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Bungee Price CD20% OFF 音楽John Coltrane ジョン・コルトレーン / My Favorite Things +2 【CD】最初からジャズのCDのことばかり書いているけど、ジャンルにこだわるつもりはないです、ぜんぜん。とはいっても、マニアというほどでもないからトリビアっぽいこともあまり知らず、好事家をうならせるようなこともじつは書けません。じゃあ、今回は何だろう?・・・とここまで引っぱっておいて、じつは今日もジャズでした。あはは。で、今日はちょっと趣向を変えて、こんな人からあんなこと聞かれたら、何を薦めますか?、ということなんですけど、たとえばこういうような・・・後輩かなんかで、音楽系のサークルとかには入っていなくて、でもちょっと人よりアンテナの感度の良いワコウドがいたとする。彼または彼女は、ことあるごとに、「**さんはどうしてたくさん本を読むんですかぁ?」とか、「星を見ていると気が遠くなったりしませんかぁ?」とか、「先輩、腹上死ってどういう死に方なんですかぁ?」とか、ストレートでウブな言葉を発する生き物だとする。ある日、サークルの帰りとかにまたしても「ねえ、**さん、ジャズってどこがいいんですかぁ? どういうところがおもしろいんですかぁ?」。そらきた。ここは先輩だからいっちょ、ジャズってのはなあ、ミュージシャンどうしの一騎打ちなんだよ!熱いんだよ!バトルなのさー!なんてことをつい口走りそうになるんですが、今日は酒も入っていないし、ま、ちょっとこんな風に切り出してみてもいいかなと。「ねえ、わたしのお気に入りって知ってる?」「やあだ、せんぱあい、ニューハーフみたあい!」なんて言われるかもしれないので、ま、言われたら言われたで、相手が女の子だったら、かわいいなあ、よしよし、と含み笑いを浮かべておいて、「ええとね、そうじゃなくって曲名なんだよ。古い映画だけど、『サウンド・オブ・ミュージック』って観たことあるよね?」というと、おおかた答えは三種類、えー、わからなあーい ーそらあかんな、そこはおかんに聞いてこんとあ、サイモンとガーファンクルでしょ! ーそらちゃうで、サウンド・オブ・サイレンスや、サイレンス!知っています。ジュリー・アンドリュース主演で、第二次大戦時に実際にドイツで活躍し、ナチス台頭後はアメリカに亡命したトラップファミリーの波瀾万丈の家族史を脚色したミュージカル映画でしょ?監督はロバート・ワイズでしたね ーよう知っとるな。たこ焼きおごってんか?ということで、もし、ジャズが聞いてみたい、でもジャズっていったい何なの?、というワコウドが目の前に現れたら、すべてをさしおいて、これ、泣く子も黙るJohn Coltraneの『My Favorite Things』を薦めます。いいから聴いてみるべし、まずはタイトル曲だけでもいい、聴いてみるべし。なぜか。だって『サウンド・オブ・ミュージック』はみんな知ってるから。でも知らない人もいますな。そういうときは道ばたであっても、電車のなかでも、すべり台の上でも、まずは歌ってあげましょう。♪ほら、どこかのCMで流れていたあれ、あれですって!京都へ行きたくなっちゃう気分になるあれですよ!無事、後輩の彼または彼女がメロディーを思い出してくれたら、えへん、と咳払いをひとつしておきましょう。「この、邦題‘わたしのお気に入り’って歌を、ジャズやる人たちは、自分だったらこんな風にも歌えるよ、じゃあぼくコーラスつけるね、せーの!ってな風に歌うんだな。歌うの。歌がまずあって、それを口ずさみ始めるとさ、飾りをつけたり、音をのばしたり逆に遅らせたり、それからほら、カラオケなんかで、ハモりたくなったら旋律とは違う風に歌うでしょ?ジャズってそういうことなのよ。」それはもう、秋の木の葉が黄金色にひらめきながら舞うように、ソプラノサックスが空気に映った秋の色彩を音符で縫いとるわけで、音となってぼくらの前で軽やかに舞踊る精霊が身体を翔けめぐり、快感が宿るのです。ピアノソロのあとに今度は、ソプラノサックスは突風になって上昇すると、天つ風が雲の通ひ路を吹き飛ばし、隠れた乙女の姿を求めるかのごとく、渦を巻きながら空高く歌う、そのジャズワルツの美しさよ!泣く子も黙るJohn Coltrane師も、この曲では怖くありません。むしろ可憐と言ってもいいくらいです。Coltraneはあとで何度もこの曲を録音しているので、まずは1960年録音の『マイ・フェイバリット・シングス』(原題:My Favorite Things)を聴いてください。そうしないと怖い目に会うかもしれませんよ!
