鴎座俳句会&松田ひろむの広場

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2022年06月01日
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テーマ: 楽しい俳句(373)
カテゴリ: 句会

26 回鴎座通信句会 選句結果のお知らせ



26 回鴎座通信句会は 40 200 でした。選句と講評は作者名を伏せて鴎座代表、編集長・副編集長・顧問などに依頼しました。また投句された方の互選(任意・5句選)も行いました。句番号はランダムに変換されたものです。結果は「鴎座」に発表するとともにFACEBOOKなどにも発表します。毎月開催(締切 24 日)。        鴎座俳句会 代表 松田ひろむ

〈第26回鴎座通信句会結果〉作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。
石口  榮(編集長)選
8 戦時と平時いづれも重し昭和の日
57降参するまで玉葱をみじん切り
特選133父の日のあたり前田のクラッカー/吉村きら
156箸使い慣れて給食一年生
176呟きをいくつ零してアマドコロ
182ソーダ水対角線に坐す二人
187後ろからまたクラクション夕薄暑
(選評)特選に133の「父の日」の句をいただいた。「てなもんや三度笠」から生まれた昭和の名ギャグ、「あたり前田のクラッカー」と季語を取り合わせただけであるが軽妙な一句。「俺がこんなに強いのも、当たり前」「歌が上手いのも当たり前」などと子供に自慢している父親の姿が目に浮かぶ。ユーモアたっぷりの家庭かも知れない。

57「降参するまで」の句。ウクライナ侵攻のロシア軍が正にそれである。季語の玉葱が効いている。
156「箸使い慣れ」の句。スプーンから箸に変わっての給食。たどたどしい仕種が何とも可愛らしい。
176「呟きを」の句。甘野老(アマドコロ)の花を「つぶやき」と見立てたところに共鳴。
182「ソーダ水」の句。コロナ禍での喫茶風景。マスクは勿論のこと、坐るにも対角線で感染予防対策。対角線で一句になった。
187「後ろから」の句。一読して煽り運転と解した。夕薄暑、つまり薄暮はもっとも事故が多い。句は作者の抗議の思いだろうか。

小髙沙羅(副編集長)選
28壇蜜と守宮来るものは拒まない
57降参するまで玉葱をみじん切り
70菖蒲湯の毬と遊んでいてひとり
特選112五月富士伏流水が歯に沁みる/宮沢子
121格子戸に昭和が潜む釣忍

167紫陽花の中を紫陽花電車来る
(選評)特選にいただいた112「五月富士」の句。雪も消えた五月の富士。初夏の大地に悠然とそびえている富士山。伏流水の冷たさを「歯に沁みる」と肉体感覚でとらえた秀句。
28壇蜜は俳句も作る。男性は歓迎するだろうが守宮も悪くない。仲間は多い方がいい。
57「降参するまで」の句。「みじん切り」はごく日常のことであるが、降参するまでが誇張なのか。あるいは夫婦のことなのかと想像が広がる。
70「菖蒲湯の」の句。子供のときの思い出として素直に受けとったが、「ひとり」で一人暮らしとなると切ないことになる。

133「父の日の」の句。一九六二年にヒットした藤田まことのCMを生かした句。それも父の思い出。
167「紫陽花の」の句。紫陽花と紫陽花と重ねて、その季節への共感。アジサイ電車の名のある箱根登山鉄道のこととすると分りやすい。

小平 湖(Ⅰ欄同人)選
特選8戦時と平時いづれも重し昭和の日/荒井類
11花しょうぶ未来新聞あれば読む
45最期まで君を看取るぞ柿の花
51初夏の別れおやゆびこゆびかな
57降参するまで玉葱をみじん切り
132燕来る幸せのかけらいただきぬ
180皆スマホいじっておりぬ蟇
(選評)特選の8「戦時と」の句。ロシアのウライナ侵攻から四ヶ月が過ぎたが解決の糸口が見つからない。日本でも七十七年前の戦争を知っている人は年々少なくなってきている。如何にして戦争を避けるかは平時から国同士が良い関係を築き、均衡を保つことができるかそこが難しい問題、いづれも重しである。改めて季語「昭和の日」を考えさせられる旬。
11「花しょうぶ」の句。未来がわかる新聞これもいいけれど、今は未来について解かってきた部分もあるものの、未来が分ると怖い面もある。一寸先は闇これがいいのかも知れない。
45「最期まで」の句。夫か妻か作者はこの状況を受け入れる覚悟を決めた。この強い決断と、優しさ立派だ。
51「初夏の」の句。おやゆぴこゆぴかなで別れの悲しさががらっと明るい句になった。その分作者は涙をこらえているのかも。
57「降参」の旬。残念ながら今年は玉葱が高値だ。玉葱のみじん切りは切り出したら一気に攻める。躊躇していたら負けだ。みじん切りは何を作るのか、日常を楽しんでいる様子が窺える。
132「燕来る」の句。燕は民家の軒に毎年巣を作ったりして何となく親しみがある。明るいニュースが少ないこの頃何事もプラス思考で燕に会うのも緑起がいいのだ。
130「皆スマホ」の句・これは電車の中でよく見る景だが、見慣れてはいてもあまりいい気持ちはしない。季語の蟇の取り合わせが効いている。

