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店主が「君、仕事しているか」と販売員に言うときの仕事は、
通常「命じた仕事、お店のための仕事」をさす。
直接的には「お客様のための仕事」ではない。
「暇を見て、お客様に展示会へのお誘いの電話しよう」
というときの「暇」は、自分の暇のことだ。
人はとかく自分の都合で動き、相手の都合、忙しさを忘れる。
自分たちの仕事の段取りを主軸におくから、
それはお客からみてどうか、という肝心な設問が2の次になる。
そもそもお客を主語にした論議、思考は私が知る限り、
ほとんどの企業に存在していないのである。
マニュアルに忠実であればあるほど、
現場での微妙な変化をとらえようという姿勢は希薄化する。
こうして、とりわけ消費者との接点で得られる定性情報が
希薄化、あるいは疎んじられているために、
最近話題の対話ロボットにも劣る販売員を生んでいるのだ。
いや、そうしたロボット販売員を企業が作っているのである。
自分たちの都合や効率を押さえて、お客の都合や立場を優先する。
これ事業の本質であり、それをなすことで事業は存続できるのである。
このことを経営者自身わかって実践できるかどうかが、
事業存亡の第一のキーになる。
ときどき演繹的に、論理の裏打ちを重んじ、
十分に準備を整え,納得しないと行動に移さない人がいる。
当人は気づいていないかもしれないが、
実はそうやって行動することを先延ばししているのだ。
先延ばしは「やる」か「やらない」かの
二者択一ができないことを意味する。
行動は、単に動き回ることではない。
動きが目的的でなければならないのである。
そのために一定の方向性が伴うという条件が、
付加されて「行動」になる。
この「一定の方向性」がない、すなわち戦略がない人は、
おじおじして決断できないのである。
この「戦略があるかどうか」が、
今後の企業の盛衰を決める第2のキーである。
続く
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