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12月28日
目が覚めた。朝5時40分。かけたタイマーは6時であったのに、その前に起きてしまった。堅いベッドじゃなかなか眠れないものだ。隣のベッドではロビンは余裕で寝ている。彼は夜中の12時半にスマホで最近の新番組ドラゴンボール DAIMAとやら
を鑑賞していた。私は少し離れた場所にいて画面は見ていないのだが、彼のスマホから流れてくる音を聴くに、この番組は明らかに幼児向けだろと思った。「ロビンちゃんあんた40歳なのになんでそんな幼い番組みてんのよ」「遺作だから、鳥山明の。」「面白い?」「子供向けだなとは思うよ。」「だよねえ、見んでええに、そんなら」「でも遺作だから…。」はやく寝ないとこの旅がお前の遺作になるぞと思った。
さて、そんなこんなでぎりぎりまで待って6時過ぎに彼を起こす。「ああ疲れた」と言いながら彼は身体を起こした。東横インの1Fでバイキング形式の朝食をとって、身支度をする。そして一路、浜松ラウンド1へ。コストコにつながる道、およびパチンコ屋にむかう道に車の渋滞が出来ていて、到着時刻がやや遅れるアクシデントに見舞われたものの、無事朝7時40分ごろ到着。

③ラウンド1浜松店
レーンコンディション
長さ 42ft
総オイル量 未公開
特徴 ベーシックな台形型をしているのだが、、。

さて、投げだしてみるが、イメージよりもやっぱり遅い。 C 店にしたってそうなのだが、どうしてラウンド1はこうなるのだろう?レンコンの形状だけ見ているとそこまでIQすら使えなくなるようなコンディションには見えないのだが…。折れて裏へ向かおうとするので、インサイドを腰切って投げるよりも、ラインを引きやすいボールを選択することにした。このコンディションはドライ系担当のブランズ玉ライノが支えてくれる。ピンアクションはやはり価格相応なので、変な出し戻しをしてエネルギーロスを起こさないように工夫していく。レーンの遅さもあって、 10 ピンをミスったり、曲がるところと曲がらないところの差でスプリットに見舞われる場面もあったが、それなりにまとめることができた。

165 224 221 171
アベ 195.3
合計 781
(旅の合計 2433/12G … アベ 200 に対して+ 33 )
途中くるぶしにあててガター。これが結構スコア、身体とも痛かった。また、朝が基本的に弱いロビンちゃんはそれに加えてとにかく体が重いと言っており、本調子とは程遠い投球になっていしまっていた。しかし、この旅はまだ先があるのだ…。われらは次第に重くなる身体を引きずって投げ終わるとすぐ四店舗目、岩屋キャノンボウルへ。
門松がある。ここはプレイ代がそれなりに高いものの、落ち着いた雰囲気で環境がいい。水野耕佑プロが忙しそうに働いている。イケメンである。ボウラーズベンチが階段で3段くらい低くなっているのだが、ボールバッグをそこまでおろさなくてもいい仕様になっており、快適だ。
④岩屋キャノンボウル
レーンコンディション
長さ 43ft
総量 27.35ml
(結構多い!)
特徴 台形ではあるものの、中央部のオイルが 1500
に迫る。

このレーン、あまり早く外に触れると強めに返ってきて割れてしまう。やはり IQ
でインサイドを絞るというボウリングになるのは変わらない。昨晩の毎日ボウルでの戦いに似ている。ただ、ラックがあって無理をすると体にダメージがきそうだと判断し、右レーンはライノでやや外目を沿わせることにした。
179 198 176 238
アベ 197.8
合計 791
(旅の合計 3224/16G
… アベ 200
に対して+ 24
)
難しかった。最後に気合を込めた6連発でなんとか旅のプラス域に戻すことに成功したが、危険水域まで来てしまった。やはり、初めて来たボウリング場で200アベを残すというのはそう簡単なことではない。また、 2-4-5
という残ピンの処理が相変わらず下手である。ロビンは本調子でないながら 204,210
と2連続でアップするなど奮戦を続けている。正直に言えば、このあたりで「次のとこ行きたくねえ~…」と内心思っていた。けどもうやるしかないのだ。
車は豊橋を後にし、豊川へと向かっていく。実は当初、アピナボウルというボウリング場を検討していたのだが、ここはかなりレジャー傾向が強いと聞き、レンコンの荒れを懸念して少しだけ足を延ばして豊川オレンジボウルに行くことに決めた。一応、出発前に豊川オレンジボウルに電話すると「え、春〇井から来ていただけるんですか?ありがとうございます。今月は 46ft
でやっておりますのでどうかぜひ…」「おそらく 29
日に行きます!」と答えた、そんな経緯があった。イオンに着いて、フードコートでスガキヤをすする。ロビンは花丸うどんをすするのだが、体力は花丸にはならないようだった。自分もやや手首と踏み込む左ひざに違和感を覚えていたので、薬局でロキソニンテープと膝のサポーターを購入した。
ロビンも筋肉痛を和らげる貼り薬を購入する。
⑤豊川オレンジボウル

レーンコンディション
長さ 46ft
総量 23.5ml
特徴 毎日ボウル的な細長い系。

46ft という長さがあり、ついにオイルがやや多い時のためのメーリーの出番だ!と判断して投げだした。しかしながら、今思えば自分のレンコンの理解の甘さもあったのだろう。食い込みがきつくスコアがまとまらない。しょうがないのでIQにチェンジするのだが、異なるボールで引いていたラインと今求められる正解のラインとの間に差分があり、アジャストにかなりの時間がかかってしまった。正解はインサイドをガチガチに絞ること。ここが一番この旅でインサイドを絞った。自分はスパットで 14 から 16 枚あたりを出していくラインのとれるときが一番心地よく投げられるのだが、それ系のラインではほんのちょっとのミスで割れてしまう。最後は長いオイルを活用して 22 枚目を絞っていた。ピンの山の背中側からフッキングポイント 15 枚目くらいを目指して、先で多少入れるような感じだ。しかし、この答えを即座に出すにはいささか経験が浅すぎた。

