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第 21
回鴎座通信句会
全句データ
(互選用)
●互選選句五句。
(全句のなかから五句を選んでください。互選は任意です。また互選できるのは投句者のみです。句番号と上五、および選句者名をお忘れなく。)
● 選句締切 12 月 31 日 24 時必着。 メールまたはFAXでお願いします。メールアドレスは「鴎座」巻末に記載してあります。 句番号はランダムに変換されたものです。(誤字脱字・ 類句 などがありましたらご連絡ください)結果は全投句者にメールまたはFAXでお返しします。また次号「鴎座」に発表するとともにFACEBOOK・BLOGにも発表します。 2021 年 12 月 28 日 鴎座俳句会 代表 松田ひろむ
〈 第 21 回鴎座通信句会全句データ〉
句番号 作品
1 先ず以って一日一句注連飾
2 故郷に母と時雨と魚市場
3 餅花や小野小町と昼の酒
4 リフォームの床暖房に妻と猫
5 迷い道昨日の雪へ今日の雪
6 白鳥の2の字2の字の瓢湖かな
7 妻上がる湯船に我と柚子一つ
8 何となく早寝早起き開戦日
9 肩の荷を下ろしたいのに桜鍋
10 冬晴やオミクロン株到着す
11 参道のみみずくの目は振り返る
12 蟷螂の反りかえって威厳はる
13 ポインセチア月経血とイエスの血
14 女でも男でもなき亥の子餅
15 クリスマス人は黒衣に身をかため
16 双六の道中戻る遠出かな
17 アイスクリーム供えて帰る漱石忌
18 雪催裏街道の生きやすし
19 家系図を書く気のなくて冬ぬくし
20 グレタの耳氷河の溶ける音をきく
21 感情のぶつかる寸前寒牡丹
22 感染者減って不安の野水仙
23 拍子木の次第に遠く冬至風呂
24 違いある孤独と孤高鏡餅
25 懐手癇癪玉を飲み込んで
26 コーヒーの木の鉢三つ温室に
27 漱石忌ご飯残すな肘つくな
28 雑巾を何枚縫えば寒波来る
29 寒波来るその翌日は爪切って
30 仏法の教えは守る兎汁
31 綿虫や齢それなりの骨密度
32 霜の花ベアトリーチェも病妻も
33 呼び込みのサンタ人形の手の汚れ
34 団塊に腹の虫あり海鼠噛む
35 わたくしの咲き方で咲く帰り花
36 落語会はね師走夜の天津飯
37 前期高齢ポインセチアが赤すぎる
38 数え日の ブレーキ・アクセル・オミクロン
39 コンクールにショパン 響かせマスクの手
40 冬のメダカ成層圏のごと静か
41 臘梅や母の吐息の気配する
42 生き別ることすら淡し帰り花
43 狐火を見てより体重くなる
44 葉のゆっさゆっさ大根物語
45 師走満月尽きし命の様々に
46 濁る窓すみれハウスの群れ匂う
47 寒鴉私の好きな橋の上
48 冬至とは服を重ねて身につける
49 爪を切る小春日和のゆらぐ中
50 遊び場は空と海なり冬鷗
51 冬木の芽少し足りない持ち時間
52 介護ホームへ冬咲のエリカたち
53 卓上にあんパンと水聖夜かな
54 そのかみの思はれ人や掘炬燵
55 少年サッカー見守る人の息白し
56 思い出を忘れぬうちに散る椿
57 霜柱総立ち筒状のカレンダー
58 空白は密より重し古暦
59 十二月八日土不踏 ( つちふまず ) の骨折
60 ゴッホ展枯葉舞い込む上野駅
61 オミクロン株におろおろ冬至風呂
62 初霜や里芋掘りし畝添ひに
63 冬の蝶阿修羅に会いに行く途中
64 考妣 ( ちちはは ) のまたたきはどれ冬銀河
65 切れそうで父似の縁日向ぼこ
66 ひとり来て話の弾む墓参り
67 ボス猫を妻は足蹴に煤払
68 紙衣なる胸の新聞バイク便
69 冬の蝶ひらり扉の重き土蔵 ( くら )
70 賀状書く三十枚の限定便
71 風唸る心安からず夜炬燵
72 シュトーレンにカードを 添えられ聖誕祭
73 新橋は昭和の匂いおでん酒
74 義民伝きわだつ国の除夜の鐘
75 声の消ゆビルの狭間に社会鍋
76 ネクタイを結んで解いて去年今年
77 かじけ猫もの言いたげな四つの目
78 山茶花やこぼれて重なる草の上
79 なんの鳥今日も熟柿に集まって
80 葛湯溶くとろりと眠い昼食後
81 雪虫や歩いてなにも考えず
82 浮かぶまで沈んでみます冬至粥
83 煤逃げの顔で新宿経由して
84 イーブイの耳を食べたし聖夜の子
85 朝まだき南瓜のスープ温めて
86 一つより二つがさびし冬林檎
87 口開きさて身の上は寒蜆
88 冬満月むかしむかしはかぐや姫
89 ときどきは仰ぎ見るもの冬紅葉
90 初春を夫回復期リハ病院
91 大掃除小さい人にリードされ
92 羽根つきや付かず離れず突き返す
93 川果てる行方を知らず冬薔薇
94 着脹れて只ぼんやりと文士村
95 いい人も死んでしまえば寒北斗
96 子は膨れ鍋は焦げ付く年の暮
97 見上げたりあけぼの杉の枯葉降る
98 雪吊の一斉に断つ月蝕下
99 うっかりの義父の忌日よ虎落笛
100 冬鳩のまばたきしない警戒心
101 着ぶくれし自転車通勤三十分
102 味見ともつまみ食いとも小晦日
103 冬三度 (みたび) マスクは顔の下着です
104 斯く胸を焼きし日のあり福寿草
105 煉獄に花ひいらぎの香りほの
106 木の実落つ何か忘れぬ懐かしき
107 柚子湯してこころ体もほっこりと
108 柚子湯出る海馬ふやけてしまいそう
109 夫婦仲何度塗っても胼割れて
110 背後からブルゾン着せる仲となる
111 霜柱働きものの子が二人
112 ライバルや母と娘の冬銀河
113 今日までのもつ鍋セットクリスマス
114 手洗いも形だけで冬の水
115 八十になった夫へたぬき汁
116 月光る邪心なき色夜語る
117 裸木の筋肉ゆるめ立ち話
118 もみの木と向い梟又来年
119 クリスマス後の一日を妻遊び
120 堪忍の緒をほぐしては冬の川
121 柚風呂の柚の小振りよ喜寿傘寿
122 初茜男子化粧室駅ごとに
123 冬晴や竹のようにも見える幹
124 俳壇と歌壇にヒント柚子湯かな
125 裸木となった栃の木黒々と
126 ミサンガの赤が編めずに寒波来る
127 おぼつかな冬の右足左足
128 冬桜若き大工の建てる家
129 一人去り二人加わる日向ぼこ
130 婆様は牛歩のように年用意
131 さらさらと生き様晒す雪女
132 ジャンパーのポッケの 中のデートかな
133 不織布のマスクをつけて雪女
134 部屋の隅蜜柑一つ年老いて
135 茹で蟹の鋏や遠き労働歌
136 冬木立啼き交う鳥やカルテット
137 千の手の千にそれぞれ師走の陽
138 クリスマスはちみつの酒ミード喰む
139 毛糸帽合わせ鏡の花一輪
140 改憲にまた非国民初雀
141 地の果ての中村哲へ賀状書く
142 旧姓が恋しい午後の雪催
143 寒椿けんけんぱあと若返る
144 夫の盛る仏飯高く暮早し
145 鳩時計いつも遅れて冬うらら
146 鬼柚子や役に立つことなくも無く
147 クリスマス市松模様の包み紙
148 研ぎ上がる刃先光りて年用意
149 数え日や連絡帳の殴り書き
150 冬林檎朝のナイフの反射光
151 肉声に追いつ追われつ雪ばんば
152 冬夕焼川面に淡き色残し
153 売れ残りはどこへ行く のかポインセチア
154 日めくりのこと シュトーレン風邪ごこち
155 凩やスマホばかりを受験生
156 カラコロロ落葉転がる師走かな
157 セーターの吊り尾根眩し双耳峰
158 お一人さまでも師走の顔になる
159 古漬や千葉笑いなる真似ごとを
160 わらぼっち照らす灯籠除夜の鐘
161 プラタナスの迷彩模様冬の雨
162 鮟鱇を連れて娘の婿が来る
163 風邪引いてこの世の終わりかと思う
164 子供より親がはしゃいで霜柱
165 メリークリスマス デパ地下のしんがりに
166 橙の彩度増すなりメタセコイヤ
167 様づけで子に出す年賀状の虎
168 練炭で豆煮ることも令和かな
169 一年のわが身労る柚子湯かな
170 未来図の白紙の中に辛夷の芽
171 鎌倉や急ぎ足なる雪催い
172 極月の招き猫にも四十肩
173 荊冠のコロナ禍二年さらに雪
174 住宅街を逃ぐる猪追ふ巡査
175 スニーカー選ぶ煤逃げするために
176 葱煎餅ぽりぽり噛める歯が欲しい
177 北風と競うタスキを渡される
178 探し物ばかりのひと日冬籠
179 手袋でムーンウォーク喜寿傘寿
180 ひとりづつ回転扉から冬へ
181 落葉踏むだんだん過去が追ってくる
182 まだやれる冬至かぼちゃの金スープ
183 日記買う三日坊主になろうとも
184 枯蔓や東野圭吾の知り始め
185 やることは山ほどあれど日向ぼこ
186 赤蕪の塩味甘味を齧り切る
187 ガス抜きは強炭酸の冬至湯に
188 老いるとはベランダに引く干蒲団
189 湯冷めしてまだおわらない長電話
190 実千両年子の姉妹五十路なり
訂正
61 正オミクロン 誤オロナミン
175 正スニーカー 誤スニーカ
鴎座通信句会 は、ウイズコロナ時代の新しい句会のあり方として注目されています。昨年四月以降一年余りの開催の結果、新しく通信句会に参加される方などもあって予想以上の大きな成果が生まれています。今後も「 鴎座通信句会 」は独自の会として発展させて行きたいと思います。みなさんのご協力をよろしくお願いします。★締切は 毎月二十六日 です 。
ご注意!「コロナ」は病名でも感染症名でもありません。太陽の光冠のことです。