ゲミュートリッヒな暮らし~Seit 2005
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神奈川県民を二十何年もやってゐると、県内の鉄道は大概乗った気になってゐるが、未だに全く未知の世界が有った。鶴見線だ。京浜工業地帯などと意外に知らないことばかりで、何やら「海芝浦」と云ふ秘境駅があるらしい。早速、どんな景色なのか嫁さん連れて出掛けることにした。鶴見線は鶴見駅から出る路線だが、鶴見などと横浜から京浜東北線で直ぐだ。駅の連絡橋を渡ると、停車中の電車は超最新型の車両であった。車両は真新しいが、鶴見線プラットホームは完全に旧国鉄の世界。鶴見線開業80周年を記念してか、歴史を記した掲示板が掲げられてゐた。当時の鶴見線は先進的な路線だったらしく、女子工員専用車なる車両まで登場させてゐる。僅か十数分の小旅行いよゝゝ鶴見線海芝浦行に乗車~ちなみに海芝浦は、鶴見線の本線から分岐した盲腸線の終着駅になってゐる。支線へ入ると線路は草ボーボーで、是がまたローカル線の雰囲気を伝えてゐる。次第に海が見えて来た。そして車窓は海が広がる。対岸の埋め立て地が見えるので、石狩湾沿いを走る函館本線の車窓や、錦江湾沿いを走る日豊本線に比べれば景色としては数段劣るが、拙者にとって非日常な景色ではある。今見返して気付いたが、〇〇美容の広告が不気味過ぎる。海芝浦駅に到着~線路は単線で片側のみホームがある。秘境駅らしくホームには屋根すらない。ドアが開けば目の前は「海」~ホームの直ぐ横は「海」なのであります。線路の終端部に改札口があり、申し訳程度の駅舎を出たら、一般人は「行く処が全く無い」のが海芝浦駅。駅の真ん前は会社の敷地で、従業員か取引先の人でもない限り、全く用が無いのが海芝浦駅なのであります。さすがに是では面白くないとでも思ったのか、会社様が土地を提供してくださり、小さな公園が整備された。公園と行っても単線の線路のような、真っ直ぐ進んで直ぐに戻るしかない公園だ。ちょっとした名所になってゐる?サツキの花が満開であります。意外に見物人が多かった。観光地になってしまうと秘境駅感が薄れてしまい、複雑な気分。そもゝゝ会社が休業日だと、見物人しか運びようが無いのが当該支線の面白い処。折り返し出発も20分後程度なので、其れを逃したら1時間以上待たねばならないから要注意だ。終電に乗り遅れたら海を泳いで帰るしか無い。実は此の駅、公道に面してもゐないのだ。再び電車に乗り、元来た鉄路を其のまゝ戻って鶴見駅へ。鶴見線の前時代的プラットホームとは対照的に、鶴見駅の改札を出たら近代的な駅ビルが建ってゐる。生意気にデリフランスなんかが有るから其処で一服。あまりにも直ぐに行って戻って来れる小旅行であります。
2026.04.18