鴎座俳句会&松田ひろむの広場

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2022年11月01日
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テーマ: 現代俳句(52)
カテゴリ: 句会

31 回鴎座通信句会 選句結果のお知らせ



31 回鴎座通信句会は 39 195 名でした。選句と講評は作者名を伏せて鴎座代表、同人会長・編集長・副編集長・Ⅰ欄同人などに依頼しました。また投句された方の互選(任意・5句選)も行いました。句番号はランダムに変換されたものです。結果は「鴎座」に発表するとともにFACEBOOKなどにも発表します。毎月開催(締切 24 日)。 鴎座俳句会 代表 松田ひろむ


〈第31回鴎座通信句会結果〉作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。
石口  榮(編集長)選
46はみ出すのが好きな絵てがみ秋桜
49星月夜電話してもいいですか
特選74千円でお釣りがあって新秋刀魚/松田ひろむ
77お湯を足すだけのお汁粉文化の日
86駄句とても思い出日記竹の春
133百目柿今日は雨戸が開いている
182山ぶどうあの日あの時あのジュース

46「はみ出すのが」の句。葉書一杯に書き過ぎてはみ出す絵。それも元気の証拠。
49「星月夜」の句。都会で星月夜はなかなか見られない。旅先での星月夜だろうか。ふと彼(彼女)が恋しくなり出た言葉。言い得て妙である。
77「お湯を足す」の句。何もかも便利になった現代社会。しかし、それ以上のことを求めるのも人間である。文化の日ならではの句。
86「駄句とても」の句。俳句は日記変りと言われるが行った先々、あるいはその日の出来事を詠んだ句は残したいもの。「駄句」は謙遜であろう。竹の春が作者を優しく包む。
133「百目柿」の句。恐らく一人暮らしか、高齢者が住んでいるのであろう。雨戸が開いているか否かで安否が分かる。住人を気遣う心に惹かれた。季語の百目柿が効いている。
182「山ぶどう」の句。動詞が無く省略の効いた句である。「あの」の三連続、テンポも良く「あ」の韻を踏んでいることも良い。

小髙沙羅(同人会長)選
10秋の陽のこの寂しさを持て余し
24「絆」から鷗飛び立つゆうゆうと
46はみ出すのが好きな絵てがみ秋桜
66二度咲きの金木犀の未練かな

特選136人生に追試があれば帰り花/高橋透水
190どんぐりや先頭代わる縄電車
(選評)特選にいただいた136「人生に」の句。人生はいくつになってもこれで良いということはない。追試があれば、また一年生からやり直せるとつくづく思う。共鳴の一句。
10「秋の陽の」の句。「この寂しさ」は言い過ぎかも知れないが、作者の思いに共感。
24「「絆」から」の句。鷗座の合同句集への挨拶句として秀句。

66「二度咲きの」の句。下五の「未練かな」に籠められた作者の思いに惹かれた。金木犀の香りがたっぷり。
121「コキアコキア」の句。三里には足三里と手三里があるが、コキアコキアで、ひたち海浜公園が想像される。つまりは足三里で、なんといっても「三里のつぼ」が効いている。
190「どんぐりや」の句。縄電車の句はあちこちの句会でよく目にするが「先頭代わる」が新鮮で、それが戦場にも政治にも学校にも通じる。いろいろ想像が膨らむ。団栗は子供の姿でもある。