2010.04.29
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ジャズっぽい、ということだと、ピアノ、ウッドベース、ドラムスで構成されるピアノトリオだけれども、アルトサックス、エレクトリックベース、ドラムスのトリオだとどんな音、どんなインタープレイができるのか想像できますか?ピアノトリオでは、なんといっても楽器の王様であるピアノの役割が重要です。まずピアノは12音が完全に鍵盤(キー)と一対一に対応しているのですから、無駄がありませんし、五線譜にもよくなじみます。作曲家がピアノで作曲するのもよくわかります。さらにメロディー、和音、リズムを、その楽器一台の機能性から導きだせます。クラシックの世界でも、ソロのために書かれた作品では、圧倒的にピアノ曲が多いのも、たいへん機能的で、多彩な表現が可能なこの万能楽器の完璧な機能性に負うところが大きいわけです。しかし、別の見方をすれば、クラシックピアニストの中村紘子が`蛮族’と称してまで自嘲したピアノが、王様ではなく独裁者であったとするなら、あるいは何にでも口出ししてしまう、ある意味、ちょっと鬱陶しい存在であることも否めないよね、というのなら、ジャズのトリオのほかの形を考えたときに、まったく違う性質を持った音楽ができてくるのではないでしょうか? ピアノを除いてしまったら、ジャズっぽさ、`大人のおしゃれな音楽’の代表のようなピアノトリオは存在しなくなり、ピアノの代わりに、たとえば、この`Three Guys’のようにアルトサックスが入ったら、音楽でどういう言葉を交わすのでしょうか?さて、理屈ではそうであっても、簡単にうまくいくわけではありません。ふつうの、楽器をうまく演奏できるだけの人なら、ピアノのように和音を豊かに響かせることのできる楽器の特長に拮抗しようと、自分の楽器の存在を強調したり、ほかの楽器もピアノだったら埋められるはずの隙間がすぐに空いてしまうので、何とか埋めようとついつい音をくりだそうとしたりするでしょう。ところで、このトリオのアルトサックスはLee Konitz。クールジャズと言われるムーブメントで頭角を現した白人ジャズマンです。古くはMiles DavisのBirth of the Coolにも参加し、Gerry Mulliganがホーンアレンジメントを手がけた、テンションとシンコペーションでくらくらする`Israel’でも、マイナーブルースのコード進行なのに平行調のメジャー音階を使ってしらっと才気ばしったソロを聴かせています。ドラムはPaul Motian。ピアノトリオの最高峰としていまでも信奉者の多いBill Evansトリオのドラマーです。なにしろBill Evansトリオの黄金期は、ジャズにおけるベース奏法と役割の常識を覆したScott LaFaroも在籍していた(自動車事故で不慮の死を遂げるまで)わけでして、そのふたりとともに新たなピアノトリオ像を作り上げてしまった類まれなドラマーなのです。パイオニアというのは、後の世代に大きく花開く要素をすべて含んでいるものですが、このトリオがもたらしたインタープレイで、トリオのそれぞれの楽器の音が対等で、従来のピアノだけが引き立つピアノトリオとは異なる楽器どうしの会話とか対話とか議論とかの質が一気に高まったことは間違いありません。とはいっても、三人がベストだと思います。そして、ベースのSteve Swallow。ドラムのPaul Motianが`引き算するドラマー’と言われるように、ジャズの対話に音を加えていこうとする従来の考え方から、相手の音に耳を傾け、要らない音は何か、を追求したのであれば、Steve Swallowは、ベースラインの鉄則である絶えずコード進行とリズムをキープする役割に、和音楽器としての役割を加えました。また、時折リード楽器にハーモニーを添えるように歌ったりもします。Steve Swallowはセミアコースティックのベースギターをよく使いますから、ダブルベースの音よりも軽く、とはいえソリッドボディーのエレクトリックベースのように電気的な増幅だけで太った音でもありません。いちど彼らの音を聞いてしまうと、ここにピアノを加えることはできないことがよくわかります。想像すらできないくらいです。そもそもピアノなど入れるつもりもなかったのですから、こんな仮定そのものがナンセンスなのですが、ジャズのトリオの緊密な音世界は弦楽クァルテットにも比されるくらい対話性が高いのですね。つまりこれで十分な、充実した音楽であること、そしてまさしくジャズであることを見事に聴かせてくれます。そしてそこに生まれた音は、隙間を聴かせる音楽、引き算の音楽になりました。
2010.04.22
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Reunionの包装をほどいたのは、JR大森駅のホームだったような気がする・・・というか、どういうわけか、このCDを手にとるたびに自分が大森駅のホームで、たぶん初夏、6月くらいだったのでしょう、少し汗ばみながら、キャラメル包装をぴっと破いているところが想起されるのです。プロデビューを飾ったPat Methenyが、最初に加わったのがGary Burtonのバンドで、本人にとっても特別な思いがあるようです。そのためかここでのPat Methenyは師匠に敬意を表して、いくらか襟元をただしている・・・ような気がします。トップギタリストとしての地位が、いま(2010年)のPat Methenyの、いささか偏狭ともいえる方向性と、ときおり見せる過剰でなにか老いにいらだつようなフレージングにくらべて、Reunionでの彼は初期Pat Metheny Groupのみずみずしさをたたえています。とくにソロの`入り’。語りはじめからよく歌っています。しかもタイトル曲ではとことんアドリブのニュアンスにこだわって、つんのめってしまったのか、コード進行を4小節間違えて先走りそうになってさえいます。でもそんなことはよくありました。ジャズだから、巨匠と言われる人たちでも、一拍多かったり、コード進行を間違えてもほかのメンバーがうまいこと合わせてくれたりするものです。別に気にしないし、むしろスタジオ録音でもアドリブはライブだ!という空気が伝わってきます。1983年頃だったか、横浜教育会館で、まださほど知名度の高くなかったころのPat Metheny Groupの公演では、Straight on Redで、のっけからメロディの音をはずしてしまい、あ、やばい、2フレット間違えた!、と気づいたことさえも隠さずに、顔を真っ赤にしてギターにしがみつくようにして弾いていたPat Methenyを思い出します。それにしても、ヴァイブラフォンという楽器が加わるだけで、アンサンブルがアイスティーのように涼しげで香りもミントが混じるようにひんやりします。5曲目の`House on the Hill'、1分51秒でギターとピアニカみたいな音の楽器が(ハーモニカなのかな?)ユニゾンを奏でるところ、2分54秒でヴァイブラフォンが金属的な輝きをたたえて語りだし、久しぶりにあった友人と昔のこと、いまの状況、考えていることを、表情豊かに話しているかのように繰り広げられるソロは、このアルバムのもっとも美しい瞬間でしょう。彼を支えるメンバーは、聞き役に回って、絶妙のタイミングで、絶妙の声音で、相づちを打ちます。Gary Burton の紡ぎだすメロディは、コードの森に風が吹き、光が射し込んで、日だまりになったり、暗がりをかすかに照らしだしたり、木漏れ日が地表の落ち葉に模様を描くよう、それだけでなくジャズという音楽が引き出す音の表情の豊かさを教えてくれます。このアルバムの聞き所は、もうひとつ、とりあげられた曲がすばらしいこと。メンバーのPat Metheny, Mithcel Formanに加え、Vince Mendozaが書いた2曲と、Polo Ortiが書いたと2曲の都会的なバラード、または夜想曲、ノクターンと呼ぶべき楽曲が際だっています。Will Leeがソリッドボディのベースの魅力、そして色気を存分に発揮して、これらの楽曲の全体をモダンな音にまとめています。Gary Burton:vb, Pat Metheny:g, Will Lee:el-b, Peter Erskine:ds, Mithcel Forman:p。
2010.04.17