白石みずき(Ⅰ欄同人)選
11花しょうぶ未来新聞あれば読む
12春浅しまだある平和パンを焼く
45最期まで君を看取るぞ柿の花
129飛脚より遅い郵便待つ夏日
161住所録消す数増えて仏桑花
特選170スランプは黄色でしょうか麦の秋/増田萌子
183加齢ならやっぱり華麗よ豆の花
(選評)特選にいただいた170「スランプ」の句。そうハッキリ言われるとそう黄色だと納得してしまう勢いのある句。無駄な事は一切言っていないが麦の秋に気持が出ていてよく響いていて大胆な一句となっている。
11「花しょうぶ」の句。はい、あれば絶対読みたい。自分の未来をも想像して楽しそうで元気になれそうな句である。
12「春浅し」の句。なんだかんだと言っても日本は平和だ。パンを焼くなんて平和の象徴である。贅沢な事なのだ。それが日常的に出来る、日本人で良かった、としみじみ思わせてくれる句である。
45「最期まで」の句。いいなー、長年連れ添った夫婦だから言える言葉だと思う。柿の花の明るさがなお晩年を明るくしている。独り身としては羨ましい。
129「飛脚より」の句 。心からそう思う。最近の郵便事情は慣れていないせいか不便極まりない。出すタイミングも考えないと大幅に遅れてしまう。
161「住所録」の句。身に染みて良く分かる。現実に一人減り二人減りしている。だいたい年賀状で知ることが多い。仏桑花は仏という字を使っているが結構大きく華やかな花である。その対比も面白い。
183「加齢なる」の句。華麗と言われたら最高。せめて自分の中だけでもそう思いたいとこの句に出会って感じた。豆の花が女性の可愛らしさが残っているようでほっとする。

鈴木 砂紅(招待)選
5凌霄のいつから高所恐怖症
特選35 華氏451度薔薇すべて焼かれんと/後藤よしみ
57 降参するまで玉葱をみじん切り
59 祝傘寿守宮の足裏ぺたぺたと
60 父の日のいたるところに訂正印
74 国連憲章もっともっと浮いてこい
151 かきつばた妻より先に死ぬ決まり
(選評)特選に頂いた「華氏」の句。焚書という手段で地球が支配される姿を描いた映画「華氏451」を想起させ、薔薇が戦争で焼き尽くされる衝撃を描く。第三次世界大戦がすぐそこにある、という焦燥感に駆られる一句。
5 「凌霄」の句。凌霄を見上げると、天より花が散ってくるかと思うほど高い。作者の抱える恐怖症を花がやさしく受け止めた、と読んだ。
57 「降参」の句。切ったほうが降参の涙を流すのか、或いは玉葱が降参するのか。戦場に残された無残な遺体のイメージが重なって辛いが、詠まずにはいられない心情に共感。
59 「祝傘寿」の句。「傘」という字に潜む守宮の足裏のかたちの発見が俳諧味を醸す。傘寿が祝うほどの事か、という作者のひねくれ具合も愉しい。
60 「父の日」の句。人生には訂正印が必要だが、特に父という存在には沢山押してあげたくなる。父と訂正印の取り合わせの妙。
74 「国連憲章」の句。憲章の第1章には【国際の平和及び安全を維持すること】とあるが、その実現は遠い。ちっぽけな玩具に託した怒り。
151 「かきつばた」の句。在原業平が詠んだ「かきつばた」からの連想。妻より長生きはしたくないという夫の悲哀と我儘の詰まった一句。