後藤よしみ(副編集長)選
特選16カミソリの撫でゆく喉や秋の雷/高橋透水
35 部屋部屋に秋の日ざしのすき透り
85 笑点をながら聞きたる秋の夜
114 紅葉を受けてポストの口湿る
116 コスモスは風音きゅっと抱いている
158 雨だれの秒針のごと賢治の忌
159 鉛筆の尖ってばかり秋桜
(選評)特選の16「カミソリの」の句。斎藤茂吉の〈めんどりら砂浴び居たれひっそりと剃刀研人は過ぎにいきけり〉の静謐さとは逆の秋の雷が句を締めている。
35「部屋部屋に」の句。秋の日の透明さと静けさのハーモニーが心地良い。
85「笑点を」の句。「笑点」は昭和から続く長寿番組。最近円楽が亡くなり、後任選びが落ち着けば笑いも復活する。
114「紅葉を」の句。赤いポストと紅葉の連続性が楽しい。ポストは句材に多く用いられるが掲句は新しい視点。
116「コスモスは」の句。擬人化し、風音を抱きしめるという措辞が斬新である。
158「雨だれの」の句。秋雨の繊細さが秒針に例えられ、さらに賢治忌で北国の情景を浮かび上がらせてくれる。
159「鉛筆の」の句。コロナ下、世情の世知辛さに人の心もささくれてくる。それと対照的なコスモスの姿。

小平 湖(Ⅰ欄同人)選
28米寿まだ若いつもりや十三夜
44何匹の羊をかぞえ隼人瓜    
66二度咲きの金木犀の未練かな
116コスモスは風音きゅっと抱いている
120リハビリの未来明るき鰯雲
特選121コキアコキア三里のつぼがほぐれゆく/増田萌子
184天高し合同句集の名は絆
(選評)特選にいただいた121「コキア」の句。コキアは和名 「ほうき草」草丈はIメートル弱ほどで秋には真っ赤な紅葉がみられる。三里のっぽは灸点のひとつ膝頭の少し下のくぽんだところ、ここに灸をすると健脚になり万病に効くという。おかげで体調を取り戻した作者・コキアコキアのリフレインと三里のっぽの取合せが新鮮。
28「米寿また」の句。米寿は八十八歳末広がりで誠にめでたい、まだ若いつもりその心意気に惹かれる。十三夜が叙情的である。
44「何匹の」の句。焦れば焦るほど眠れない切なさ、季語の隼人瓜の三枚目的要素が効いている。
66「二度咲きの」の句。未練がましいと言われようが何度でも咲いて欲しい。あの芳しい香りに誘われて町内一周もいいものだ。
116「コスモスは」の句。風音を「ぎゅと」ではなく「きゅっと」抱いている、この少しの表現の違いで初々しく感じた。
120「リハビリの」の句。未来明るきなんて言われるとなぜかうれしい。医学もリハビリも明るい未来を信じたい。
184「天高し」の句。発行されたばかりの鴎座創刊二十周年合同句集「絆」は参加者全員の熱意の伝わる自慢の句集になった。

白石みずき(Ⅰ欄同人)選
38乱気流ベルト押さえて秋そぞろ
46はみ出すのが好きな絵てがみ秋桜
特選106レモン青し二世信者に自由欲し/木野俊子
127一筋肉二三筋肉秋うらら
128錦秋のこの木なんの木気になる木
186ポケットの木の実ころころ靴の泥
190どんぐりや先頭代わる縄電車
(選評)特選にいただいた106「レモン青し」の句。句は直接的で言い過ぎかも知れないが旧統一教会のやり方にはうんざりしているので思わずいただいてしまった。本当に二世信者が犠牲にならないように願っている。
38「乱気流」の句。飛行機の乱気流は一度だけ経験したがもうこの世の終わりかと思った。夢中で椅子に掴まり踏ん張る他なかった。窓の外は気持ちのいい秋の雲。そんなところではないのである。
46「はみだすのが」の句。絵てがみは不思議なもので上手でない方が面白い。ましてやコスモスが大胆にはみ出てたら、どこまで咲いているんだろうと想像してしまう。絵に広がりが出て楽しい。
127「一筋肉」の句。その通り。筋肉さえしっかりついていれば転ばず元気で長生き出来るのだ。筋肉は努力さえすれば蘇るらしい。まさに秋うららである。
128「錦秋の」の句。日立のコマーシャルソングの「この木何の木」を下敷きにしているものの。錦秋で楽しい一句となった。
186「ポケットの」の句。一読しただけで幼子の姿が見えてくる。わが家にも四歳の男の子がいる。まったくこの句の通りである。このごろ靴の汚れがひどくて、とママの呟き。
190「どんぐりや」の句。子供ってままごとをやればお母さんに、電車ごっこをやれば運転手に一番偉い人に憧れをもっている。縄電車も同じくなのだ。縄電車の先頭になった子の誇らしい顔が見えるようだ。季語どんぐりで林の景が見えてくる。 

