hongming漫筆

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2002.11.13
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カテゴリ: 欧米露の本



 よくこんな話を考えつくものだ、というような不思議な話ばかり。
 正気と狂気との境界はないのだ。
 自分にとっては現実でも、他者にとっては現実ではない。
 現実とはどこに存在するのか。それぞれの人間の中にのみ存在するのである。
 何事もなければ、共同幻想としての現実の中で、それを現実と感じて生きていくのだが、ひとたび、自分の中にのみある現実に入り込んでしまい、そこから出られなくなってしまうと、他人からは破滅としか思えないような結末を迎えることになる。
 「廃屋」だけは、主人公が、かろうじてそれを避けることができた話であるが、主人公に、自分の中にしかない現実の中で生きる人間はそれはできずに終わる。
 「隅の窓」は、ほかの作品とは作風が違っているが、自分で勝手に他人の人生を拵えて楽しむ、ということが会話でなされ、やはり、自分の中にある現実に目を向ける話である。
 1984年の訳で、昔の翻訳にありがちな不自然な堅さはなく、読みやすい。「生きざま」(p68)という語が使われているあたり、いかにも新しい訳という感じがする。





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Last updated  2005.04.01 21:33:17
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