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プライバシー保護のため、登場人物の名前は「アニー(仮名)」として記載しています。個人を特定できる情報についても、一部変更・非公開としています。
📖 【実録 第1話】Xで知り合った台湾女性――友だち1人のLINEから始まったはコチラ
写真が増えていった
アニーとのLINEが始まってから、日常の写真が少しずつ送られてくるようになった。
私は本名を使っていない。
自分の写真も送っていない。
アニーと話すためだけに用意したLINEで、友だちは彼女一人だけ。
警戒していなかったと言えば嘘になる。
でも、不思議なことにLINEで話せば話すほど、
「もしかしたら、本当に普通の台湾女性なのかもしれない」
と思うようにもなっていた。
そこで私は、送られてくる写真を少し調べてみることにした。
目的は、嘘を暴くことではない。
むしろ、
「ちゃんと台湾で生活している人だった」
という材料を見つけたかった。
「母が作ってくれた」という夕食
ある日の夜。
アニーから食卓の写真が送られてきた。
母親の家に行き、好きな料理を作ってもらったという。
派手なレストラン料理ではない。
いくつもの料理が並んだ、家庭の食卓だった。
その後には、料理をアップで撮った写真も届いた。
時間の流れも自然だった。
料理の内容も、台湾や中国圏の家庭料理として特に不自然には見えない。
もちろん、
料理の写真だけで、その人が台湾にいる証明にはならない。
ネット上の写真かもしれない。
誰かから送られてきた写真かもしれない。
それでも、この時点では「怪しい材料」というより、
アニーの話と矛盾しない材料が一つ増えた。
そんな印象だった。
台湾の店らしい写真
別の日には、店内で撮った写真が届いた。
商品の棚。
お菓子。
飲み物。
その中で私が気になったものがあった。
「スラーピー」らしき商品。
調べてみると、台湾のセブン‐イレブンでは「思樂冰(Slurpee)」として販売されている。
さらに棚には、韓国のお菓子「PEPERO」も並んでいた。
それだけなら日本でもありそうだが、周囲の商品や売り場の雰囲気を含めて見ていくと、
少なくとも「台湾で撮影された」と言われても不自然ではない。
また一つ、信用する側の材料が増えた。
街の写真に写っていたもの
そして、かなり興味深かったのが街中の写真だった。
道路。
建物。
看板。
何気ない台湾の日常風景に見える。
そこで写真の中に写り込んでいるものを、一つずつ見てみた。
すると、ある政治関係の看板が目に入った。
名前を調べていくと、台北で活動する人物と一致する可能性が高かった。
さらに調べると、その人物に関する看板が台北市内に設置されていたという情報も確認できた。
もちろん、これだけで撮影場所や日時まで断定することはできない。
ただ、
「台湾にいる」というアニーの話とは、少なくとも矛盾しなかった。
むしろ私は、
「本当に台北で撮った写真なのかもしれないな」
と思い始めていた。
テニスの写真
アニーはスポーツも好きだった。
その一つがテニス。
ある日、室内テニスコートから写真が送られてきた。
ハードコート。
たくさんの黄色いボール。
ボールを入れるカート。
ラケット。
さらに別の写真では、ウェアやシューズ、ラケットを持った姿も写っていた。
顔は写っていなかった。
私は写真を見比べてみた。
床。
ライン。
ラケット。
周囲の設備。
複数の写真には大きな矛盾がなく、同じ場所・同じ練習中に撮影されたものとして自然に見えた。
台北周辺のテニス施設も調べてみた。
似た雰囲気の施設はいくつか見つかった。
ただし、
「ここだ」と特定できるほどの材料はなかった。
だから、ここも結論は保留。
でも少なくとも、
「明らかにおかしい」
という材料は見つからなかった。
今度はゴルフ
さらにゴルフの話も出てきた。
アニーはゴルフの平均スコアが120くらいだという。
私もゴルフをするので、この話題は普通に盛り上がった。
ゴルフの練習をしている写真も送られてきた。
室内の練習スペース。
マット。
クラブ。
たくさんのボール。
ここでも私は、
「本当にゴルフやってるのかな?」
と思いながら写真を見た(笑)。
彼女のXにも以前からゴルフ用品の写真があった。
クラブやパター、バッグ、シューズなど、かなり多くの道具が写っていた。
平均120という話に対して、
「道具、多くない?」
とは少し思った(笑)。
ただ、家族の物かもしれない。
友人の物かもしれない。
店で撮ったものかもしれない。
これも「矛盾」と呼ぶには弱い。
そして、ボランティア
ここから、私は少し驚くことになる。
ある日アニーは、
子どもたちと遊ぶボランティアをしている
と話した。
送られてきた写真には、子ども向けのスペースや誕生日を祝うような様子が写っていた。
話を聞くと、2020年頃からボランティア活動を続けているという。
さらに、
自分の収入の一部を公益活動や災害、戦争被害者などへの支援に使っているとも話した。
年間収入の8~15%程度だという。
きっかけは、昔の先生から受けた影響らしい。
私は素直に思った。
「本人だとしたら、立派な人だな」
と。
……立派すぎないか?
暗号資産のアナリスト。
家族を大切にする。
スポーツもする。
テニス。
ゴルフ。
日本にいる姉妹にも会いに来る。
2020年からボランティア。
さらに収入の一部を寄付。
ここまで聞いたところで、私は逆に少し怖くなった(笑)。
出来すぎてないか?
私自身は、そんな立派な生活をしているわけではない。
仕事もある。
家族もある。
自分のことで精いっぱいになることだってある。
だからこそ、アニーの話を聞いていると、
「ずいぶん違う世界の人だな」
とも感じた。
ただ、これも疑う理由にはならない。
本当にそういう人はいる。
調べるほど、信用する材料が増えていった
ここまで写真を見てきて、意外な結果になった。
私は最初、
「何かおかしなところが見つかるかもしれない」
と思っていた。
ところが実際には逆だった。
台湾らしい店。
台北と矛盾しない街の風景。
テニス。
ゴルフ。
家族との食事。
ボランティア。
一つ一つは本人確認にはならない。
でも、
アニーが話している生活と、送られてくる写真には、それなりの一貫性があった。
私は少しずつ、
「やっぱり、考えすぎなのかな」
と思い始めていた。
それでも、最後に残る問題
ただし、一つだけ確認できないことがある。
Xで私に連絡してきた女性。
LINEで毎日話している人。
写真に写っている女性。
この3つが、
本当に同じ人物なのか。
写真が台湾で撮影されたものだったとしても、それだけでは証明できない。
それでも当時の私は、疑う材料より信用する材料の方が増えていると感じていた。
だから、LINEを続けた。
そして――
ある日の何気ない会話で、
アニーが私とは違う名前を送ってきた。
そのメッセージは、すぐに削除された。
私は、
「まあ、間違えることくらいあるか」
と思った。
この時はまだ。
なぜなら後日、
また別の名前が登場することになる。
しかも今度は、削除されなかった。
その名前は――
ポニョ。🐟️
次回
【実録 第3話】「明日21時公開」
「ポニョって誰?」――謎の名前をあえて泳がせてみた🐟️🐠私はポニョではない。
でも、すぐには聞かなかった。
ポニョだけに、少し泳がせてみることにした(笑)。
【実録 第1話】Xで知り合った台湾女性――友… 2026.09.06