2004/03/14
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カテゴリ: 人生・教訓!
先日、『わたしはあきらめない』というNHKのインタビュー番組に、フジ子・へミング というピアニストが出ていた。

へミングウエイとばっかり思っていたので、ウエイがなかったのに初めて気付いた(笑)。

私は、ピアノはもちろん音楽のことなど全く分からないが、彼女のなにか怨念の塊のような執念に脱帽した。

10代の頃から、その才能は認められたが、日本にいるのは飽き足らず、30代にヨーロッパに渡って、しばらくは貧乏で一週間砂糖水を飲んで凌いだこともあったらしい。

その時に、彼女を支えたのは、『私は才能がある。私のピアノは素晴らしい。』という強烈な自負心。

やがて、その才能は認められ、カラヤンからも褒められ、レナード・バーンスタインだったか?、この有名な指揮者が指揮するオーケストラをバックにコンサートすることが決まった。

ところが、神様は、またもや彼女に試練を与えたのです。

コンサート10日前に、音楽家としては致命傷とも言える、耳が聞こえなくなったのです。

なんという悲劇か。



このプライドの高い女性にとって、人生最大の屈辱だったかもしれない。


その後、2年程して、片方の耳が少しではあるが聞こえるようになり、ピアノ教師として、過ごすことになる。

そして、その後20年間、ピアノを教えながらヨーロッパで過ごしたが、その間も『私は才能がある』という自負心は持ち続けていたようだ。


こんな気持ちを持ち続けるというのは、ただの自惚れではできませんよ。

この凄まじい執念は、一体どこからくるのか。

【追記】

20年間の潜伏期間に、猫や小鳥を飼っていたようだが、ピアノ教師としてピアノを弾く以外に、彼女は、この家族?の前でコンサートを開いていたようだ。

それは、いつのまにか多くの観客の前での演奏より、はるかに楽しいものになったという。

いくらこの女性が、強い意志を持っていても、屈辱の怨念を引き摺って、20年以上も再起を待つということは、精神も肉体も持たなかっただろう。

楽しむというのは簡単に言えるけれど、この状況下で悲壮感ではなく、楽しさを感じられたのは、凄いことですね。

この楽しいコンサートを続けたから、その才能は、錆び付くことはなかったのでしょう。




彼女は、自分で『大器晩成』と言って笑っていたけど、おそらく現在60歳前後ではないだろうか。

天使のような繊細なところもありながら、悪魔のような執念を持ち合わせている。

彼女はこんなことも言っていた。

『もしこの世で認められなくても、また天国で続ければいい』

芸術家とはこんな恐ろしいくらいの自負心を持っている人がいるんですね。




最後に演奏を披露していたが、その指は、まるで男の指のように逞しかった。

20年間、家族?の前でコンサートを開きながら、錆び付かないどころか、鍛えぬかれていたようです。


強烈な自負心と好きなことをやり続けたいという願望。

なかなか真似はできませんが、『あきらめなければ、いつかは花開く』そう信じて生きていきたいものです。








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最終更新日  2004/03/14 11:17:14 PM
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