読書中毒なブログ

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2008年08月17日
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カテゴリ: 文学

人事異動で新しい部下がやってきた。入社四年目の彼女は、素直で有能、その上、まずいことに好みのタイプ。苦しい片思いが始まってしまった(表題作)ほか四十代・課長達の毎日をユーモアとペーソス溢れる筆致で描く短編5編を収録。上司の事、お父さんのこと、夫の事を知りたいあなたにもぴったりの一冊です。

「空中ブランコ」で直木賞を受賞された、奥田英朗さんの短編集です。書店で偶然手にとって、パラパラと捲ってみると面白そうだったので、そのまま購入しました。

各作品とも主人公は、大手企業の40代中間管理職。自分と同じ年代の男性が主人公とあって、すんなり読むことができました。

・マドンナ
この本のタイトル作品。同じ課に人事異動でやってきた20代女性に、40代既婚課長が恋をする物語。

どこの会社にもよくありそうなシチュエーションです。実は私にも同じような経験があります大笑いでも、好きになると言っても、あくまでちょっと意識する程度で、こっちは既婚者だし、態度になんて出せません。

この物語の課長はかなり入れ込んでしまって、ちょっとした事にも嫉妬心を抱いてしまったり、恋敵の部下とも、もめあってしまう始末。

確かに同じ年代として、気持はわかりますが、ここまで行くと滑稽な感じがします。私も気をつけよう。

・ダンス
ダンサー志望の息子を持つ課長が、部の方針に従わない同じ部の同期課長と部長の間で板挟みに会い、息子の進路にも悩む日常を描いた作品。

私も息子がダンサーになりたいと言ったら一応反対しますね大笑い部の方針に従わない同期課長を説得しつつも、でも本心では部長から庇ってあげたりして、悩む気持ちが伝わってきます。最後ちょっとホロっとさせらる作品。

・総務は女房 長年営業畑で働いてきた40代男性が事務系の総務課課長に異動してきた。慣れない事務系の職場でひと騒動を起こす物語。

取引業者との馴れ合いが、どうにも許せない課長を、あの手この出て丸めこもうとする。女房と総務には逆らうなってことですね。

・ボス ある日突然移動してきた女性部長。部内改革を推進しようとする部長に、反発する男性課長の物語。仕事では理路整然として全く隙を見せない部長だが、意外な一面が…

誰でも人間的な一面がないと、息が詰まりそうになりますもんね。

・パティオ 「パティオ」と呼ばれる、オフィス街の中にある中庭。そこに毎日のように来ては、読書をする老紳士と、オフィスビルに務める中年課長との心のふれあいを描いた作品。

中年課長が自分の父親と老紳士を重ね合わせて、思い悩む心はなかなかリアルです。

私もこんなお爺さんになりたい。






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最終更新日  2008年08月17日 17時08分12秒
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