7月13日~14日の週末を利用して、茨城県の潮来市と、千葉県の成田市を訪ねてきた。(その2)
加藤洲地区から水門を抜けて、舟は広く悠々と流れる常陸利根川の本流へ出る。
船上から今晩泊まる「阿や免旅館」が見えた。
次いで前川水門をくゞり、約1時間の船旅が終わった。料金は一艘6800円と結構な金額であった。あやめ祭りが終わった潮来は、海の日の三連休中にもかかわらず閑散としており、乗船客よりも、客を待つ船頭さんの人数の方が多いように思われた。
最後に前川沿いのあやめ公園を散策する。本来であれば6月中に来たかったのであるが、諸事情でズルズルと遅れてしまい、アヤメの美しい姿は拝めなかった。
緑の葉っぱだけになってしまった、前川あやめ園の花壇。富山のチューリップ同様に、旬を過ぎると来年のために花を除去してしまうそうである。整備・清掃が行き届いているのか、落花すら見あたらなかった。タクシーの運転手さんに聞いた話では花をむしって、さらに植え替えをすると、次の年も綺麗に咲くそうである。
1月にも写真を撮った水郷潮来碑。太鼓橋と葉っぱだけになってしまったあやめ園をバックに望む。近傍にこの地を有名にした「潮来笠」と「潮来花嫁さん」の歌碑もある。
太鼓橋の上から俯瞰した前川。それほど大きくない河川であるが、水深は数メートルに及ぶとのこと。
この日の観光日程を終えて、近くにある阿や免旅館へ投宿する。常陸利根川に面し、夕日の名所でもある。しかし、非常に憎らしい事に当日は曇り、暑さも和らいで観光には良かったが、名物の夕日は拝めずに終わってしまった。何とも恨めしい限りである。
旅館で一風呂浴びて夕食を楽しむ。ビール/地酒とともにゆっくり味わい、深更まで語り合って就寝する。
明けて14日、朝食をしっかり食べてから、本数の少ない鹿島線の電車で成田駅まで行く。この街は、海外旅行の前後泊を含めればかなり来ている。成田山新勝寺の参拝と、土用丑の日も近いので、成田山参道名物の鰻でも食べようと立ち寄った。
駅から徒歩1粁程度のところにある新勝寺を参拝し、家内安全を祈願する。
亀(すっぽん?)がいっぱい棲息している池もある。
成田山の参道には、名物の鉄砲漬けを売る土産物店と鰻をメインとした川魚料理を出す店などが建ち並び、観光客も多く活況を呈していた。場所柄、トランジット等で一時入国したのか、外国人の姿も多く見掛ける。頭上には飛行機が頻繁に飛ぶ姿が見受けられる。
ガラスのショーウィンドー越しに鰻を焼く料理店。活きている鰻をさばく姿も客に見せている。”びく”に入っている活鰻をつかんでまな板の上に載せ、頭にトンとアイスピックのような針を打つ。針を打った次の瞬間には首下から包丁を入れてあっと言う間に半身を切り取る。更に骨の部分だけを切り取って3枚におろす。内臓(肝)を抜いて一丁あがりと言った感じで実に手際よく解体が進められて行く。おろされた鰻は、別の係りの人が、これも亦素早い動きで串を次々と打ち、焼く係りに廻されて行く。カレーや焼鳥(焼肉)などと同様に、鰻は匂いで客引きをするが、香ばしい香りは実に食欲をそそる。
ビール、鯉の洗い、肝焼きで軽く一献し、鰻重(並)で締めくくる。
美味しく満足して、帰りの電車はほとんど寝りながら東京まで戻った。
(潮来・成田紀行の巻 <完> )