PR
Keyword Search
Freepage List
血流を良くする
薬膳研究家 正岡 慧子
生活習慣病の予防に効果あり
中国医学では「血をもった本と為す」と言い、「血虚」(貧血)と「瘀血」(血液の汚れや血流の悪さ)の改善を食養生の要としています。加えて、血管を丈夫にすることができれば、まさに鬼に金棒です。高血圧や生活習慣病、認知症なども怖くありません。
血液を補うことは、女性にとって特に大切です。寒い冬、中国の女性たちがよく食べるのは、生薬の当帰と羊肉、野菜などを煮込んだ「当帰鍋」です。そのほか、黒豆や黒ゴマ、キクラゲ、金針菜(ノカンゾウ)、ニンジン、ホウレンソウ、ニラ、プルーン、青背の魚、(カツオやサバなど)、シジミ、ヒジキ、牛肉、豚肉、卵などがお勧めです。
血液の流れを良くする薬膳には、ウコンや川芎、紅花、サンザシ、サフラン、桂皮(シナモン)などがよく使われます。大豆や納豆、タマネギ、ネギ、ラッキョウ、ニンニク、ミョウガ、セロリ、菜の花、菊の花、レンコン、黒酢などの食材も良いでしょう。
血管を丈夫にするには、柑橘類やソバ粉、アンズ、サクランボ、ブドウ、リンゴ、ピーマン、トマト、カブなどが役に立ちます。私はシナモン紅茶をよく飲みますし、ラッキョウとネギを刻んでさっと炒め、おかゆに加えたり、海藻と干しシイタケ(どんこ)のスープもよく作ります。忙しときは、切った豆腐の上に、缶詰のツナとスライスしたタマネギをのせ、ポン酢をかけるだけでもよいと思います。
また、ミカンの皮を洗って細かく刻み、天日に干して乾かしたものを、生薬名で「陳皮」と言いますが、簡単に作れますので、ぜひ自宅でつくってみて下さい。カレーや酢の物、黒豆の煮物などに加えるだけで、帰結の巡りをよくしてくれます。
ウサギとカメの昔話に出てくるウサギのように、やたら勝ちにこだわることは、心臓疾患に多いストレスサインだともいわれています。少しのんびりするのも大切かもしれません。(おわり)
【生活に生かしたい 薬膳の知恵 ■ 8 ■】公明新聞 2023.3 . 18
Calendar
Comments