鈴木 砂紅(招待)選
9 ここよりは虚数の世界大花野
17夜仕事や星の流るる音したか
33朴落葉ムーミン谷の道しるべ
59出奔のカフカを探す秋の暮
121コキアコキア三里のつぼがほぐれゆく
特選123秋深しサンドバッグを抱きしめる/川崎果連
161ほどほどの色欲熟柿ありがたく  
(選評)特選に頂いた「秋深し」の句。サンドバッグを思い切り叩いた後の抱擁はいかにもありそうな光景。サンドバッグは他者、例えば家族や友人の比喩とも思える。怒りや悲しみの拳を受容してくれる物(者)への感謝に満ちた句。
9 「ここよりは」の句。虚数とは数学的には難解な言葉だが、実数ではない数字として読んだ。見えてくるのは大花野の実体感のない美しさ。
17「夜仕事」の句。夜の街の明るさと、夜仕事に従事する膨大な人間の数。その中で流れ星の音を捉えようとする詩人の感性が光る。
33「朴落葉」の句。無骨な朴落葉がムーミンの姿に重なる。日本と北欧を繋ぐ童話の世界が愉しい。
59「出奔」の句。小説を読むほどにその迷宮に嵌り込んでしまうカフカ。日本的情緒に満ちた秋の暮とカフカの取合せが新鮮。
121「コキア」の句。まっ赤なコキアの群生を見た時の、体がほぐれていく感覚を素直に詠んだ。コキアのリフレインが骨の音の様で可笑しい。
161「ほどほど」の句。色欲は食欲に通じ、熟柿は熟女に転化する。つい誤読したくなる有難さに溢れた一句。

