2005.12.06
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社会学なんかの授業を取ると、よく読まされるのが

「学者が研究対象の国/コミュニティに滞在し、その様子をレポートしながら自分のセオリーを証明してみせる」

的なもの。

ルポライターの潜入レポートとは多少違って、形式としては、

「○○というグループについて、私はこういう考えを持っている」
あるいは
「○○と□□というグループ間で、このような違いがあるのは、こんなことが原因ではないだろうか」
って言うのを最初に説明して、後に自分がそのグループと行動をともにした様子を証拠として挙げながら、そのセオリーが正しい事を主張する、というもの。

大学の授業で扱ったもので一番印象深かったのは、" Islands in the Street: Gangs and American Urban Society "って本。社会学イントロのコースで読まされて、ウチの学校の教授でもあった著者の Martin Sanchez-Jankowski 氏がゲスト講師に招かれたりもしたのだけど(次の学期で彼のクラスを受講した)、様々なエスニックグループのギャングを行動をともにして、いろんな犯罪シーンに遭遇した様子なんかが書かれてて、彼がレクチャーに来たときはみんな興味深々だった。
(すげーカッコいいタフガイ教授を想像してたら、ぽっちゃりした頭の薄いおじさんで、ちょっとがっかりしたけど)

Alex Kotlowitz 氏の "There Are No Children Here : The Story of Two Boys Growing Up in The Other America " という本。Chicagoのスラムで生活する母親と2人の少年の家に同居して、環境が子供達に与える影響を観察するんだけど、母親が大家に追い出されそうになったりしても、(援助出来る経済力を持っていながら)学者としての立場から傍観するしかない著者の葛藤みたいのが記されてて、いろいろ考えさせられた。

極めつけは、 John Howard Griffin 氏の "Black Like Me" (読んだけど内容ほとんどおぼえてないので先日audibleで購入)。これは、ethnographyというより上の潜入レポートに近いのだけど、1950年代のアメリカ南部で、黒人の「本当の声」を聞くために、白人である著者が肌の色素変革をして黒人になりすまし、黒人コミュニティーで生活する様子を日記形式で書いてる。学問的にも興味深いけど、こちらは筆者の主観的意見も多くて、彼の人生がこの試みを通していかに変わったか、ってとこにより焦点が当てられているかも。

こういう、「外部者から見たあるグループ」というテーマ、学業に関係なく自分は意外と好きで、「フランス人の目から見た日本」(題名忘れた)的な本も、読んでたなあ。実は、自分もこの手の分野( ethnography )で、本を書いてみたいなあ、と思ってたことがあったりして。
(博士号論文とか、別の国に行ってこの手の論文書きます、というと、場合によっては研究資金をもらって行かせてくれるってことで、これが魅力だった)


留学生っていうのは、言ってみれば「異なる文化に身を置いてる外部者」だよね。内部の人にはわからない、面白い事実が結構見つかるかもしれない。

留学してれば、誰でも漠然と「この文化のこんなところは面白い。何でみんなこんな風に考えるんだろう」って思うことはあると思う。これを、もうちょっと突っ込んで考えると、立派な Critical Thinking である。



かつては留学といえば、「異文化体験」の名目が多かったし、今も大半の留学生がそれを視野に入れてると思うけど、異文化に全然興味のない人がビジネスや工学、医学などの理系分野、あるいは単純に語学のみを学ぶ目的で留学するケースもかなり増えてきてる。海外の文化もメディアを通じてどんどん伝わるので、実際海外に身を置いても「自分は異文化を体験してる」って意識することがなくなって、新しい事を発見するより、海外までいかに日本式の生活様式を持ってこられるか、に重要性を見出してる面もあるんじゃないかなあ。
(日本食食べて、日本の友達と一緒に行動して、家から日本のビデオ録画送ってもらって、日本のサイトでニュースチェックして)

そもそも、こうして留学の目的が変わってしまったのだから、留学生はみんな異文化を進んで体験しろ!っていうこと自体、まあ、間違ってるのだけど。
でもせっかく日本以外の土地に住んでるんだから、できる体験はやっとかないともったいない。

留学生活が退屈になったら、慣れきったキャンパスや家の近所を離れて、地元のアクティビティに参加してみるとか、留学生が行かないような地域(超高級住宅街とか、逆にエスニック住宅地とか)に「潜入」したりするのも、なかなか刺激的ではないかと。
注:↑安全には注意しましょう


★★ みんなの留学体験を、ブログで学ぼう(留学ランキング) ★★

頑張れ、世界各地のethnographers!
異文化の面白さを気付かせてくれる、貴重なブログがいっぱい。
今日のお奨め:7位の 現代インドネシア事情
インドネシアの歴史と文化、インドネシア人の不可解(?)な行動とその意図するもの、対応の仕方、について説明してます。行くことはない、と思いつつ、文章の上手さに引き込まれ、インドネシア語講座まで、思わず丹念に読んでしまいます(笑)。








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Last updated  2005.12.06 21:15:43
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