松田ひろむ(代表)選
準特選12春浅しまだある平和パンを焼く/鈴木ひろ子
40わが町にちっぽけな富士桜の実
57降参するまで玉葱をみじん切り
67二時間に一本のバス花茨
69叱られて冷し中華の迷い箸
132燕来る幸せのかけらいただきぬ
準特選156箸使い慣れて給食一年生/安原南海子
166五月晴ピッコロ歌う会場へ
167紫陽花の中を紫陽花電車来る
特選191つづらごのドとミの間走り梅雨/増田萌子
197てきばきとイナダを捌く氷見生れ
(選評)特選にいただいた19「つづらごの」の句。「つづらご」とは東北方言で帯状疱疹のこと。由来はヒヨドリジョウゴ(つづらご)の実のなり方が帯状疱疹に似ていることから。ドとミの間はレだが、その違和感は、帯状疱疹にも走り梅雨にも共通している。
準特選にいただいた12「春浅し」の句。「まだある平和」の句。ロシアのウクライナ侵略でにわかに平和が密接なものに。確かに「まだある」である。パンを焼くで実感の句となった。
同じく準特選の156「箸使い慣れて」の句。なんといっても「給食一年生」の省略が清々しい。背景に一年生の声が聞こえてくるよう。
40「わが町に」の句。富士講のそれだろう。もしかして銀座もあるかも。しかし桜の実で地方の姿が見えてきた。
57「降参するまで」の句。降参は出来ないウクライナの闘い。かつてのベトナムの戦いにも思いは重なる。
67「二時間に」の句。過疎の地方か。しかし作者は俳句のためなら、どこにでも出かけると読める。花茨に誘われたのだろうか。
69「叱られて」の句。迷い箸は副食のためらいだが、句は「冷し中華」の具。それが新鮮である。
132「燕来る」の句。たしかにツバメは「幸せのかけら」の実感である。心弾む句。
166「五月晴」の句。子供の音楽会だろうか。「ピッコロ歌う」がいかにも明るい。
167「紫陽花の」の句。紫陽花を重ねてリフレインの効果で一句。
197「てきばきと」の句。元気な女性の姿だろうか「氷見生れ」に共感。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
1位57 降参するまで玉葱をみじん切り 6 吉村きら
2位10 老鶯の音痴病妻を笑わす 5 金丸菜斗
2位130忖度とフェイクの隙間雨蛙 5 木野俊子
4位11 花しょうぶ未来新聞あれば読む 4 小髙沙羅
4位28 壇蜜と守宮来るものは拒まない4 松田ひろむ
4位60 父の日のいたるところに訂正印 4 吉村きら
4位74 国連憲章もっともっと浮いてこい4 木野俊子
8位8 戦時と平時いづれも重し昭和の日3荒井類
8位12 春浅しまだある平和パンを焼く3鈴木ひろ子
8位39カーネーション母の未来にいた私 3吉村きら
8位59 祝傘寿守宮の足裏ぺたぺたと3信岡さすけ
8位64菜園にショベル残して梅雨に入る3白石みずき
8位69叱られて冷し中華の迷い箸3望月のぞみ
8位133父の日のあたり前田のクラッカー 3吉村きら
8位143非正規の三十年を草いきれ3木野俊子
8位167紫陽花の中を紫陽花電車来る3岡崎久子
8位173和平と平和どくだみは好きな花3小平 湖
8位184餡蜜のあんを掬って過去は過去3石口りんご
8位193老鶯や昨日は出来て今日は無理3中村ふみ

(第26回全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1地元力士の勝越し決まり青嵐 0 安原南海子
2芍薬の爆発寸前の笑顔 2 吉村きら
3滝しぶき文学館に虹かかり 0 福島芳子
4五月場所笑顔愛らし隆の勝 0 津田文江
5凌霄のいつから高所恐怖症 2 石口 榮
6姫女苑主失くして道端に 1 石黒宏志
7半夏生木の香を放つ木の仏 1 岡崎久子
8戦時と平時いづれも重し昭和の日 3 荒井 類
9古書店の句友の句集夏立つ日 1 高良和子
10老鶯の音痴病妻を笑わす 5 金丸菜斗
11花しょうぶ未来新聞あれば読む 4 小髙沙羅
12春浅しまだある平和パンを焼く 3 鈴木ひろ子
13退屈は贅沢あじさいが青い 1 小髙沙羅
14子育ては順調らしい金魚玉 2 国井 梢
15森五月癌とのくらしさて措いて 0 鈴木ひろ子
16夕立や非常階段赤きビル 0 高矢実來
17立行司物言い多し五月場所 0 津田文江
18ビー玉に世界の縮図夏来る 2 磯部薫子
19折鶴の叫喚聞こゆ走り梅雨 0 後藤よしみ
20キャタピラーの跡を鍬ふる麦畑 0 鈴木ひろ子
21鉄の雨降るキキキキと夏燕 0 後藤よしみ
22杜若平和になれと祈ります 0 渡辺すみれ
23お互いにいいことだけど蚊帳惜しむ0 国井 梢
24いくつある母の集めた夏茶碗 0 渡辺すみれ
25つづらごのなにが足りない麦の秋 0    増田萌子
26マスクマスク茶摘娘に群がりて 0 安藤利亮
27半世紀ぶりの古書の香初夏の街 0 高良和子
28壇蜜と守宮来るものは拒まない 3 松田ひろむ
29エゴの花核戦争が粛々くる 0 翠 雲母
30たてがみの白馬と流れ青嵐 0 望月のぞみ
31薫風や好きなことして幸齢者 1 近田吉幸
32鴫焼や写真の母に笑われる 0 鈴木砂紅
33胡瓜生る七十代の自画自賛 0 国井 梢
34蚕豆焼く煙が撫でてゆくカウンター1 金丸菜斗
35華氏451度薔薇すべて焼かれんと1 後藤よしみ
36正代はまた角番か走り梅雨 0 石口りんご
37腰痛を撫でて摩って立葵 1 行成佳代子
38曾ばあちゃんになった日からの柿若葉1 安原南海子
39カーネーション母の未来にいた私 3 吉村きら
40わが町にちっぽけな富士桜の実 1 鈴木砂紅
41庭先の小梅に母と田舎漬 0 古川和美
42田貫湖にひびく親子のテント泊 0 渡辺すみれ
43ジューンドロップ青春は一瞬に 0 松田ひろむ
44軽トラへ古き仏壇柿の花 0 安藤利亮
45最期まで君を看取るぞ柿の花 2 翠 雲母
46唯に恋うきつね忠信初音の鼓 0 郡楽清子
47新緑の色見つからずウクライナ 0 石口りんご
48一言で分かる人柄ソーダ水 2 小髙沙羅
49澤瀉屋の五変化(へんげ)凝視夏芝居0 荒井 類
50煌めける今朝の雨滴や青葉風 0 近田吉幸
51初夏の別れおやゆびこゆびかな 1 鈴木砂紅
52八十路にも迷いの角や夏柳 0 金丸菜斗
53古書店の平台に父と子五月風 0 高良和子
54花水木花冠のごとし松屋通り 0 郡楽清子
55こんどこそ減らした筈が更衣 0 石口りんご
56風薫る手櫛の妻は三角点 0 安藤利亮
57降参するまで玉葱をみじん切り 6 吉村きら
58ヤマボウシ縄文の白とつぶやきぬ 0 郡楽清子
59祝傘寿守宮の足裏ぺたぺたと 3 信岡さすけ
60父の日のいたるところに訂正印 4 吉村きら
61詐欺メール背中の汗のすでに冷え 0 安藤利亮
62菜の花やパスタランチで赤ワイン 0 津田文江
63何時だって後で気が付く野萱草 2 国井 梢
64菜園にショベル残して梅雨に入る 3 白石みずき
65鯉幟金の卵と言われしが 1 信岡さすけ
66青梅を丸ごと包む求肥かな 1 斎藤 藍
67二時間に一本のバス花茨 1 川崎果連
68菩提寺の写楽の墓を若葉風 0 行成佳代子
69叱られて冷し中華の迷い箸 3 望月のぞみ
70菖蒲湯の毬と遊んでいてひとり 1 古川和美
71寝太郎の植えた茄子苗よく育つ 2 鈴木砂紅
72初蝶に感染経路秘めしまま 0 白石みずき
73風のきて銀の鈴ふる樹氷帯 0 鈴木ひろ子
74国連憲章もっともっと浮いてこい 4 木野俊子
75昼顔のいつもの坂をハーハーと 0 古川塔子
76聖五月世界の難民一億と 1 斎藤 藍
77復帰五十年治外法権そのままに 0 金丸菜斗
78薔薇だけに云へる秘密の話なの 1 百目鬼英明
79緑雨かな白いタオルに身を包み 0 鈴木砂紅
80すこし愛して大原麗子と冷し酒 2 松田ひろむ
81バイオリンのしずかなる弦薔薇散れり0 後藤よしみ
82静岡の深蒸新茶まろやかに 1 斎藤 藍
83多国籍コクリコ雛罌粟アマポーラ 0 行成佳代子
84ひと雨ごとに季節進むや黐躑     0荒井 類
85コンタクト外してみても金魚鉢 1 望月のぞみ
86メイクして性格変える別れ霜 1 翠 雲母
87木漏れびや楓若葉の透きとおる 0 岩渕純子
88マネキンの真白き素肌更衣 2 岡崎久子
89豆ごはん照れくさいから怒っちゃお1 小平 湖
90紅色に日に染まりゆくブラシかな 0 福島芳子
91達磨さんが転んだ日の天瓜粉 1 百目鬼英明
92街を行く朝の登校生風涼し 0 福島芳子
93今年竹日ごとに上下の色変わる 0 古川和美
94夏めくや愛犬ロンの樹木葬 1 高橋透水
95葉ざくらや千鳥ヶ淵はだれを待つ 0 安原南海子
96  (取消)
97母の日のワンオペ料理もそれなりに0 行成佳代子
98バイデンさん来る十薬花盛り 0 小平 湖
99十薬やゴミ出しあとの立ち話 1 白石みずき
100梅雨茸の自称なれども佐分利信 1 松田ひろむ
101繭の中からからからと玉手箱 0 中村ふみ
102悪いインフレ良いインフレと走り梅雨1松田ひろむ
103薔薇園で迷える少女アリスかも 0 磯部薫子
104竹皮を脱ぐ皮のひかりの裏表 0 金丸菜斗
105水盗む石を蹴ってもいいですか 0 石口 榮
106紫陽花忌耳門を閉じる音がした 0 近田吉幸
107燕子花女らしさを忘れては 0 古川塔子
108わがことと思えぬが痛みはや夏に 0 高良和子
109黄揚羽の揺らめきの先マリウポリ 0 高矢実來
110緋目高の昨日も今日も稚魚増えて 0 福島芳子
111お吉さん黒船祭を何と聞く 0 石黒宏志
112五月富士伏流水が歯に沁みる 1 宮 沢子
113夏きざす漁師の宿のなめろうと 0 斎藤 藍
114就任の春半世紀前の駅 0 古川和美
115梅雨寒や二冊続けて原田マハ 1 宮 沢子
116万緑や予約の券はありますか 0 小髙沙羅
117練切の紫陽花を盛る志賀の皿 0 斎藤 藍
118入梅や手を貸しすぎる親不孝 2 川崎果連
119十薬や団地に残る焼却炉 2 高矢実來
120ブラックホール蓮のアンテナ太古より1信岡さすけ
121格子戸に昭和が潜む釣忍 2 岡崎久子
122短夜や小言ばかりの夫の夢 1 高矢実來
123夏みかん十五歳の君の写真 1 木野俊子
124ジャム煮る匂いパン焼く匂い平和だなあ1鈴木ひろ子
125憲法記念日家並(やなみ)は国旗かかげざる 0荒井類
126万緑にピッコロの「となりのトトロ」0渡辺すみれ
127麦の秋鳥のイチャイチャばかりかな0 高橋透水
128自分の名好きも嫌いも蛇苺 0 川崎果連
129飛脚より遅い郵便待つ夏日 2 高良和子
130忖度とフェイクの隙間雨蛙 5 木野俊子
131シャワー浴ぶ他人のごとき手足して1 高 橋透水
132燕来る幸せのかけらいただきぬ 2 郡楽清子
133父の日のあたり前田のクラッカー 3 吉村きら
134新じゃがの青い毒など不整脈 0 古川塔子
135ドクダミの白十文字戦渦まだ 0 磯部薫子
136緑陰の終活談義金欲しや 1 高橋透水
137来るものはこばまずでもね蚊はいやだ1 中村ふみ
138西日さす伯父の胸像飛行服 0 高矢実來
139母居ません茄子漬のあの色出ない 0 石口りんご
140時計草つながっていて知らんふり 2 増田萌子
141炒飯にたっぷり混ぜる大夕焼 2 石口 榮
142諏訪の湖伊藤千代子の一位咲く 0 信岡さすけ
143非正規の三十年を草いきれ 3 木野俊子
144雲の峰まさかが起こる世となりぬ 0 百目鬼英明
145春風やきときと鯵と従妹来る 0 津田文江
146逃げ水を追わず踵を翻す 0 磯部薫子
147柿若葉アイヌの古式舞踊団 0 木野俊子
148風鈴やウクライナの風溜めて鳴る 1 翠 雲母
149小手毬の記憶の先の比翼塚   0 宮 沢子
150ネモフィラの丘辺よ空よ風薫る 0 岩渕純子
151かきつばた妻より先に死ぬ決まり 2 高橋透水
152一日は一生のよう草萌える 0 小髙沙羅
153時々は充電だいじ柏餅 1 安原南海子
154焼き鮑踊る姿は限界値 0 望月のぞみ
155生協の不在通知や五月便 0 古川和美
156箸使い慣れて給食一年生 2 安原南海子
157あじさい映え一番星はどこに出る 0 福島芳子
158白ばらや素肌の匂ふ銀座の夜 1 百目鬼英明
159血の薄くなる齢になり冷酒好き 0 中村ふみ
160万緑の中の彩り山ガール 0 安藤利亮
161住所録消す数増えて仏桑花 2 中村ふみ
162芍薬や煩悩の数多すぎて 1 石黒宏志
163人類を地球は許さず夾竹桃 0 近田吉幸
164牡丹散り美しきまぼろし残りけり 0 岩渕純子
165桜桃忌人はいたって主観的 1 国井 梢
166五月晴ピッコロ歌う会場へ 1 渡辺すみれ
167紫陽花の中を紫陽花電車来る 3 岡崎久子
168あの時のあの一言が夕蛍 1 白石みずき
169だうされた天井の蛇落ちにけり 0 百目鬼英明
170スランプは黄色でしょうか麦の秋 1 増田萌子
171追伸につづく卯の花腐しかな 1 石口 榮
172梅を干す天気予報を諳(そら)んじて0望月のぞみ
173和平と平和どくだみは好きな花 3 小平 湖
174ビールにも上層部ありグイと飲む 0 川崎果連
175一合の酒の肴は初鰹 1 石黒宏志
176呟きをいくつ零してアマドコロ 1 行成佳代子
177薔薇垣のブラックホールへ手を入るる1後藤よしみ
178軽暖やバランスボールに嫌われて 0 宮 沢子
179竹皮を脱ぐ少年の変声期 1 石口 榮
180皆スマホいじっておりぬ蟇 1 近田吉幸
181五月の香五月の風も疫病(えやみ)の世0古川塔子
182ソーダ水対角線に坐す二人 2 白石みずき
183加齢ならやっぱり華麗よ豆の花 1 古川塔子
184餡蜜のあんを掬って過去は過去 3 石口りんご
185多佳子忌の足踏みミシン転がして 0 小平 湖
186夜濯ぎの椰子のザンバラけたたまし0 磯部薫子
187後ろからまたクラクション夕薄暑 1 川崎果連
188菜種梅雨何処にも行けぬ旅鞄 1 岡崎久子
189梔子をやはり掠ってダンプカー 0 小平 湖
190ジャスミンの香りのなかで眠りたし0 岩渕純子
191つづらごのドとミの間走り梅雨 1 増田萌子
192待ち望む和平への道聖五月 0 岩渕純子
193老鶯や昨日は出来て今日は無理 3 中村ふみ
194白玉の掬いそこねて蝶の昼 1 増田萌子
195夏燕天変地異をものともせず 0 翠 雲母
196頭上かすめ影さえ見えずつばくらめ 0 郡楽清子
197てきばきとイナダを捌く氷見生れ 1 津田文江
198夏は来ぬ空也の背(せな)の活き活きと0 荒井 類
199蛍袋キラキラネーム呼ばれゆく 0 信岡さすけ
200たっぷりと黄色と白の柿若葉 0 石黒宏志
訂正34正=撫でゆく 誤=撫でてゆく 
(第27回鴎座通信句会)投句締切=6月24日。5句まで。参加費500円。その他要綱は従来通り。
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