hongming漫筆

hongming漫筆

PR

Comments

背番号のないエース0829 @ 松谷みよ子】(04/22) 「私のアンネ = フランク」に、上記の内…
hongming @ Re:ブルーレイが再生できない(11/30) 随分遅くなりましたが、やっと試しました…

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.03.09
XML
カテゴリ: 欧米露の本
 1976年9月24日第1刷。1985年七月10日第22刷。
 こういうものをちゃんと読んだことがないので、最近、児童文学を続けて読んでいる。
 さて、この「モモ」だが、果たして児童文学なのだろうか。
 国は異なるが、トーベ・ヤンソンの「 ムーミンパパの思い出 」を読んだときにも同じことを感じた。ヨーロッパの子供たちは、こんな観念的な話を好むのだろうか。
 副題は、「時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」。挿絵も作者が描いている。
 収入を得るためにあくせくすることは悪であり、のんびり「今」を楽しむのがあるべき姿だ。子供は、純真無垢とまではいかなくとも、善だ。
 同じドイツのケストナーの言うように、大人は子供だったことを忘れてしまってはならない。そういう話だ。
 物語は壮大で、モモという少女が世界を救うのである。

 作者が人に聞いた話、という体裁を取っているので、それでも不都合はない。
 むしろ、説明がないからこそ、印象に残るのだろう。
 全てが合理的に説明されてしまったとき、物語は、「そんなものを使ってもほんとうの遊びはできないような」(p98)「子どもがじぶんで空想を働かせる余地がまったくない」(p99)ものになってしまうのだろう。
 今から30年以上も前に訳されたものなので、訳文はやや古めかしい。「視聴者」ではなく「聴視者」(p230)、「えりもえって」(p232)などという表記が時代を感じさせる。
 観念的な物語を子どもにも理解できるように訳すというのは、大変な仕事だったろう。

楽天ブログランキング ←クリックしてください

楽天会員以外の方のコメントは「 輾転反側掲示板 」へどうぞ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.03.10 21:12:23
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: