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キャリアコンサルタントひろくん

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2025.03.24
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 めまいは比較的多く報告される病気です。1年以上続くことが多く、その結果不安などの気持ちを感じさせたり、日常生活をいろいろと生きにくくします。
認知行動療法はめまいの治療方法として、有効であることがわかってきています
認知行動療法を上手に使うことで、問題を整理でき、様々な行動や工夫をする結果、問題を解決したり自己管理を上手に行える能力を高めることができます。 また、 認知行動療法は薬物療法と比べて、同等以上の効果を発揮します。
【具体的な重要情報】
 めまいは一般有症率20~25%と比較的多く報告される症状の一つです。有症者の74%は症状が1年以上続き,不安症状や機能障害が生じます。

 認知行動療法(CBT)は、めまいに対する有効な治療方法としてエビデンス(科学的根拠)を積み重ねつつあります。

 「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」に対し、CBTの有効性が報告されています。PPPDは,めまい症状を有する患者うち、14.4~20.8%を占めるそうです。無治療のままでは寛解(よくなること)が見込めず、苦しむ患者が多い病気です。
 認知行動療法とは患者の問題を認知・行動モデルに基づいて患者と治療者が整理し,様々な取組を通して問題解決スキルや自己管理能力を獲得することで,問題の改善・解決を目指していく治療方法です。
 よくある慢性めまいの症例を仮定してみます。典型的な認知行動モデルを用いると,めまい患者の障害の一部を認知,気分・ 感情,身体,行動の悪循環として捉えることができます。
 一方、めまいにおける不安-回避モデルからとらえると、不安・恐怖回避モデルから平衡機能障害の結果生じためまいに対す考え方(破局的思考)は、不安・恐怖,警戒心や回避行動をまねきます。
 それが長期化することで二次的な問題(抑うつや活動制限など)が生じ,めまいに対して過敏反応するという悪循環モデルとなります。悪循環を理解し,それらを形成する要因に働きかけることを通して,悪循環からの脱却を目指す必要があります。
 認知行動療法は対象となる疾患の発症因を問わないため,他の慢性めまいの治療にも有効である可能性があります。患者の発症の仕組みや症状が維持される状態が,認知行動モデルや不安・恐怖回避モデルから理解可能で,抑うつ・不安,生活機能障害が認められる場合は,認知行動療法の適応となりえます。
 薬物療法と有効性について比較してみましょう。PPPDや 心因性めまいに対しSSRI,SNRIなどの有効性が報告されているすべての指標において、CBT群は薬物療法群と同等の効果が示されました。
 つまり、CBTと薬物療法は、少なくとも同等の有効性があることが示されました。CBTは薬物療法と二者択一の関係というわけではなく, 併用することがより効果的である可能性も指摘されています。
 前庭リハビリテーション(VR)もまた,慢性めまいに有効な治療法です。VRは前庭機能の回復を目標とします。
 CBT技法の一つである内部感覚曝露は,めまい感覚をあえて生じさせ曝露させる(≒体験させる)というVRとの共通点を持っています。内部感覚曝露は,不快な身体感覚とそれに伴う不快感情をあえて回避することなく味わい,不快な身体反応や感情に対する破局的思考の修正や,身体感覚と感情に対する慣れを狙う方法です。
 VRと内部感覚曝露には異同があるが,場合によってVRを内部感覚曝露として活用できる可能性があります。

【参考情報】
「持続性知覚性姿勢誘発めまい」とは?
 2017年に国際学会で診断基準が新たに策定された病気です。発症すると、雲の上を歩いているような浮遊感や不安定感のあるめまいが3ヵ月以上持続します。

今回は以下の論文を学ばせて頂きました。
『慢性めまいの治療戦略としての認知行動療法』
著者:姜 静愛,田中 恒彦,八木 千裕,堀井 新 各氏
Equilibrium Res Vol. 83(4) 229–234, 2024





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Last updated  2025.03.24 17:55:28
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