銀色猫の部屋

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sonnchan

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2005年12月07日
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子供のつけるあだ名は天才的だと思います。

話を聞くと、いくら差別をしないためとは言え、
子供の才能を摘み取っているような気もしてしまいます。
20世紀少年という漫画の中には「ふくべえ」という
お面をしている少年が出てきます。
本名が「服部」(はっとり)なんですが、みんなが「ふくべえ」
と呼ぶために、はっとりくんのお面を被って自己主張しているわけです。
そんなセンスを素敵だと思うのは私だけじゃないですよね、きっと。
20世紀少年(16)


「チュッパチャプス」など、いったいどこの国だろうというような
呼び方が飛び交っていました。
ちなみに数学の先生は、いつも赤いジャージを着ていたので
「とんがらし」です(笑)。

ちなみに私はあだ名大王でした。
多いときでは三十以上ものあだ名を頂いていました。
妙なところでは「麻呂」「デコリン」「小玉スイカ」…。
「トッポジージョ」はテニス部の先輩に付けられたあだ名です。
昔からいじられキャラだったんですねぇ。
そのせいか、トッポジージョを見るとすごく懐かしくなります。
トッポジージョ陶器製コインバンク

いまどきのアニメなんかを見ると、あのとぼけたような半眼、

あのほのぼの感は、もう子供の世界からも消えうせてしまったのでしょうか?
アニメの世界も現実同様にどんどんシビアになりつつあるようです。
それにしても、あだ名というのは、誰かがつけてくれなければ
持つことさえ出来ないものだと思います。
誰かが少なくとも自分の事を特別に思ってくれた。


最近、暗い話が多いです。テレビをつければ、誰かが殺されただの
自殺だのそんな話が嫌でも耳に入ってきます。
どちらにしろ、事件を起こしてしまう人はあだ名のセンスも通じないような
そんな悲しい世界に一人でポツンといたんだと思います。
自分だけが苦しい、自分だけが悲しいという思いなんだと思います。
少し考えてみれば、誰だって同じ傷は持っているのにねぇ?

小説家とは、そんな誰でも抱えているような漠然とした思いを
うまく表出することができる能力を持っている人だと思います。
先日、夏目漱石の「夢十夜」を読みました。
他の夢はピンと来なかったのですが、第七夜の話だけは私の印象に
妙に強く残りました。

それは行き先のわからない船に乗っている男の話です。
彼はその船から飛び降りてしまいます。

夏目漱石は書きます。
「自分は何処へ行くんだか判らない船でも、やっぱり乗っていた方がよかったと初めて悟りながら、しかもその悟りを利用することが出来ずに、無限の後悔と恐怖とを抱いて黒い波の方へ静かに落ちていった」

私は暗いニュースを読みながら、
この夏目漱石の描く男が、青黒い月もない夜、
巨大な船の甲板から落ちていくのを頭に浮かべてしまいます。
船にはたくさんの人間が乗っていました。
それでも彼はたった一人でしかいられなかったのです。
船に乗っていることに虚しさしか感じなかったのです。
誰も彼の本名さえ気にかけてはくれなかったのでしょう。
そして一度落ちてしまえば、もう戻ることが叶わない世界も確かに存在するのです。





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最終更新日  2005年12月07日 23時42分04秒
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