松田ひろむ(代表)選
11銀杏散るブルーの車走らせ渡辺すみれ
25大きめのトートバッグを霧の旅斎藤 藍
39秋桜ばたけBGMは百恵ちゃん神田千風
58ああ背がまた縮みたり麒麟草津田文江
83風くるたびに強くなるらし秋桜鈴木ひろ子
特選90メメントモリ朝顔の種手に余る/高矢実來
準特選121コキアコキア三里のつぼがほぐれゆく/増田萌子
123秋深しサンドバッグを抱きしめる2川崎果連
準特選133百目柿今日は雨戸が開いている/鈴木砂紅
156大太鼓小太鼓みんな運動会 1小平 湖
178鰯雲夫婦元気で今日も留守 2小髙沙羅
(選評)特選にいただいた90「メメントモリ」の句。メメント・モリ(memento mori)はラテン語で「死を忘るな」という意味の警句。芸術のモチーフとして広く使われる。それはまた「今を楽しめ」でもある。句は命の犇めきの朝顔の種を手に生きる意味を考えている。
準特選121「コキアコキア」の句。ひたち海浜公園であろうか。やはり「三里のつぼ」に焦点をあわせたところが手柄。芭蕉の「おくのほそ道」にも「三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて」とある。
同じく準特選133「百目柿」の句。いつもは閉まっている雨戸が開いている。柿の成っている明るい空がそうさせたのか。原因を書かずに結果を提示して読者の想像がふくらむ。
11「銀杏散る」の句。青い車と銀杏の黄色。色彩がいかにも明るく軽快な一句となった。
25「大きめの」の句。旅の弾む思い。それが大きめのトートバッグ。霧が情感を高める。
39「秋桜ばたけ」の句。「百恵ちゃん」という砕けた表現が親しみを感じさせる。ただ「秋桜ばたけ」は「コスモス畑」の表記がいいさろう。
58「ああ背がまた」の句。実感の句だが「ああ」といって独自感が出た。麒麟草は黄色い花。キリンの名があるが背は高くない。
8「3風くるたびに」の句。風雪に耐えての前向きな姿勢に共感。
123「秋深し」の句。サンドバッグは叩くものだが、ときには抱きしめたくなることも。それが秋の情感である。
156「大太鼓小太鼓」の句。いかにも運動会らしい句で音が聞こえてくることが楽しい。
178「鰯雲」の句。「亭主元気で留守がいい」というキンチョウのCMを下敷きにした句。こちらは夫婦で元気。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
一位77 お湯を足すだけのお汁粉文化の日 ⑦ 白石みずき
一位121コキアコキア三里のつぼがほぐれゆく ⑦ 増田 萌子
三位161ほどほどの色欲熟柿ありがたく ⑥ 松田ひろむ
四位9 ここよりは虚数の世界大花野     ⑤ 高橋 透水
四位16 カミソリの撫でゆく喉や秋の雷     ⑤ 高橋 透水
四位133百目柿今日は雨戸が開いている ⑤ 鈴木 砂紅
四位136人生に追試があれば帰り花     ⑤ 高橋 透水
八位34 コスモスの揺れが止まった核脅し ④ 翠  雲母
八位46 はみ出すのが好きな絵てがみ秋桜 ④ 安原南海子
八位90 メメントモリ朝顔の種手に余る     ④ 高矢 実來
八位131桃の皮するりと剥けて倦怠期     ④ 吉村 きら
十二位74千円でお釣りがあって新秋刀魚 ③ 松田ひろむ
十二位116コスモスは風音きゅっと抱いている③ 福島 芳子
十二位190どんぐりや先頭代わる縄電車 ③ 安藤 利亮