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こちらの商品は輸入盤です。WEATHER REPORT/8:30 (2CD) : ウェザー・リポート/8:30それまでにも何度か聴いていたのだけれど、記憶に残っているのは制服を着た高校生たちがジンライムをすすりながら、京都の「しあんくれーる」で聴いたときのこのレコード。当時はたしかにまだアナログレコードであったに違いなく、リクエストして'NOW PLAYING'のアクリルスタンドに置かれたジャケットも31.5センチ四方のダブルジャケットだったはずです。アメリカではコンサートの始まる時間が8時半と相場が決まっていたために『8:30』と名づけられたWeather Report黄金期のライブアルバムは、夜空を背景にこれから始まるコンサートに胸をときめかせる男女が、開演前のホールの周りを取り巻いて待っているイラストがジャケットに描かれていていました。なんとなく大人っぽい、すこし背伸びしたくなるジャケットにやはりときめいたりしたわけで・・・。で、われら横浜から来た修学旅行の高校生たちは、さまざまに胸をときめかす諸般の事情をうっちゃってまでして、暮れなずむ京都の町を、買い物と称して新京極を通りすぎ、河原町にあるジャズ喫茶を目指したのでありました。その晩、高野悦子も聴いたはずのオーディオシステムから聞こえてきたのは、鳥がジャングルの木々の間をすり抜けながら飛ぶように、16分音符の間を舞い踊るBlack Market。ベースはウーファーからツイータまでも鳴らしてしまうジャコ・パストリアス・・・・しあんくれーるの夜からわずか7年後にライブハウスのガードマンにどつかれて不幸な死を遂げることになるこの希有な才能は、Teen Town ではドリブルで敵のプレイヤのウラをかいてボールを運ぶサッカー選手のよう。ウラをかかれたほうはあっと声を上げるまもなく、人間がほんらい持ち合わせているはずのリズムに抱かれ、それを彼のものとも自分のものとも判然としないままにウラをかかれた喜びに身を浸す。そんな感想を持ったかどうだか、旅の恥かもしれないけれど、すばらしいよ、ジントニックはサイダーみたいだし。Joe Zawinul:kb, Wayne Shorter:ts & ss, Jaco Pastorius:el-bそしてPeter Erskine:dr。たった四人なんだね。そのメンバーの誰もが`ふつうの弾き方’をしない、天才で奇人ばかりのユニット。それでもA Remark You Made では広い音楽的風景に、それぞれの音が息づいている。変態サックスとも揶揄されるショーターもここでは美しく朗々と、ノスタルジックに、やがて朝日の兆しに消えてゆく明けの明星のようにきらめくソロを聴かせる。電子楽器を変幻自在に操るザヴィヌル博士のピアノは3分8秒から、そしてショーターの牧歌をはさんで4分25秒あたりからドビュッシーが弾いているかのような色彩感が、ほかのメンバーの紡ぐ織物の上に輝く。ジャコはそこからエンディングへ至るまで、上行下行を繰り返す長いスラーにフレットレスベース独特の響きを湛え、深々とした二声のバッキングが静かに轟きながら暖かく音の風景の大地を形作る・・・ジャコはややもするとテクニックがとりざたされることが多いけれど、ほんとうにすごいのはここで聴かれるようなベースワークなんです。その場を照らす光が、青みがかっていたと思ったら、金色にきらめいたり、木の葉を透かしてうつろう影を、ほんの一音で呼び醒ましてしまう瞬間、沈む夕陽の匂いまでも。★付箋文★雑誌Jazz Lifeの四コママンガでそれぞれの変人ぷりが笑いのめされてしまうほどの`大人のパラダイス’は、今年その歴史を閉じる厚生年金会館での来日公演(たしか1980年だった)も、Weather Reportという、不思議な名前のユニットが年代ものの古いホールをも楽園と化してしまったのでした。 いまはあまり聴かれなくなったPat Methenyの『Off Ramp』に収録されている優しい`Jaco’。コーラばかり飲むPMとアルコールに溺れたJacoがどんな風にお互いの音楽性を理解し合えていたかはJoni MitchelのShadows and Lightsに残されている。これもまたすばらしいメンバーが参加していて、よく撮っていてくれたと、それだけでも感動を覚えてしまう。そう、あれはまだBirdland がまだManhattan Transferにカバーされていなかった頃だった。
2010.04.15
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