読書中毒なブログ

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2008年08月11日
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カテゴリ: ミステリ


シリウスの道(上)
シリウスの道(下)
大手広告代理店・東邦広告に勤める辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。この3人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。その過去が25年の月日を経た今、何者かによって察知された…。緊迫した18億円の広告コンペの内幕を主軸に展開するビジネス・ハードボイルドの決定版ここに登場。 (「BOOK」データベースより)

長らく小説読めていませんでしたが、やっと読了しました。昨年癌で亡くなった藤原伊織さんの作品です。

広告代理店を舞台にしたビジネスの要素と、幼馴染みの3人の秘密の事件というミステリ要素と、更に主人公辰村と女性上司の立花、幼馴染みの明子との恋愛要素など、様々な要素が絡み合い読みどころも多いです。

更に「テロリストのパラソル」でお馴染みの、ホットドックしか出さない、あのバーも登場します。

藤原さんお得意の広告業界がテーマで、業界用語も出てきますが、そほど難解ではありません。辰村の部下、戸塚の成長過程も同時に描かれています。

これまでの藤原作品共通の、どこか暗い過去を持つ主人公で、かつ女性にはめっぽう奥手です。
今回の主人公辰村にしても、手を伸ばせば届く範囲に女性の方から近づいてくれているのに…結局なにもなし。

まあ、男女関係がメインになってしまうと、作品として別の方向に行ってしまいそうなので…

でもそこで、非常に気に入った件があったので引用させてください。文庫版の解説にも書かれています。

(辰村が女性上司の立花を飲みに誘うシーンですが、以前も2人で飲みに行ったことがあり、その時は、辰村が立花の膝枕で眠り込んでしまいました)

「今週末にでもまたふたりで飲みにいきませんか」
「また私の膝枕で眠りたいわけ?」
「そう。あれはすごく寝心地がよかった」
「でも、でもよだれでスカートに染みができちゃうのはどうだろう」
「最初からスカートを脱がせていれば、その心配はないでしょう」
「うん、それはわるくない考えかもしれない」


「シリウスの道(下)」藤原伊織 著 文春文庫 P53




ただ、もう藤原さんの新しい作品が読めないと思うと残念です。






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最終更新日  2008年08月11日 17時03分36秒
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