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January 19, 2016
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みなさん、こんばんは。雪大変でしたね~。電車も遅れがちでした。明日は地面が凍りそうですべらないように行かなくちゃ。さて、今日紹介するのはミュリエル・スパークの学園が舞台の小説です。

ブロディ先生の青春
The Prime of Miss Jean Brodie
ミュリエル・セーラ・スパーク
河出書房新社

スコットランドの首都エディンバラには、いわゆる花嫁修業の学び舎―マーシア・ブレイン女子学院があった。そこの名物先生ミス・ブロディの口癖ときたら、
「また言われたの。もっと進歩的な学校に勤めたらって。先生の教え方が合いそうなところね。でも、怪しげな学校はまっぴら。この教育工場で頑張るつもりよ。聖書の文句ではないけど、パンを作るにもタネがなければだめ。心豊かな年頃の子を任せてもらえたら、最後まで育ててみせるわ。」


 校長先生に睨まれつつもお気に入りの生徒達を課外授業と称して外に連れ出すなど自己流の授業を行うミス・ブロディ。未来の良妻賢母を作らんと意気込む校長先生は、彼女取り巻き―ひと呼んでブロディ組―の女生徒を呼び出しては、追い出す口実を見つけようと網を張るが…。

 おっ、さては、保守派校長Vs革命思想の持ち主で熱血女教師&生徒の攻防戦が繰り広げられる痛快学園コメディ?いえいえ、あの、意地ワルなことでは人後に落ちないミュリエル・スパークが、そんな素直な、夕陽に向かって皆がわーっと走って「♪青春は太陽がくれた季節」だなんて歌う健全な話なんて、書くもんですか。


「人は青春を謳歌するために生まれてくるの。先生の青春は始まったばかり」



 素晴らしい。でもねセンセ、最高の時(The Prime)なんて、青春のほんの一瞬ですわよ。だが彼女、これを本心から信じている。それが証拠に、性の事に興味深々な女生徒の前で、過去の恋愛話を授業で話したり、想いを寄せられている先生に自分の似姿として女生徒を派遣。えっ。それって教育者としてあるべき姿?

 この物語はブロディ組と呼ばれる女生徒達が中等部から高等部、果ては社会人になるまでの過程が描かれる。それも時系列に沿うなんて丁寧なものではなく、学生時代の彼女達の描写の後に、いきなり「火災で死ぬ」なんて思いっきりネタばれが入って来る錯時法が用いられ、「えっそんな事、物語の途中で知りたくなかったよぅ」と涙目の読者をよそに、再び筆は、何事もなかったかのように、死を予告された彼女の学生時代に戻るのだ。そんな仕打ちをされた日にゃ、「ここだけの話、読者のことなんて、ぜんっぜん、考えてないでしょう?」と思いっきり胸倉掴んで聞きたくなるのは私だけか。

 ブロディのモデルがスパークの知り合いだと聞けば半自伝小説とも言えるし、あまりに盛り沢山のエピソードで、ここには書き切れなかった超個性的な教師や生徒達の学園コメディの要素もある。1930年代のエディンバラを活写した社会派小説でもあり、自分の事が見えているようで見えなかった、ある一人の哀れな女性をしんみりと偲ぶ趣もある。こう様々な顔を持っていると、作品のジャンル分けをしようという気さえ失せてしまう。だが、ジャンル分けなどしない方がいいのかもしれない。マグリットの絵を模した表紙のように、ミス・ブロディも生徒達も、ふわふわと気持ち良さげに浮いていて、小説に何らかの意味を見出そうとしたり、ジャンルを定義づけようとすると、不敵な笑みを浮かべてどこかへ飛んでいってしまいそうな気がするのだ。

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 



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最終更新日  January 19, 2016 12:06:17 AM
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