(第31全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1胃カメラ合格雀蛤と化す     0 木野俊子
2穴惑いここもロボットレストラン 2 高矢実來
3どこでより誰とが決め手紅葉狩 2 吉村きら
4おかえりなさい見てコキアが真っ赤よ2 高矢実來
5聴診器当てぬドクター柳散る 0 松田ひろむ
6「お得です」と右往左往のましら酒 0 行成佳代子
7蛇穴にトラス首相の退任劇 0 石口 榮
8新道(バイパス)に添水の音は響かざり0 石黒宏志
9ここよりは虚数の世界大花野 5 高橋透水
10秋の陽のこの寂しさを持て余し 2 飯島 智
11銀杏散るブルーの車走らせて 2 渡辺すみれ
12紅葉かつ散る芥とは呼ばせない 0 鈴木砂紅
13白式部老女は少しはにかみて 1 国井 梢
14トリックの種を明かせばねこじゃらし1 百目鬼英明
15Z世代映える主役の秋の空 0 神田千風
16カミソリの撫でゆく喉や秋の雷 5 高橋透水
17夜仕事や星の流るる音したか 1 磯部薫子
18葱畑のシャベルも憩う午後三時 0 鈴木ひろ子
19煮る前の硬いかぼちゃや初対面 0 吉村きら
20老いるまで育ちに感謝敬老日 0 高良和子
21まだ若いつもり渋谷のハロウイーン0 小髙沙羅
22再会の笑顔のこだま秋天に 1 岡崎久子
23天高し車夫の背筋隆々と 1 磯部薫子
24「絆」から鷗飛び立つゆうゆうと 2 古川和美
25大きめのトートバッグを霧の旅 1 斎藤 藍
26小路抜けジンジャーの香をふりかぶる1 福島芳子
27いつの間にポケットに穴姫胡桃 0 石口りんご
28米寿まだ若いつもりや十三夜 2 宮 沢子
29抽斗の釦光れり十三夜 1 後藤よしみ
30螻蛄鳴くや八百屋お茶屋にワタミ去り 0行成佳代子
31老犬に言葉をかけて夜長し 0 望月のぞみ
32青天井見えず刈田の潦 0 鈴木砂紅
33朴落葉ムーミン谷の道しるべ 2 宮 沢子
34コスモスの揺れが止まった核脅し 4 翠 雲母
35部屋部屋に秋の日ざしのすき透り 1 飯島 智
36鳩時計出番忘れず星月夜 1 望月のぞみ
37秋の蛇塒(とぐろ)を巻いて野糞めく0 荒井 類
38乱気流にベルト押えて秋そぞろ 1 行成佳代子
39秋桜ばたけBGMは百恵ちゃん 1 神田千風
40安倍さんの黒い遺産や曼珠沙華 1 翠 雲母
41長き夜やショパン奏でる子守唄 1 津田文江
42天高し老朽ビルの目地に皹 0 安藤利亮
43秋刀魚焼く春夫の歌を口遊み 0 石口 榮
44何匹の羊をかぞえ隼人瓜     1 古川塔子
45老魔女の赤いマニキュア薬掘る 0 川崎果連
46はみ出すのが好きな絵てがみ秋桜 4 安原南海子
47木犀の香りあふるるよき日かな 0 郡楽清子
48鯖雲や放置自転車積み上がり 1 安藤利亮
49星月夜電話をしてもいいですか 2 小髙沙羅
50戒名に闘魂入れて赤い羽根 0 神田千風
51猪に出会いたくなし郷の夜 0 岩渕純子
52コスモスや寺の息子のジャズ木魚 1 荒井 類
53ドラゴンドラ全山紅葉死角なく 0 近田吉幸
54背が縮むから背高泡立草 1 鈴木砂紅
55便箋に透けて挟まる薄紅葉 0 石黒宏志
56豆弾いてクロワッサンの秋の朝 0 飯島 智
57故郷の松茸とあう奥の松 0 渡辺すみれ
58ああ背がまた縮みたり麒麟草 1 津田文江
59出奔のカフカを探す秋の暮 2 後藤よしみ
60秋晴に寒けのありて氷川さま 0 斎藤 藍
61初もみじこのおにぎりが日本一 2 小髙沙羅
62新米と小茄子漬け脳整いし 0 郡楽清子
63鍵穴の穴の行方や初時雨  2 宮 沢子
64弾もうよ紅葉且つ散りタランテラ 0 磯部薫子
65うなじへと熱きシャワーを秋の朝 0 飯島 智
66二度咲きの金木犀の未練かな 2 高良和子
67一年中傘をバッグに鰯雲 0 石口りんご
