鴎座俳句会&松田ひろむの広場

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ひろむ193808

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2010年02月01日
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テーマ: 現代俳句(52)
カテゴリ: 俳句
鴎座とともに  松田ひろむ

冬の薔薇低体温といわれれば    倉本  岬

 旧古河庭園での冬バラに触発されてのものだろう。問題は「低体温」で、これは自律神経の失調による低体温症のことであろうか。深刻な問題ではあるものの、ここでは冬バラに、君も低体温症といわれているの、と問いかけているようでもある。旧古河庭園では珍しく若い女性が句帳を片手に思案にふけっていたが、ある人によると黛まどかの「ヘップバーン」の会の人という。そんなことも彩りになっていた庭園であったが、ここはもと古河鉱山、足尾銅山にかかわる。そこに「わたらせ」という名の青バラがあったが、それには私も触発された。

政権交代尾が猫を振る寒いから

 猫が尾を振るのか、尾が猫を振るのか、現在の民主党連立政権でさっそくの一句。「寒いから」がなんとなくで、付かず離れずで悪くない。

七十歳を過ぎれば過ぎて氷面鏡

 七十歳なんて、想像もつかなかった年齢にさしかかった。しかし作者は「過ぎれば過ぎて」と開き直っている。私などはいつまでも、じたばたと若くありたいとあせっているのだが・・・。この句も「氷面鏡」が効いている。

ああー魅力枯蟷螂を愛します    西部 節子

 枯蟷螂そのものだが、「ああー魅力」と大胆に言い切る魅力。

返り花大きな胸は隠せません

帰り花といって、いきなり「大きな胸は隠せません」

といわれると、どきっとするが、「返り花」とあるから老いの一面を見据えた句であろうか。

兎と亀の兎がすきで高く跳ぶ    増田 萌子

 兎と亀の説話は、亀の勝利に終るが、それを逆に「兎がすき」といって楽しさ。「高く跳ぶ」で、寝ている兎が好きというわけでもなさそうだ。季語は兎。

やわらかく銀河へはじく一茶の句

 はて、一茶に銀河の句があるのかと思って調べたが、天の川はあった。そのなかでは次の句に共感した。

我星はどこに旅寝や天の川        一茶

木曽山ニ流入りけり天の川

 作者は必ずしも、具体的な一茶の銀河の句ではなく、「一茶の句」なのだが、それも心が弾んでいる思いかもしれない。

黄落の空が近くて逆上がり

もそうだが、今月の作者の句は元気がいい。

とぎ汁の初乳の色をシクラメン   渡辺  茜

 初乳というのは、出産して最初の母乳のことらしい。おそらくは「初乳」の俳句は、これが始めてではないだろうかと思って記憶を辿ってみると、かつて小平湖さんが「山霧の初乳の匂い困民党」と作ったことを思い出した。ここで作者はシクラメンの色としてとらえて清々しい。「大辞林」には、初乳とは「分娩後数日間分泌される水様透明の特別な乳。低脂肪・低乳糖で、固形分が多くタンパク質・無機物・ビタミン類や免疫物質などが含まれている。」とあった。

膝だいた指ほどけそう冬の雨

 膝を抱くは悩んでいる姿なのだろうが、それが「ほどけそう」が軽妙。      

さざんか土塀耳すまさずも奇兵隊  呉羽 陽子

 ここは奇兵隊へ思いを寄せている句。「萩」と前書きがあるが、それがなくても分る句。「耳すまさずも」が思いを深めている。

ポインセチア泣いているのはいじめっ子

 いじめは嫌な問題だが、この句は「泣いているのはいじめっ子」でほっとさせられる。

ゆっくりといずれ死別や冬桜    倉吉まゆみ

 死別はだれもが避けられない問題だが、作者の場合は病気のご主人がいるだけに、より切ない。冬桜がやや淡々として悲しみを深めているが、それだけにもう一工夫かもしれない。

鳥になるつもり一位の実を食べて

 一位の実を食べての即興の一句であろう。軽くて自在な詩心が楽しい。






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Last updated  2010年03月06日 13時22分20秒
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