embracing Damage(損傷を受け入れる芸術)」として 海外でも紹介 されている し、江戸時代はこの3R的システムが生活に根付いていたことを思えば、植木鉢の再生だって堂々と胸を張っていいってものだと、自信をもった爺さまでした。
 僕に、「皆さんもリユースしましょうよ」と言っといてくれって・・・

 AC(after corona)では、噂なんだけど「 3R (リデュース、リユース、リサイクル)」が、日常の合言葉となるらしいよ。朝は、おはよう の代わりに リデュース、昼は、こんにちは の代わりに リユース、夜は、こんばんは の代わりに リサイクルってね・・。


3R推進協議会

 そう言えばもう一個、庭に割れた植木鉢があったような。味を占めた爺さまはそれもやるんだろうなぁ、きっと・・

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最終更新日  2020.09.19 11:38:35
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
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