2007.10.22
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カテゴリ: 留学-学習編
National Geographic11月号より。
この号の特集は「記憶」について。
ネットでの閲覧時期は限られてるのでお早めに。 こちらから

自分が欲しい能力、の中には、「記憶力」ももちろんある。
もともと記憶力に長けている方ではないので、テストなどでも苦労してきた、ということがあるし、人生半ばに差し掛かって、これから物忘れもどんどんひどくなるんだろう、と思うと、ちょっと怖くもあるので、記憶力を伸ばせる訓練とか薬とか、信用できるものが世にあるならぜひ試してみたい、と思ってる。

けど、この記事読んで、記憶力はあればあるほどいい、と、断言するのはどうか、と考えさせられた。

記事の中に出てくる女性は、何十年にもわたる個人の記憶(何年の何月何日に何をした、とか)を、全て思い出せるのだそうだ(原因は不明)。その日のTVで、どんな番組のどんなエピソードが放送されたとか、誰がどんなことを言ったとか、その正確さは常識を超えてる。

ただ、本人にとってはそれは「能力」ではなく「重荷」であり、「覚えている」ことの利益より「忘れられない」事の苦労に悩まされているとか。


昔の人は、脳以外の記憶媒体(テープレコーダーとか、紙とか)を持たなかったので、記憶力もものすごく鍛えられていた。出版技術が発明され、イベントの録音、録画が可能になり、コンピューターに全てを保存しておける時代に生きる我々は、自宅の電話番号すら記憶できなくなってしまった。記憶する必要がないから。



人間の脳とコンピューターの違いは、脳は情報を保存するけど、それらをいるものといらないものにより分け、「忘れていく」能力がある、というところ。
必要のないものはどんどん切り捨て、自分にとって大切な記憶を鮮明に残していく。そこから、その人の価値観とか、特定の仕事をする能力とかが育っていくのではないか?

とすると、「忘れる」というのは、重要な能力で、それが出来ない前途の女性は、なにも覚えられない人同様、「障害」を抱えている、という風にもとれるのでは??

...というようなことを、記事では述べていたのだけど。

数個の電話番号や、親しい人の名前、テストに出る重要語句すら暗記できない私たちの脳は、じゃあ、何を「覚えるべきこと」として選択してるんだろう??芸能人の恋愛履歴とか、プロ野球の選手名とかシーズンの全スコアとか、すごく詳しい人がいる点に注目すると、記憶力そのものが劣ってきたのではなく、脳が違う方法で情報の取捨選択を行なうようになってきた、という方が正しいのかもしれない。
で、学問で記憶力を発揮したいのであれば、薬や訓練に頼るのでなく、芸能事情やプロ野球を愛するがごとく、その学問が好きにならないと無理なのかもなあ、と思ってみたり。

レイ・ブラッドベリの 華氏451度 の世界では、禁書が行なわれて、知識人が文学書やなんかを丸暗記してそれらを後世に残そうと試みるのだけど、人間、必要性に迫られるとそんな風に誰でも潜在する記憶力を発揮できるのかもしれない。その必要がなく、何も覚えられないと嘆いてる現代の我々は、ある意味幸福なのかも。





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Last updated  2007.10.23 01:27:26
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