Easy Going~気楽に行こう~

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2024/06/19
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たまたま私は、その1年間ほど前に、他の病気と併せて麻疹の抗体値も調べてあった。追加接種は一通りしなくていいでしょうと説明を受けていた。
騒動を受けて、改めて主治医の説明を受けた。
「抗体値は10.5。これは正直、ちょっと低い。できれば16欲しいところ。
ただ、これがもし1.9以下なら、接種を強く勧める。この数値は、急いで追加接種しなきゃいけないってほどでもない。
どうする?
麻疹ワクチンは、品薄になってはいるけど、入手できなくはないよ」
改めて説明して頂いて、納得の上で、追加接種しない判断をした。


麻疹ワクチンの接種状況は、生まれた年月日で大きく4つに分かれる。
①1972年9月30日以前
 定期接種が始まる前。大半が未接種。幼少期に自然感染した人が多い。未接種で未感染なら抗体はない。未接種でも感染していれば抗体はあるが、不十分かもしれない。
②1972年10月1日~1990年4月1日
 接種1回世代。抗体値は不十分かもしれない。
③1990年4月2日~2000年4月1日
 接種1回+追加接種措置の世代。2回接種で問題ない人が多い。
③2000年4月2日以降
 接種2回世代。おそらく問題ない。

私は①。定期接種前の世代。
おそらく未接種の感染済みだろう。今となっては確認できない。

今年の春先、海外渡航者から麻疹が持ち込まれ、感染者が出て、クラスター発生。私が利用しているSNSでは大騒動になっていた。
中でも、BUMP OF CHICKENのLIVE会場でのクラスター発生は、ちょうど彼等のサウンドにハマり始めていた私にとって、大きな衝撃だった。

それまで麻疹ワクチン接種に、未接種世代・1回世代・1回+追加世代・2回世代とあることも、自分が未接種世代であることも、知らなかった。
「不安ならブースター接種した方がいいですよ」
「介護職なので念のためBUMP OF CHICKENのLIVEをキャンセルしました」
「麻疹がそんなに感染しやすいなら、BUMPの4人は大丈夫なのか。彼らから感染しないと言い切れるのか。LIVEやっていいのか」
「ワクチン接種可能ですかと内科何軒かに電話で問い合わせたけど、全部ダメだった」
などのポストが心に残っている。
マスメディアのネット記事では、麻疹の後遺症で脳炎になった患者が紹介されていた。完全寝たきりで会話も自発呼吸もできない。麻疹は完治したように見えて、数年後にこうなるケースがあることを知らなかった。

書き込んだ人たちに、悪意などあろうはずもない。それぞれ良かれと思うこと、不安なこと、実際どうだったかを書き込んだに過ぎない。
しかし、それらを読んで、メンタルの弱い私は不安が強まりかけた。
もし追加接種が必要なら、あの時に主治医に勧められたはず。勧められていないのだから大丈夫。そう考えて不安を鎮めた。
次またこういったことが起きた時に備えて、私は不安が強くなる・かき立てられるタイプだと自覚しておこう。

未接種世代の全員が2回接種して、1回世代の全員が追加接種できることが、理想かもしれない。しかし現実、全員に行き渡るだけのワクチンは製造されていない。
感染拡大が懸念される状況で、ワクチンは限られている。もし全員が群がったら、混乱の中、本当に必要な人が接種できなくなる。
じゃあ、本当に必要な人、優先接種されるべき人って、どんな人だろう?
今年接種予定の乳幼児、医療・介護・保育・教育など弱者と接する業種、受験生、妊娠希望者、妊婦や新生児の家族、重篤な病気の治療中・治療後などで接種必要と判断された患者、海外渡航予定者、イベント業務など不特定多数と接触する業種、が思い浮かんだ。
私には、不特定多数と接する機会はほとんどない。また10年以上インフルエンザ未感染で、COVID-19も未感染。そこそこの感染予防対策はやれている。
それなら私は大丈夫、後回しでいい。
かかりつけ内科の定期通院日まで待った。そして、診察ついでに質問して説明してもらった。納得して判断。3分かからなかった。


あの騒動から数か月経って、思い返してみる。
「危ない」「危ないかもしれない」という声はよく見た。「それほど慌てなくていい」「過度に心配しなくていい」という声を、私は見なかった。
感染拡大防止のため、まずは未接種者や濃厚接触者など慌てる必要のある人への注意勧告が優先される。慌てる必要のない人への情報提供は後回しになる。
それで慌てなくていい人が、慌てなくていいと分からないことで慌ててしまい、騒動の一因になったのかも。
たまたま私は、抗体値を事前に調べてあったから、今回は慌てないで済んだだけ。そうでなければ、私も「未接種世代?!抗体ないかも?!」と慌てたかもしれない。

騒動に巻き込まれないよう遠巻きにして何も調べない方がいい、とは思わない。ろくに調べもせず他人事扱いで無知で無関心だと、避けられることも避けられない。後悔するケースだってあるだろう。

ワクチン接種も抗体検査も問い合わせ電話も、一気に殺到してキャパシティーを超えれば、対応しきれない。
騒動の最中は、優先すべき人に譲った方がいい。後回しでも良さそうな人は、状況が落ち着くまで少し待てればいい。

さて今はむしろ、少し待つどころか、喉元過ぎれば何とやらになってはいないだろうか。
もしそんな人がここを読まれて、ありゃ忘れてたよwそれじゃ抗体検査やっておこうか、などと思われたなら、これを書いて良かった。


余談
麻疹流行前に抗体値を調べてあった理由は、乳幼児期の予防接種に漏れがありそうだったため。被虐待者あるあるの事案。
小学生の頃からずっと不安だった。相談できる相手もタイミングもないまま、ずるずる来てしまった。

相談のきっかけはCOVID-19。
しかし、虐待につながる"具体的な事案"を、意識化して言語化して口に出して第三者に伝えることへの心理的な抵抗は、とてつもなく強烈だった。相談するだけのことが、ものすごく大変だった。
コロナ禍になって、ああそういえばといつも思いながらも、かかりつけの精神科で相談できたのは、1年ほども経ってからだった。そしたら、かかりつけの内科があるのを確認された上で、内科で相談した方がいいと言われた。
長く診てもらっている精神科でも言い出しにくかったのに、まして内科では、本当になかなか言い出せなかった。そこからまた半年以上かかった。
今日こそは!と強い決意で診察室に入って、勇気を振り絞って、やっと言い出せた時も、「あ、あの、、、」の後、30秒は言葉が出なかったし、その後も説明がたどたどしく覚束なかった。
内科の先生は、至極普通に話を聞いて、それなら血液検査で抗体値を調べましょうという流れになった。そうして、あの何十年もの強大で強固な不安の塊が、ちょっとの採血で、呆気なく片付いた。

それだけの事で済んだ。それを何十年もやれなかった。その程度に触れる事さえこんなにも大変な、私がされた虐待は、そんなふうに過酷だった。
そこを生き延びた。そして更に頑張って、ひとつの困難をまた達成できた。

それにしても、乳幼児期に予防接種を適切に受けられなかったことで、麻疹流行中にワクチン未接種世代なのにパニクらないで済んだのは、怪我の功名だった。






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最終更新日  2024/06/19 04:43:56 PM
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