ひなたまさみとひなたぼっこ

ひなたまさみとひなたぼっこ

PR

プロフィール

ひなたまさみ

ひなたまさみ

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月

コメント新着

栗山真行@ Re:『とうせんばと私』が発売開始です♪(11/20) ひなたまさみさま 明けましておめでとうご…
レーズンバターロール@ 『よつばと!』サイン色紙(05/18) 感動しました! よつばと!大好きです! …
ゆづ恋@ Re:お久しぶりです♪元気です! こんにちはお久しぶりです ゆづ恋です。 …
みんな集まって♪@ みんな集まって♪ みんな集まって♪みんな集まって♪みんな集…
みんな集まって♪@ みんな集まって♪ みんな集まって♪みんな集まって♪みんな集…
2005年07月25日
XML
カテゴリ: 今日の絵本
つい最近、仕事帰りに立ち寄った本屋さんで、児童書のあたりでふと目にとまった本がありました。タイトルは 「ぼく、あいにきたよ」。
帯に目を移すと、
せなかやおしりにだきついてぎゅーってしてみたい
さらに、「朗読会で誰もが泣いた、感動の物語が絵本になりました。」

表紙の絵も、瞳がくるんとした、可愛いらしい動物のようなイラストで、その大きな瞳に吸い寄せられるように私は本を手に取りました。
(きっとほのぼのとした、お話なんだろうな♪)

ところがそれは、 親の虐待によって尊い命を落としてしまったこどもの話 でした。

あまりの衝撃に、私は流れる涙を拭うことも忘れ、読み終えてからもしばらくその場で呆然と立ち尽くしていました。
(この本は買わなくてはいけない!)



これは、「感動」ということばではとても表現できません。 恐らく実話をモチーフに書かれたものだと思います。私が最も心を痛めるニュース「乳幼児虐待死」の現実が、どこまでも親を慕い、親を愛するこどもの目と心で、優しく、そして切なく綴られていました。

娘はそれから長い間泣き続けた挙句、泣きはらした目で私のところへ来て、
「ママ、もう1冊これを買ってきて!」
と言いました。
「1冊は家に置いておくの。ママが死んだらサキが、サキが死んだらサキのこどもが、これをずっと読めるように。もう1冊は、友だちに回すから。サキはYちゃんやSちゃん、Mちゃんを疑っているわけじゃないよ。でも、もしかして、大人になってお母さんになる頃に、心が少し変わっちゃうかもしれないでしょ?みんなこれを今読んでおけば、優しいお母さんになってくれると思うの。だから、もう1冊買ってきて!」

私はあまりに泣きじゃくる娘の姿に「読ませない方が良かったかも」と思ったし、これは大人が読むべき本なのだろう、と思っていました。でも、その娘のことばを聞いて、そうじゃないのかもしれない、と思い直したのです。

私が戸惑いながらも娘にそれを読んだのは、 私が童話を書くときに、一番願っていることが「親によるこどもへの虐待がなくなること」だから、でした。 親が我が子を虐待してしまうのは、「ひどい親」だから???私は医者じゃないから、ちゃんとはわからないけど、 親がこどもを愛しく思う、抱きしめたくなるのは本来は「自然なこと」だと信じています。 それが出来ないとき、親もこどももとても深く心が傷ついているような気がします。 自分の書いた本を読んだ人が、ふと我が子を抱きしめたくなるような、ぽっかぽかの気持ちになれるような、そんな話を私はずっと書き続けたいと思っています。

昨日娘はロシアへ旅立ちました。さすがに昨夜は涙ばかりの私でしたが、今日は異国の地で頑張っている娘に思いを馳せながら、こんな日記を書いてみました。
皆さんも、機会があったらぜひ一度、この本を読んでみてくださいね。

●「ぼく、あいにきたよ」(文藝春秋)
  明川哲也・作 / 嶋サコ・絵






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年07月25日 21時53分36秒
コメント(10) | コメントを書く
[今日の絵本] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: