２０数年振りの再会は、最後の別れ？

100万ポイント山分け！1日5回検索で1ポイントもらえる

000000

ホーム | 日記 | プロフィール

2003/10/29

(10)

カテゴリ：人生・教訓！

日曜日にあった出来事です。

昼過ぎでしたか、玄関先に座っていた母の小さな声が聞こえてきました。

どうも泣いているような声でした。

そして、もう一人別の女性が泣いている声が聞こえました。

私は、何かあったかなと思って急いで行きました。

母が『○○ちゃんね、○○ちゃんね』と言いながら、座った母の膝に、顔を伏せて泣いている女性の頬を両手で挟んで、撫でてやっているんですね。

私は、誰か分からず声を掛けるのを躊躇しましたが、『誰ね？』と言ってしまいました。

全くデリカシーがありませんね（笑）。

私の声を聞いて、上を向いた泣き顔は、私の幼馴染の妹の○○ちゃんでした。

家は２軒先の近所で、物心つくかつかないかで、母親を亡くしたので、私の母が大変可愛がっていました。

後に義母になる人がやってきたのですが、その人に懐かず、母のところに来て、おにぎりを握ってもらったり、お菓子をもらったりしていました。

義母になった人は、厳しい人で、甘えることができなかったようです。

ご飯の時も、御代わりができなかったんですね。

だからいつも腹がすいていたようです。

それに彼女が小学生になった時、遠足での水筒は、マヨネーズのチューブにお茶を入れて持って行ったと、この時も泣きながら言っていました。

私の同級生も中学になる時、男の中で彼一人、自転車はママチャリでした。

それは、妹がそれをまた使えるようにということでした。

普通の家で、貧乏でどうしようもないという訳ではなかったのですが、とにかく厳しかったですね。

そして、あんまり母のところばかり行くものですから、中学になるころから、行くなと言われたらしく、全く母のところには寄り付かなくなっていました。

これには、あんな子とは思わんやったと、母もかなり怒っていましたが、こうしてお互い顔を見ると懐かしさのあまり、泣いているんですね（笑）。

長くなりますから、訳は書きませんが、二人は家を出て、彼女は、それから全く帰って来ていませんでした。

兄だけは、家には寄らず、私の家には数回来たことがあります。

もう彼女には、三人の子供がいるようですが、義母になる人は、顔も見たこともなければ、子供が何人いることも知らないようです。

今も、近所に義母の女性は住んでいますので、顔を合わしたくないと言って、私の家の仏壇に線香だけあげて、長くはいませんでした。

私の亡き父も可愛がっていましたので、喜んでいることでしょう。

帰り際に、女の子に昔のように、家にあったお菓子を母が渡していました。

その笑った顔は、遠い昔の○○ちゃんの顔とそっくりでした。

義母でも、うまくいっている親子が殆んどだと思いますが、たまたま巡り合わせが悪かったのでしょう。

でも未だ彼女は、幸せかもしれません。

今に時代、実の親に虐待されたり殺されたりするニュースがなんと多い事か。

笑いながら『さよなら』と手を振って帰って行ったのを見て、母もなにかほっとした様子でしたね。

おそらく、母と彼女は、もう二度と会うことはないでしょう。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう