人を変えようなんて思い上がり！

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2008/08/10

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テーマ：ものづくり・人づくり！(601)

カテゴリ：人生・教訓！

漫画家赤塚不二夫氏の葬儀でのタモリ（森田一義氏）の弔辞が話題になっている。

淡々と心境を語りながら、飾りがなく感動的だった。

おまけに、読んでいたものは白紙で、あの長文はアドリブではなかったか、とタモリに対する評価が高まっているようだ。

赤塚不二夫がタモリを発掘し、その後売れるまで物心両面の面倒を見た話は知られている。

当時、赤塚不二夫は既に売れっ子だったとは言え、身銭を切って人の世話するなんて、そう簡単に出来ることではない。

タモリの才能を評価し惚れ込み、その男が成長していく過程を身近で見たかったのかもしれないが、それにしても大したものだ。

私にも、独立当初、いや、それ以前からお世話になっている恩人とも言える人たちがいる。

学校に通っていた頃の恩師は別にしても、社会に出てから身銭を切るに等しいような恩を受けたことは忘れてはならないと思う。

『懸けた情けは忘れても、受けた恩は忘れるな、受けた恨みは忘れてしまえ』

お恥ずかしい話だ。

親族でも嫌がる保証人になってもらった方もいれば、業界では手形での支払いが当たり前なのに、「金がない」という私の懇願に、支払の何割かは現金で支払っていただいた方もいた。

それを数年続けてもらったのだから、今では奇跡のような話だ。

他にもいろいろとあるが、こんな身銭を切るに等しいような恩を受けていたのに、本当に不義理していた。

先日、そのなかの一人にお会いしてきた。

不義理していたことを詫びたが、それには笑っておられるだけで、お叱りを受けるどころか喜んでいただいた。

その顔を拝見し、いくらか気が楽になった。

話しているうちに、以前のようにいろいろとお尋ねしたが、それにも以前のように本音で答えていただいた。

なかでも興味深かったのは、『人は変えられるか？』という私の問いに対する答え。

「ホリちゃん、人を変えようなんて、考えるほうがおかしい。そんなことで悩むなんて時間の無駄よ。・・・薬でも打たん限り人なんか変わりゃせんよ」

我が尊敬する先達は、そう言って笑っておられた。

巨人さいとう・たかをは、テレビのインタビューで、一刀両断するが如く答えておられた。

「違う脳みその相手にうまく伝わるかどうかなんてわからないのだから、とにかく言いたいことを言えばいいのだ」

「人は違う脳で考えている。人の脳に期待するほうが間違い」

そして、我が先達からこんなアドバイスをいただいた。

「人を変えようとするのではなく、人には成長できるような仕組みや環境を与えてやり、勉強もさせてやること。それで変化がなければ、その人には可能性がない、と諦めればいい」

しかし、ついつい必要以上に期待してしまうことがある。

我が先達は、最後にこう言った。

「ホリちゃん、昔と自分が変わったと思うね。変わっちゃおらんやろ。自分が変わらんのに人を変えようなんて思い上がりよ（笑）」

最後はやはり赤塚不二夫のこの言葉ですべてが解決しそうだ。

「これでいいのだ！」

それではまた。

私も身銭を切って人を後押しできるようになりたい。今は残念ながら、その身銭がない？？？クリックよろしく！