162 151 213 201
アベ 181.8
合計 727
(旅の合計 3951/20G … アベ 200 に対して- 49 )
ここでついに、これまで保ってきた旅のアベ 200
のラインを割り込んでしまった。疲れもあったし、あまりに投げ続けているので、ややこの旅のボウリングそのものに「絶対打たなくてはならない」という思いが緩んだ部分も否めない。まだ一度も投げていなかったメーリーに活躍の場を与えたいという思いもあったのかもしれない。そのときは、もっかい気持ちをリセットしなおせばよかったとか、メーリーじゃなくてIQ投げておけばよかったと思った。ただ、打てなかったのはアジャストの問題だと今は思う。もっと絞ればメーリーでも打てていた。むしろそっちのほうが滑りすぎずにやや手前から起きてくる分、いいアジャストになったはずだと思う。
帰り際、店員さんに呼び止められた。「もしかして…電話を数日前にくださった、春〇井からの…?」「えっ、そうです!よくわかりましたね!」「ええ、28日に来ていただくと聞いていたので、お待ちしておりました」「ありがとうございます・・・ホロリ。ボウリングの旅の最中でオレンジボウルさんが5店舗目なんです」「へええ~それはそれは!ごめんなさいね、コンディション、夕方で伸びて崩れてたでしょう・・・?」「いえいえ、全部勉強ですよ」「どうもありがとうございます…」
「でもこういう旅って…一番楽しいのは計画してるときですね…(笑)」
あまりに疲れた体で人の優しさに触れたせいで、最後つい素直になってしまった私だった。
なんにせよ、2日目の死闘15ゲームが終わった。
今日の宿は三河湾を望むホテルである。しかし、自分たちは夕食のないプランを選んでいた。だから、その近所で飯を探さなくてはならないのだが…三河の夜は早い。色んなご飯処が夜八時もまわればラストオーダーを迎え締まっていってしまう。真っ暗な田舎道。ぽつり、ぽつりと小さな居酒屋がやっているくらいだ。その中でとある居酒屋をチョイスして、入ってみる。店の看板を照らす灯かりが弱弱しい。「らっしゃい」と笑顔で迎えられ、座敷に腰かけた二人を待っていたのは、ライス以外のメニューがぜんぶ「時価」という恐ろしいホワイトボードであった。「ロビンちゃん、ここ時価って…」「そうだよ、いくらとられるか、もうわかりません(ニコ)。お前が選んだ店だからな、覚悟してください。」震える。
ロビンはおかみさんを呼んだ。「注文お願いします。」恐怖心がないのだろうか。彼はひょいひょいと選んでいく。「まずえーっとあったかいお茶を二つと…ご飯を二つ、それからマグロの中トロ、それから寒ブリの刺身、それと揚げ出し豆腐、そして唐揚げ、えっと、なんとかの天ぷら(忘れた)、そして牛ひれステーキ…」ここでおかみさんから待ったがかかった。「それなりに量がありますんで、そのくらいで一旦おやめになったほうが…」「あ、そうですか。わかりました」
肝が据わりすぎているロビンであった。おかみさんが店の奥に引っ込む。「ねえ、ロビンちゃん、コレいくらくらいかかる思う?」「まあ…一万…五千てとこかね、そのくらいは覚悟したほうがいいかな」
食べ物が卓に届きだした。おかみさんに言われたとおり、それぞれがそれなりにでかい。量がある。唐揚げの皿に関してはずっしりと6個もあった。向かい合うロビンちゃんはもう想像以上に腹が膨れたらしく、ずいぶん前から眉毛がハの字をしている。もうお腹いっぱいに近いという状況で、最後に余計な付け加え注文をした牛ひれステーキがやってきた。責任取ってお前食えよと皿を差し出す。彼が口の中で豊かな牛肉の一切れをモキュモキュと咀嚼しながら、私以外の誰にも聞こえないほど小さな声で「…キチュイ(きつい)」とこぼした。その姿を私は見逃さなかった。お前は確実に頼み過ぎた。
しかしそのキチュイを聞きながら、正直いくらかかるんだろう、という思いばかりが頭の中を駆け巡っていた。駆け巡りすぎて、写真すら1枚もここでは撮れていない。うまい料理であるほどに逆にいくらとられるんだ、と震えた。「どうしようね、帰り臓器おれら売らなきゃいけなくなったら…」冗談が冗談でなかった。
ついにロビンが「おあいそお願いします」といった。すると、おかみさんが持ってきたなにかよくわからない小さな紙切れに、ただ雑な字で、内訳もなく数字が書かれていた。「 10900
円」
何がどう計算されて 10900
円になったかはわからない。ただ、ずっと想定よりも安くてほっと胸をなでおろした。0が一個多かったらどうしようかと思った。時価の店には二度と入らないことにしようと私はひとり誓った。
そのあと、本日の宿であるホテルを目指して車は走った。フロントで全室オーシャンビューという謳い文句を聞いたが、別に海などもはやどうでもいいくらい疲れていた (
笑 )
温泉で自身の身体を入念にマッサージをして、二人は互いにしか聞こえないくらいの声量でキチュイといいながらベッドに倒れ込み、死んだように眠りについた。(続く)
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