hikaliの部屋

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August 2, 2009
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 問題はこの映画が何十億円売り上げるか、が唯一の問題になりつつある気がする。
 休日しか予定が開けられないのであれば、見ることが出来るのは、数週間後になるかもしれない。
 もはや、この映画のチケットは早い者勝ちになっている。

 本日は県内で鑑賞。
 18時までに家に戻る予定だったので、満席だけは避けたかった。
 そこで、本命館とは別に予備館を設定、二重の備えで出陣(あの映画を見た後ではそう書きたくなってしまう)した。
 本命の新都心のシネコンまで来て状況の予測があますぎたことを理解する。
 次の回はもちろんのこと、その次の回も満席で、その次の回も残券少。早速、予備シナリオに切り換え、浦和駅から浦和美園駅行きのバスに飛び乗った。


 おそらくワーナーは需要を見誤っていて、上映しているのは200席程度のミニスクリーン。本来なら500席はあるメインスクリーンで上映しなければならない映画をそうしてしまうと、どうなるかは分かりやすい。
 来週どの映画館も一杯との噂を聞いてメインスクリーンに観客が殺到する。
 そして、もしかしたら、その客席も一杯になるかもしれない。
 なぜならば、この映画は抜群に面白いからだ。
 もっと面白く出来るという猛者はあったとしても、つまらないという人はないに違いない、この全世界にたったひとりも。
 そう、よく出来たジブリ映画のように。

 浦和美園まできてあふれる浦和サポータに遭遇。
 そのショッピングモールの駐車場が埋まっているのをみて、焦りが出てくる。
 浦和美園のショッピングモールって閑散としていたイメージだったのだが、甘い甘い。モール中お客にあふれ、しかもユニホーム姿の赤い連中までかなり多くいる。まあ、試合前に暇つぶしなんてまあありそうな事だけど、ワーナーのコンコースまできて焦る。見慣れたユニホーム姿がわらわらと。
 ちょwww
 試合前に映画もみておこうなんてシナリオ想定してませんでしたからwww

 チケット売場の前の長い列に慌てて飛び込んだ。
 しかし幸いにも、サマーウォーズが家族連れに抜群にいい映画という認知がまだ形成されていない(そして来週には形成されている)。しかも今年の子供映画は大ヒットが狙える良作揃い。その微妙なセグメントがずれていたせいで、ぎりぎりチケットゲット。当然のようにわたしがみた回は満席だった。


 サマーウォーズの見所はどこかといえば、やはり29人にも及ぶ個性豊かな大家族の面々といえるだろう。そんなに大勢の個性を出せるのかといえば、出てるんだから、できたんでしょ? としか言いようがない。
 はじめのうちは突然にそんな大家族にほうり込まれた健二くんのような気持ちになる。
 しかし、いくつものシーンを経ると、その大家族内にある生態系のようなものが染みてくる。そう、健二くんのようになんとかやっていけるのではないかと、思えてくるのだ。これが、この映画のすべてと言い切ってしまってよいような気がするのである。


 主人公である健二もほぼ同様で、主人公とヒロインにいいところがなくて、面白い映画なんて作れるのであろうかと、たぶん思う。
 しかし、それでいいのだ。
 この映画の主役は健二でも、夏希でも、侘助でも、まあちょっとは主役っぽいところがあるがキング・カズマこと、佳主馬でもない。
 この映画の主役は、総勢29人にも及ぶ、陣内家の個性豊かなひとりひとりであるのだから。

 はじめのうちは、この人たちがどんな人なのか、まったくさっぱり分からない。
 それでも、この陣内家には、当主たる90歳のおばあさん、陣内栄を筆頭に、何かよく見えない絆のようなものがある。はじめはそれがいったい何なのか分からずに、おそらくよそ者のように居づらい心地にさせられるだろう。
 しかし、事件が起こり、栄を筆頭にまさしくサマーウォーズが開始させると、これは夏の陣とでも訳すのがいいのだろうが、夏の陣が始まった途端に、それぞれの個性が見えてくる。
 高校野球にしか興味のないおばちゃん、はりきる男たちをよそにそんなことやってどうするんだろうと、淡々と準備をし、家をまわすおばさん(ここはネタバレになるので、抽象的に書いているが)、家中を駆け回り、お風呂で遊ぶ子供たち、嫌がらせをする夏希を好きなまたいとこ、豪快な漁師であり師匠でもあるおじいちゃん。
 いま、わたしは家系図を見ながらそれぞれの表情を回想して、にやにやとしているが、この映画を見た人であるならば、同じ感想を抱くだろう。
 家系図を見るだけで、シーンが思い出されて楽しくなってくると。
 まるで、テーマパークをみるよう。
 それが、夏の陣内家を駆け回り、呼吸をし、時にはぶつかり合い、そして、一緒にごはんをたべて、この陣内家のお屋敷に生息している。
 そういう映画だったよ、サマーウォーズは、といえばすべてが伝わる気がする。


 この家族が戦っているのは、OZと呼ばれる仮想世界に入り込み、世界中を混乱に陥れているAI(これぐらいは書いてしまおう)。これが二重三重に陣内家と因縁がつき、戦わざるを得なくなる。
 スーパーコンピュータが、自衛隊の極秘装備が、イカ釣り漁船が、ブラウン管の巨大モニターが家族のつてを通じて運び込まれ、反攻が始まる。
 このエスカレートしていく様子は見ていてとてもわくわくしてくる。
 まったく心の面白さをゆるませることなく、夏の陣は盛り上がり、家族は世界と繋がっていく。
 いくつぽろりとしてしまうシーンがあったかと指おると両手では足りなくなってしまう。
 いくつ、ぐっとくるシーンがあったかと指おると、足の指でもとうてい足りない。
 その他、ちいさなにこっとしてしまうようなシーンなど、数えるのも馬鹿らしくなってしまう。
 すべてが余すところなくいいのだ。
 ハリウッドとはまったく違う、ジブリともまったく違う、独特の時間の流れがこの映画には満ちていて、それがテンポ良く次々と起こるので、退屈という言葉とはいったいなんだったのかさえ忘れてしまう。
 加速度的にそれは心に伝染して行き、わたしは映画を見終わって、急いで電車に飛び乗って、物凄い勢いでこれを書き始めてしまう。

 つまらない言葉など忘れてしまおう。
 なんか変なことを言っているお偉方の言葉は忘れてしまおう。

 サマーウォーズ、面白かった!
 それでいいじゃないか。

 あした、仕事さぼって、もう一回見に行こうかなあ・・・。






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Last updated  August 2, 2009 08:23:09 PM
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