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2022.09.10
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毎日新聞のコラム「余録」を読んでいたら、「公孫竜」に「こうそんりゅう」をルビが振ってあった。 WEBサイトでは次のようになっている。
 「白馬非馬(はくばひば)(白馬は馬に非(あら)ず)」は外形で分類される馬と、色と外形双方で認識される白馬は異なる存在という主張だ。中国古代の思想家、公孫(こうそん)竜(りゅう)の論で論理学的には歴史的意義があるそうだが、人を欺く詭弁(きべん)を指す四字熟語として伝わってきた
 「公孫竜」を「こうそんりゅう」と読んでいる。
 「竜」という漢字は、その字だけだと「りゅう」と読むのが普通だが、「坂本龍馬」を「さかもとりゅうま」と読むことはない。「画竜点睛」は「がりゅうてんせい」ではなく「がりょうてんせい」だ。
 音読みが二つあり、「りゅう」は呉音、「りょう」は漢音だ。
 呉音と漢音では、漢音の方が由緒正しいというのも変だが、その音が日本に入ってきたときにはそれが標準的な音だと思われていたので、漢音で読むことが推奨されたはず。
 したがって、「こうそんりょう」と読む方がいいのではないかと思う。
 ただ、これはいろいろ面倒で、漢文の総元締めの「論語」は漢音では「ろんぎょ」なのだが、呉音で「ろんご」と読むことになっている。
 困ったね。

 ずいぶん昔のことだが、政治家の詭弁をとりあげた評論家の文章で、「夢に公先生が現れて」と書いていたのを見て驚いたことがある。

 公孫竜は中国では珍しい二字姓で、「公孫」が姓なのだ。『水滸伝』にも「公孫勝」という好漢が登場する。その評論家はそのことをしらず、「公」が姓だと思っていたのだ。
 これまた困ったことだ。





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Last updated  2022.09.10 12:45:31
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