最強の町工場！心優しき巨人！

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2011/09/04

テーマ：ものづくり・人づくり！(601)

カテゴリ：ものづくり！人づくり！

昨日の午後、知る人ぞ知る町工場の巨人「エーワン精密」創業者梅原勝彦氏の講演会に参加。

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今は取締相談役となられている梅原さんは、「カンブリア宮殿」にも昨年出ておられる。

何故、町工場が注目されるのか？。

この「エーワン精密」は約４０年経常利益率３５％超を続けている奇跡のような会社なのだ。

梅原氏は、幼き頃父親の会社が倒産し一家離散となり親戚の家に預けられる。

当然のように小学校しか出ておられず、１２歳からネジ工場で働き始めたとか。

普通、こういう生い立ちは、お涙頂戴的な講演ネタになりなりそうなものだが、これが私の強みだと語られる。

何故か？。

それは、大卒より１０年も早く社会に出られた、という圧倒的な強み。

そして、そこで大手メーカーから仕入れるカムという部品が、価格が高く、使い勝手が悪く、納期が掛かる、これに着目する。

２０代半ばには独立し、大手メーカーと逆のことをやり、最初は苦戦するも飛ぶように売れるようになる。

３０を過ぎた頃「エーワン精密」を設立。

この時に、シチズンが他社に先駆けて製作して日本に数台しかない当時2,000万円した自動機械を導入。

これは４０年前の話、一体今のお金にしたら幾らなのか。

それを、担保のない梅原氏に融資する銀行があったというから、驚くばかりだ。

もっと驚くのは、それを僅か２年足らずで返したということ。

今度は、機械メーカーが追加で買ってくれ、と頼みに来たとか（笑）。

次には、工作機械に使うコレットチャックという部品に着目し、現在主力商品となり国内シェア６割を獲得。

書けば切りがないが、とにかくその先見性と、ここぞという時の決断力には驚嘆するばかりだ。

国内シェア６割を獲得する要因は、今日受けた商品を今日出荷できる、という他社が絶対真似できない圧倒的な短納期。

客先の要望も、もちろん価格は大事だが何より納期。

その日受注したものを、その日に出すなんて、そう簡単に真似できることではない。

リーマンショックの時、この「エーワン精密」でも売上が３５パーセント落ちたらしいが、経常利益は２５パーセントを維持したというから、これを奇跡と言わず何と言う。

事業選択の条件は、大きく分ければ３つあると語っておられた。

１）世の中に必要なものであるか。

３）万が一でも業界のトップになる可能性があるか。
　　（トップになれなくても、ベスト５位には入れるか）

そして、社員教育。

社員とは本来働くもの。

人を動かす、と言うが、気持ち良く動かすのがトップの仕事。

会社は社員を守る。

社員は会社を守る。

最後の質問コーナーで、私が社員教育について尋ねると、こう答えられた。

「明けましておめでとう、今年も皆さんが安心して定年まで働ける会社創りを目指しますのでよろしくお願いします」

これを、梅原さんは創業当時から新年の挨拶で必ず言っておられるとか。

社員教育とは何か？。

この言葉が、全てを物語っている。

私は、この言葉に感動した。

因みに、質問した私に「私の経営理念」と書かれた２枚の紙をプレゼントしていただいた。

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