68はぜの天ぷら婆様の昔ばなし 0 木野俊子
69那須山の風の手ざわり手と足に 0 岡崎久子
70緑黄色社会の歌や小鳥来る 0 荒井 類
71いい風とひとり呟く素秋かな 0 白石みずき
72大花野恋の小道具使い切る 1 高橋透水
73To be or not to be同胞の秋黴雨 0 後藤よしみ
74千円でお釣りがあって新秋刀魚 3 松田ひろむ
75冬に入る塩が水気を吸い込んで 1 石口 榮
76妻恋の追慕の詩(うた)や藤袴 0 翠 雲母
77お湯を足すだけのお汁粉文化の日 7 白石みずき
78故里の一報重し雁渡る 0 行成佳代子
79微笑みの能面怪し秋の宿  1 岩渕純子
80二度三度値踏みしてます秋の古書店0 翠 雲母
81鳩吹くや日の斑ちらばる森のなか 0 鈴木ひろ子
82襟足に男の色香ハロウイン 0 国井 梢
83風くるたびに強くなるらし秋桜 1 鈴木ひろ子
84今もなほ戦火の記憶吾亦紅 1 斎藤 藍
85笑点をながら聞きたる秋の夜 1 岩渕純子
86駄句とても思い出日記竹の春 1 白石みずき
87リズムよくこの漕ぐ坂や秋高し 0 国井 梢
88紅楓ふたり並んでほんのりと 0 渡辺すみれ
89ネパールの記憶は消えて霧厚み 0 松田ひろむ
90メメントモリ朝顔の種手に余る 4 高矢実來
91秋の田をパッチワークの宇宙へと 0 石黒宏志
92蜻蛉生る公園響く水の音 0 福島芳子
93爽風をかくし味にときりたんぽ 0 安原南海子
94母の声色なき風の命日に 0 渡辺すみれ
95抽象と具象のはざま蚯蚓鳴く 0 古川塔子
96告白します鳳仙花飛んだので 1 石口りんご
97梵鐘の余韻の渡る夕花野 1 岩渕純子
98椿の実一枝の先の紅ほのか 1 郡楽清子
99和顔施(わげんせ)のほとほと今の秋刀魚の値1松田ひろむ
100紅葉かつ散る平凡という非凡 1 白石みずき
101秋明菊女はきだす吐露一つ 0 国井 梢
102秋茜ガンジー像の無精髭 1 近田吉幸
103秋夜長一句一句に感性が 0 古川和美
104森騒然ピースピースと小鳥たち 0 鈴木ひろ子
105水澄むや行政書類粛々と 0 高矢実來
106レモン青し二世信者に自由欲し 2 木野俊子
107戦争がどこにもなくて赤のまま 1 小平 湖
108一徹の自然薯そしてアスリート 0 石口りんご
109水澄むや木道はひそと歩むべし 0 鈴木ひろ子
110金秋を纏い明日を模索する 2 磯部薫子
111鍵・眼鏡探すばかりの日の短 1 安原南海子
112露の世の露正露丸くすぐったい 0 古川塔子
113酔えばもう新酒も古酒も雲の上 2 石黒宏志
114紅葉を受けてポストの口湿る 1 福島芳子
115栗飯を仕込み客待つキッチンカー 1 安原南海子
116コスモスは風音きゅっと抱いている3 福島芳子
117目よりましと難聴を言はれ寒露の日0 高良和子
118無口な人生だったな鵙が友 1 木野俊子
119蝗とぶ走る子供の目線まで 2 渡辺すみれ
120リハビリの未来明るき鰯雲 1 高橋透水
121コキアコキア三里のつぼがほぐれゆく7 増田萌子
122名月や今は黙って眺めよう 1 津田文江
123秋深しサンドバッグを抱きしめる 2 川崎果連
124大鳥居を低く潜りて紋白蝶 0 福島芳子
125どの笊も痩せし秋刀魚の盛られけり0 百目鬼英明
126実は全て木守柿なる高麗郡 1 高良和子
127一筋肉二三筋肉秋うらら 2 津田文江
128錦秋のこの木なんの木気になる木 1 石口 榮
129物価高騰一日おきに小鳥来る 1 小平 湖
130満月の海に落として光りの帯 0 郡楽清子
131桃の皮するりと剥けて倦怠期 4 吉村きら
132エチュードの水平線は鰯雲 0 増田萌子
133百目柿今日は雨戸が開いている 5 鈴木砂紅
134問診表の初潮閉経欄秋深む 1 高良和子
135虎の子のいちじく三個袋掛 1 鈴木砂紅
