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2007年01月17日
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カテゴリ: サキのあゆみ
私は頑張ることが好き。
頑張っている人も好き。


「頑張ります」 とここにも書くし、人にも 「頑張ってね」 と声をかけます。

幼い頃から 「頑張れ」 と言われて育ち、

「頑張ればきっと結果に結びつく」

「頑張る人は立派な大人になれる」


ということばを信じてきました。

でも、世の中には頑張ることが嫌いな人もいます。

私の娘のサキ(小6)は、

頑張ることは嫌い

と言い、

「サキの好きなのは 頑張らないこと と、 のんびりできる時間

と、キッパリ言います。

頑張ることが好きなお母さんが、こんなことを平然と言ってのける娘と出逢ってしまったら…

それはもう、ビックリしますねびっくり




「頑張ろうね」

「頑張ってみようよ」


と言ってきたのでしょう。
そしてそれがプレッシャーとなり、娘の「頑張ることは嫌い」ということばを生み出したのかもしれません。

また、もともと娘は頑張ることが嫌いな子だったのかもしれません。

いずれにしても、6年生になった娘は、もうしっかりと自分の意思表示として 「頑張ることが嫌い」 と言い放つのです。

じゃ、頑張らない人、頑張れない人は何もしていないのでしょうか?

本当に立派な大人にはなれないのでしょうか?


「頑張ることが嫌い」と言う娘ですが、私の目からは頑張っているように見えることがあります。

例えば絵を描いているとき。
お友だちに手紙を書いているとき。
せっせと何かを作っているとき。


どんなに長い時間でも集中し続ける娘は、相当なエネルギーを使っているはずです。
とても頑張っているように見えます。

でも本人は 「頑張ってるわけじゃない」 と言うのです。

「これは、楽しいからやっているのウィンク
要は自分がやりたくてやっているかどうか?が、一番のポイントのようです。

それでもやっぱり

「楽しいことだけやっていては、社会では生き残ってはいけないでしょう?」

例えば勉強。
楽しくないから教科書を読まない。
楽しくないから計算をしない。


じゃ、学力はどうやってつけるの?

ところが娘は、私が知らないいろんなことを知っていることがよくあります。

「沖縄の○○にはイリオモテヤマネコがいてね、”ヤママヤー”っていうんだけど…」

「ああ、それ知ってる!胃や腸の薬にも使われているんだよね」


絵本の ”おつきさまくらいのめだまやきができるね” というくだりを読んで、

「ふふっ、この子たち、実際の月の大きさを知らないんだね」

「どこでそんなことを教わったの?」

と尋ねると、

「え?漫画に書いてあった」

「こないだテレビでやってた」

「アニメに出てきた」



…がむしゃらに机にしがみついて勉強していなくても、興味を惹かれたこと、自分にとって必要なことはそれなりに記憶されているようでもあります。


最初のうち、私はとても戸惑いました。

( 本当にそれでいいのかな?
楽しいこと、好きなことだけをやっていて、ちゃんと社会で生きていけるようになるのだろうか?


すると、そんな私の目の前に、サキのように「頑張ることだけが大切じゃないよ」と言いながら立派な大人になっている人たちが現れるのです。

サキの大好きなパン屋さん。
夫婦2人でやっている小さなパン屋さんですが、開店前には人が並び、お昼すぎには完売する評判のお店です。



おばさんは私にこんなことを言ってくれたことがありました。

「仕事をしてお金をもらう以上、たくさん辛いことがあるけど我慢して頑張らなくちゃいけない、なんて、私は思ってないの。
自分が心から楽しいと思えることを思いっきりやって、お金はたくさんじゃないかもしれないけど、お金がすべてじゃない。毎日幸せな気持ちで生きていける…そんな生き方もあるんだよ、って、若い人たちに教えてあげたいな」


