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しばらく前のことだが、 清沢の棚田 の脇で 不思議な形をした実 を見つけた(6/2撮影)。盛んに写真を撮っていると、「アメリカフウロですね。帰化植物ですよ」と教えられた。へえ、そういう名前だったのか。聞き覚えのない名前だが、名前を調べる手間が省けた。 おっ 花も咲いてるぞ ( もう1枚 )。直径1cmほどの小さな花だ。

さっそく アメリカフウロ を調べてみると、 フウロソウ科フウロソウ属 の1年草で、戦後牧草などに種が混じって持ち込まれた帰化植物だという。現在では道端などでよく見かけられるとのことだが、私はこれまで気づかなかった。真ん中のとんがった柱が雌しべの花柱で、根本に5つの実がつくという。初めて見る不思議な実だが、フウロソウ属の花はどれもこんな形の実をつけるようだ。小さな花や実なので、今まで気づかなかったんだろうか? こんな不思議な形をした実なら気づいてもよさそうなものだが……
同じフウロソウ属に ゲンノショウコ がある。そういえば、以前紹介したことのある ゲンノショウコ に花がよく似ている。まてよ、あのときにフウロソウという名を耳にしていたはずだ。しかも、 よく似た仲間にアメリカフウロなどがある と書いてるじゃないか! アメリカフウロがどんな花かも知らずに偉そうなことをいって、 お恥ずかしい限りだ。
なお、フウロソウ属の学名はGeranium( ゼラニウム )。園芸栽培される ゼラニウムの花 は、実は同じフウロソウ科だが、テンジクアオイ属( ペラルゴニウム )に分類されるという。これらは、もともとは同じゼラニウム属に分類されていたのだが、18世紀末にペラルゴニウム属が分離された際に、園芸用に栽培されていた"ゼラニウム"はペラルゴニウム属に組み込まれた。ところが、古くから園芸植物としてゼラニウムの名が使われていたため、園芸名としてはゼラニウムの名前が残ったということのようだ。なんともややっこしい話だが、理論(分類学)と現実(園芸)の乖離の一例だろう。このため、フウロソウ属(ゼラニウム属)の花はたいてい ○○フウロ と呼ばれるそうだ。 こんどこそフウロソウ、覚えておこう。