136人生に追試があれば帰り花 5 高橋透水
137旅の空着たきり雀の夜寒かな 0 行成佳代子
138天高く馬の額の流れ星 0 荒井 類
139ミサイルにカルトに障子洗ってる 1 木野俊子
140車椅子の人と仮装をハロウィン 0 安藤利亮
141お囃子の色鳥香りわきだちぬ 0 神田千風
142イナバウアー月に兎がいるように 0 増田萌子
143鬼胡桃妊婦の並ぶパチンコ屋 1 川崎果連
144万葉の恋は直球照紅葉 2 近田吉幸
145鉦叩イギリス首相四十代 0 斎藤 藍
146豊の秋スリーサイズはあいまいに 2 吉村きら
147自叙伝を犬に聞かせる暮の秋 0 川崎果連
148秋霖を待ちて周平橋語り 0 後藤よしみ
149東京は孤独な街や秋刀魚焼く 2 石口 榮
150会話中のベンチに団栗邪魔をする 0 古川和美
151鼬罠あれこれそれの明日である 0 増田萌子
152素十忌や鯉の寄せくる夕日影 1 近田吉幸
153読むほどに心が見えて爽やかに 0 古川和美
154文化の日世阿弥の伝書響きけり 0 近田吉幸
155秋の蝶五百羅漢に迷いこみ 1 磯部薫子
156大太鼓小太鼓みんな運動会 1 小平 湖
157風炉終いそろと扱う大樋焼 0 津田文江
158雨だれの秒針のごと賢治の忌 2 飯島 智
159鉛筆の尖ってばかり秋桜 2 小平 湖
160新米と旗の居並ぶ道の駅 0 石黒宏志
161ほどほどの色欲熟柿ありがたく 6 松田ひろむ
162十三夜の風に任せて金春湯 0 小髙沙羅
163コスモスや二人の時間再稼働 1 宮 沢子
164血税は使うなシオンは引き抜くな 1 翠 雲母
165びっしりとなにを悲しむ式部の実 0 岡崎久子
166落花生きりなくつまみつつ読書 0 岩渕純子
167白秋忌栗あんみつは品切れと 0 高矢実來
168アントニオ猪木比ぶ仏足水の澄 0 安原南海子
169007(ゼロゼロセブン)の俳優叙勲草の花0 荒井 類
170極楽と地獄のはざま曼殊沙華 1 白石みずき
171スパークリングワイン慣れがあふれる星月夜0吉村きら
172センソウヲスルノハオトコ唐辛子 0 川崎果連
173元パイロット初冬のパリのラーメン屋1百目鬼英明
174うっかりと老いて菊の香菊日和 2 古川塔子
175椎茸の石づきも入れ野菜出汁 0 百目鬼英明
176全身に香煙浴びて鳥渡る 0 岡崎久子
177安売りの秋刀魚三尾や薄暮かな 0 郡楽清子
178鰯雲夫婦元気で今日も留守 2 小髙沙羅
179月を見て一筋なみだ恋してる 0 望月のぞみ
180待つことも待たせることも小春凪 0 宮 沢子
181月一つ我の人生ひとり旅 1 望月のぞみ
182山ぶどうあの日あの時あのジュース1 石口りんご
183もみじ葉を何度もくぐる日差しかな0 安藤利亮
184天高し合同句集の名は絆 1 古川和美
185八朔を実家弟送り来ぬ 0 斎藤 藍
186ポケットの木の実ころころ靴に泥 2 古川塔子
187鷹渡る戦死盛りの地を後に 0 後藤よしみ
188鰯雲若き女に文を書く 0 望月のぞみ
189曜変天目煌めく七百年 0 神田千風
190どんぐりや先頭代わる縄電車 3 安藤利亮
191虫の声母の棺に五つ紋 0 国井 梢
192引き売りの老人ホーム小鳥来る 0 増田萌子
193四の日は妻の用足し鰯雲 1 小平 湖
194CO2吸ふ力なく散る枯葉 0 百目鬼英明
195み込めぬ丸薬ひとつ葉鶏頭 2 岡崎久子
(第32回鴎座通信句会)投句締切=11月24日。5句まで。参加費500円。その他要綱は従来通り。





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Last updated  2022年11月04日 22時15分27秒
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