パンが美味しいだけじゃなく、こんなおばさんだからサキは大好きなのかもしれません。

それからCGクリエイター、セトハル君のお母さんのセトママさん。

「楽しいものを作る人は、楽しい気持ちを持ち続けていることが何よりも大切よね♪私、楽しいことと仕事とは両立できると信じているのよねウィンク

実際、いつも笑い声が絶えない家の中。
サキが帰りたがらない楽しい家。


本来、頑張ることが大好きな私も、戸惑いながら、迷いながら、
やがて少しずつその考え方が広げられていきます。


頑張ることが好きな人がいる。

頑張ることが嫌いな人もいる。

楽しくて夢中になれることがあるとき、どちらの人も幸せそう


更に、一冊の本が送られてきました。
私の大切なお友だちの中の一人が、私に送ってくれたのです。


『卒業』 重松 清
  新潮文庫


卒業.jpg


「卒業」というテーマで描かれた4つの短編ストーリー。
その人は特に私に『まゆみのマーチ』を読ませたかったのでしょう。
昨日の通勤電車でその一冊を読みました。電車の中なのに泣いてしまいました。


まゆみ。
歌が大好きで、楽しくなるといつでもどこでも歌ってしまう少女。
小学校へあがると「問題児」扱いをされてしまいます。
とうとう歌を歌わないよう、担任から学校にいる間マスクをつけることを強要されたまゆみは、口の周りを真っ赤に腫らし、熱を出し、声を失い、学校へ行きたくても足が動かなくなります。
そんなまゆみと一緒に、毎日毎日学校に向かって歩きながらまゆみに歌を歌い続けるお母さん。


一方、成績優秀で生徒会長に選ばれるような頑張り屋さんのお兄ちゃん。「学校」という枠にうまく適応できない妹のおかげで何度もプライドを傷つけられます。

まゆみを決して叱らないお母さん。
「頑張れ」と一度も言わなかったお母さん。

学校の先生にさえ、

「みんなに迷惑をかけることは、そんなにいけないことですか?」

と聞いてしまうようなお母さん。
お兄ちゃんはそんなお母さんを歯がゆい思いで見ながら育ちます。

お母さんは妹を甘やかしすぎだ!

今の私には、お兄ちゃんの気持ちもお母さんの気持ちもわかるような気がします。

やがてそれぞれ大人になり、優秀なお兄ちゃんの息子はやっぱり優秀で難関中学に無事合格。
その喜びも束の間、「燃え尽き症候群」で、家から出られなくなってしまいます。


そんなとき、お母さんの最期を看取るため、再会する兄妹。
息子の話をするお兄ちゃんにアドバイスしてあげるまゆみ。
いつもいつもお母さんに歌ってもらっていた『まゆみのマーチ』。
ずっとまゆみを支え続けていたその歌を「お兄ちゃんも歌ってあげてね」。


まゆみのマーチの歌詞は敢えてここでは書きませんが、
それは私も毎日2人の子どもたちに言い続けていることばでもあり、決して最初からこのお母さんほど娘に対しておおらかではなかった私でも、本能的に彼女と同じ気持ちを持っていたことが嬉しく感じられました。


学校や社会の枠にうまくはまらないお子さんを持ち、複雑な思いを抱えているお父さんやお母さんには、ぜひ読んでいただきたいお話でした。

どのストーリーも心の深いところをを揺さぶられるようなものばかりでしたが、最後の『追伸』にも涙が止まりませんでした。
これは、継母と息子との絆のお話です。


ガツン!とくる一冊でした。




そして娘のサキはそんな私の心の中の出来事を知る由もなく、今朝も…

「ママー、今度はこれ作ってみたよ♪」

2006_02060004.JPG

「すっご~~い

まるでウエディングドレスみたいじゃない?」


「今回はね、 ティッシュと輪ゴムだけで作った んだよウィンク

2006_02060005.JPG


もしかしたら「正解」はひとつだけではないのかもしれません。

これから先も、私はきっと頑張ることが好き。
頑張る人も好き。
そして…頑張らない人も好き。

この娘からは、まだまだたくさん学ぶことがありそうです。

ひなたまさみ






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最終更新日  2007年01月17日 10時18分31秒
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