歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2021.09.30
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カテゴリ: 残念なこと

♪ 負けん気と勝気をかけて2倍する白鵬という巨像が出来る


 「相撲は格闘技である」と、白鵬は思っていたに違いない。白鵬には異国で認められるための自分なりの横綱像があり、批判を浴びてもものともせず、突き抜けていける強さがあった。「白鵬は横綱の品格を理解できない」という批判をものともしない信念があった。

 モンゴルの先輩横綱・朝青龍は、2010年の初場所後に知人への暴行事件が発覚し、引退。この直後、角界を次々と不祥事が襲う。テレビに映る砂かぶり席での暴力団の観戦問題。そして、現役大関だった琴光喜らの解雇に発展した野球賭博事件・・・10年7月の名古屋場所は、桟敷席はガラガラになり、地に落ちた大相撲人気の回復は、一人横綱の白鵬に託された。

「やんちゃ」だった朝青龍に対し、白鵬は優等生のように白星を積み重ねていった。
初場所14日目から11月の九州場所2日目に稀勢の里に敗れるまで、連勝記録は双葉山に次ぐ史上2位の63まで伸ばした。あと5つで双葉山の69連勝に並ぶところだった。翌11年2月、八百長事件が発覚。直後の春場所は中止に。
 そして迎えた3月11日、東日本大震災が起きた。約3カ月後、相撲協会は東北の被災地を巡回慰問。家を、街を、親を、子を失った人たちが、避難所で無慈悲な労苦を背負わされている人たちが、自分を、拝んでいた。「横綱とは、日本の魂なのではないか。私は、日本の魂でなければならないのではないか」あの日から、白鵬は東日本大震災の被災地と被災者に心を寄せ続けている。

 しかし、稀勢の里が大関に昇進し、横綱をうかがうようになると、態度が一変する。 震災から2年後の13年11月23日。稀勢の里に土を付けられ、負け残りの会場に「万歳」の連呼が起きた。みるみるこわばっていった白鵬は、翌日の千秋楽の朝、白鵬はちゃんこも口にせず、ふさぎこんでいたという。
 絶頂期に唯一の好敵手が稀勢の里だった。2010年に連勝記録を断たれたから、ここまでやって来られた。もし達成していたら無理だったかもしれないという。




 近年、横綱の振る舞いの一部は、批判の的になってきた白鵬。勝負の結果に不満を示す態度、言葉。千秋楽の優勝インタビューで観客に促した万歳三唱や三本締め。同郷の朝青龍と日馬富士が暴力で土俵を追われたのに対し、白鵬への評価はいつも、大相撲の伝統に照らし、許せるか、許せないかの間で揺れた。
「国技」を自認する大相撲の記録がモンゴル出身力士に次々と塗り替えられていくことに、協会もファンにも焦りがあったのではないか。



 数々の大記録を作った白鵬の強さの一端を象徴するものの、過去の横綱では考えられない奇襲だった。最後の本場所となった今年7月の名古屋場所14日目。全勝の白鵬は、大関正代との一番で俵いっぱいまで下がってからの立ち合いを見せた。意表をつく取り口に議論が巻き起こった。「横綱としてあるまじき行為」「そこまでして勝ちたいか」。角界内外から批判が出た。

 6場所連続休場あけで、けがした右ひざがもう限界で、夜中まで考えて出した結論だったらしい。朝の稽古場では少し下がる程度だったが、正代と向き合った時に威圧感を感じ、「もう少し下がった方が良いのかな。」そして納得して腰を落としたのが土俵際だった。「普通にやって敗けるより、勝つための最大限の努力をする」という信念に裏付けられた形だった。「技のデパート」と言われた舞の海秀平に、「白鵬ほど相手を研究し、考えて相撲を取る力士はいない」と言わしめる。


白鵬 入門時の姿

 入門時の体重が60キロそこそこだった白鵬は、初土俵後の序の口で負け越し、強くなることを夢見て、基本、基礎を必死に繰り返した。稽古の基本であるシコ、すり足、テッポウでも手を抜かず、特にシコは念入りにやる。本場所でも、花道に出るまでシコを踏んだ。自らの相撲の型を磨き、鋭く、低い踏み込みと左前まわし。体重を増やしつつ、強靭な下半身を使って、一気に相手を圧倒する理想の姿を作り上げた。太ももの裏の筋肉は柔らかく、パワーを兼ね備えている。モンゴル相撲の元横綱の父親から受け継いだのだろうが、絶え間ぬ努力があってこそのもの。

 横綱晩年は、ケガが増え、専属トレーナーの施術も1日5回にもなった。野菜中心の食事に務め、場所中は飲酒もしない。場所の合間には、体調を整えるために断食もしたという。自らを律し、目の前の1勝に全力を注いだ。

優勝の瞬間


 大鵬、柏戸の「柏鵬時代」からしこ名を授かり大横綱へと駆け上がった白鵬。全勝優勝して土俵を去る力士は初めての事。孤独と戦いながら一人横綱の重圧に耐えてきたが、照ノ富士という横綱が誕生したことで、ようやく肩の荷を下ろすことができたのだろう。本当に日本の相撲が今あるのは、彼のおかげと言っても過言ではないでしょう。

 日本国籍を取得し、親方株も取得。白鵬部屋を開いて後進の指導の道へ進むことになっている。どんな力士を世に送りがしてくれるのか、大相撲ファンんは大いに期待している事でしょう。
 特別な何か、功績をたたえる賞を授与されてもいいくらいのものです。




 ギネス世界記録に認定された『ゴルゴ13』の生みの親、さいとう・たかを(本名斉藤隆夫)さんが24日午前10時42分、膵臓がんのため東京都内で亡くなった。84歳でした。偉大な記録を樹立した人の引退と、逝去のニュースが重なってちょっと淋しい秋となりました。





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最終更新日  2021.09.30 10:42:13
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◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
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