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2018.02.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「まったく、今時の若い者は」


「楽ばかり憶えて。女どもは食物をまとめてたがるし」
あ、便利なものできたからな。

「その都度、ちゃんととってくるものだったのを」

「木の実も肉もそうだ。そういうものだったのに」

俺は、爺様の言ったとおりにしてものを、最近はやりのやり方にしてみた。
うん、やっぱりこっちの方がいい。

「こら。小僧、なにしている」

「なんだとおおお!!!」


真っ赤になって俺に手をあげるその細い腕を、
太く毛むくじゃらの指がむず、とつかんだ。
「よせ。ワシもそうおもう」

長がうしろから爺様の手を抑えたのだ。
うなだれる爺様。
ちょっとかわいそうだが、事実は事実だ。

器の底を,とがらせずに平らにしたら、
水を汲んできても倒れない。
粘土を細く長くして
グルグル巻いた後形をつくった容器より、

造る手間もなく早くたくさんできる。

遠くから来た、という者が教えてくれた草の実は、
そのまま長く置いておいても腐ることもなく、
水と煮ればすぐたべられるので
毎日狩りや木の実を取りに行かずとも、すむようになった。


その草の実を煮たら、よく食べる。美味いのだろう。

最近は器も、
つるん、とした見た目のものが増え、
爺様が作った縄がだんだんとなっているものは減ってきた。

そう遠くない先の日に、
爺様が動かなくなって土に還ったら
もうあの器を作るものはいなくなるだろう。

そしてそうしてから
しばらく経って、俺の子たちが今のおれくらいになったら、
長や俺が言うのだろう、
「まったく、今時の若い者は」





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Last updated  2018.02.25 02:00:38


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