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2007年04月16日
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カテゴリ: サキのあゆみ
土曜日の午後の教室。
暖かい陽の光が、カーテン越しに差し込む教室のあちこちで、制服姿の中学生たちがいくつかのグループに別れて作業をし、保護者や数人の子どもたち(生徒の弟や妹たち)がその様子を眺めたり、思い思いに遊んだりしています。


これが、4月からサキ(中1)の通い始めたH中学校支援学級の初めての授業参観で、私が目にした風景です。

これまで仕事が忙しく入学式にも出られなかった主人が、この日は会社を早退して駆けつけてくれ、我が家は家族全員の参加でした

その日の授業は「造形」でした。

・パソコンを使って、自分の名前シールを作る

・細い針金で作品を作る

・紙を使って、作品を作る

・石を使って、作品を作る

生徒たちは2人組になって、この4つの中から、自分たちの興味のあるところへ移動しながら作業に取り組む、というもの。


サキのパートナーは、入学してすぐに仲良しになったオカピー(ニックネーム)。
2人はまず、パソコンでシール作りを始めました。


その後ろで順番待ちをしていた男子2人組は、電車と自動車好き。
やがて、模造紙とミニカーが出てきて、彼らはパソコンが空くのを待ちながら、大きな紙に線路や道路の絵を描き始め、その道路の上にミニカーを走らせます。


ヒデキ(小4)は、教室の片隅にあったけん玉を見つけ、それで夢中になって遊び始め、
小さな女の子が、エアロバイクを見つけて腰かけると、サキがすかさず寄って行って、スイッチを入れてあげました。


サキたちは、シールを作り終えると、次は針金の造形へ移動。
長さ30cmくらいに切りそろえ、真ん中で折り曲げてある、細くて柔らかい針金を折り曲げながら、出来た作品は白い発砲スチロールの台に突き刺していきます。


「ほら、ママ。

できたよ~ウィンク


20070414_1443_000.jpg

「ああ!

蝶だね?」


「えっ?

違うよ!

だよ」


「あ、あははは…

蝶じゃなくて、蛾ね…


なんだか、サキらしいわ~~笑

次にサキは、折り曲げてある針金を、そのまま数本ブスブスと突き刺し、サボテンのようなものを作りました。
これは、うまく撮影できませんでしたが…

これには、見ていた美術の先生もビックリ!

「いやぁ~~、

発想がユニークですねびっくり


そうですね。
普通はまず「その針金の形を変える」ところから始めるのに、サキは2つに折れた形のまま、角度を変えながら突き刺していったのですから…。


最後にサキが取り組んだのは、石。
大きな石に、サキはこんな顔を描きました。


20070414_1601_000.jpg

とても、濃い顔ですね(笑)。

教室の中には、始終自由で、穏やかな空気と時間が流れていました。
これが、これまでのサキの生活リズムを一変させてしまった楽しい学校、そして教室です。


授業のあとの保護者会のときに、デジカメを手にした校長先生がひょっこり教室に入って来られました。
入学式のときには遠くから眺めていただけだったので、私はその先生が校長先生だとは気づきませんでした。

校長先生から私たち保護者に向けての挨拶がありました。


「これは入学式でもお話したことですが、私は生徒のみなさんに2つの提案をしています。

1つは、 失敗を恐れずチャレンジしよう!

そして2つ目は、 助けられ上手な人になろう!

ということです。

特に2つ目の 「助けられ上手な人になる」 ということは、大切だと思っています。
自分の出来ること、出来ないことをしっかりと見極めることは勇気が要ることです。
その上で、出来ることは精一杯やってみる、出来ないことは周りにきちんと伝えて助けてもらう。その力をぜひつけて欲しい、と思っているのです。

実は私は以前、6年間ほど不登校の生徒たちの指導にあたったことがありました。
その6年間は、長い教員生活の中でも特に印象に残る経験をさせていただきました。
一日、一日の生徒たちの心の変化、成長が顕著に感じられる、とても貴重な日々でした。
そんな経験から、この支援学級には、できるだけ日に一度は私も様子を見に足を運ぶつもりでいます。


学校の長である校長先生がこのような姿勢でいてくださることは、保護者にとっては本当にありがたいことです。

サキが仲良しになったオカピーのお母さんから、

こんなに早く娘にお友だちが出来るとは思いませんでした。毎日、娘の話にはサキちゃんの名前ばかり出てきます。

本当にありがとうございます


と、お礼を言われてしまいましたが、それは私も同じ気持ちでした。

お母さんのお話によると、オカピーはサキと同じLD、視力が極端に悪く、教科書なども拡大コピーをしてもらわなければいけないほど、ということでした。
小学校ではクラスメイトや担任からのいじめを受け、2年間の不登校。
その後、養護学校へ通うようになり、今回この支援学級へ入学してきたそうです。


いじめの経験から、人を信用することが出来なくなってしまい、心を閉ざしてしまった娘にお友だちが出来るなんて…

このお母さんも、ずいぶん長い間、娘さんとともにたくさん涙を流してこられたのでしょう。

オカピーは、とっても勉強熱心な女の子です。
数学検定に自分から挑戦したり、英語の勉強もかなり進んでいるようです。
会話をしても、いかにも”頭がいい子”という印象を受けます。
また、華奢で色白な外見からは想像できないほど、勝負ごとが好きで、今はオセロや将棋が大好きなのだとか。


一方のサキは勉強はまったく苦手だし、人との競争も嫌い。
以前のサキのように、そんなオカピーと自分とを比較してしまえば、とてもじゃないけど一緒にはいられないはずです。


その彼女と仲良くなれた、ということは、サキも少しは自分に自信がついてきて、オカピーの個性と自分の個性の違いやそれぞれの良さをきちんと認めることができるようになった、ということなのでしょうか。

先日、初めての英語の授業がありました。
サキはノートを買うときに、

「あのね、音楽のノートと間違える人が必ずいるけど、音楽のノートとは違うから、って先生が何度も言ってたよ」

と言いながら、探していました。

「オカピーはね、 小学生のローマ字用のノート を買って来ていて、それをサキに見せてくれたんだ。

それで、 ね? っていう目をしたんだけど、その瞬間、オカピーの言いたいことがわかったの。

私は目が悪いから、ローマ字用の方が間隔が大きくて使いやすいでしょ?

って。

だからサキも、

うん。そうだね

って顔をして頷いたんだ。

そしたら、オカピーがビックリした顔で、

サキちゃん、どうして今私が言いたいことがわかったの?

って聞いてきたから、

オカピーのことなら、何でもわかるよ ウィンク

って、ちょっとだけ嘘ついちゃった

ほんとは何でもわかるわけじゃないんだけどね、そのときオカピーが言いたかったことはよくわかったし、

何となくそう言ってあげたい気持ちになったから


「うんうん♪

それでいいんじゃない?

仲良しのお友だちができて、本当によかったね☆」


ママ、サキはね、ほんとに学校が楽しくて…

お休みの日なんか、待ちきれないくらいだよ。

まるで、小学校1年生に戻ったみたい


そんな娘のことばを聞きながら、ホッと胸をなで下ろしている私です。

ひなたまさみ


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娘サキ(小6)の絵本『メロンパンの一日』が、オンラインゲームになりました。触って、動く絵本、ほのぼのとしたストーリーの読み聞かせゲームです。現在、フリーで公開中!ぜひ、見てやってくださいね。
ゲームのやり方がわからない方は 「メロンパンの一日のすすめかた」 を参考に、素敵なエンディングの曲までたどり着いてくださいね~!





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最終更新日  2007年04月16日 11時32分55秒
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