ボランティアキャリアコンサルティング

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キャリアコンサルタントひろくん

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2025.11.01
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前回の7章の2回に渡り、ペドフェリア治療・問題行動を止める為の対応を話題として解説させて頂きました。ペドフェリア傾向の思考、性嗜好を持ってしまうのは、 その人が自動的に考えてしまうスキーマという認知 を行ってしまうことが原因です。そしてそのスキーマが形成される上で、特に大きな影響を与える要素が2つあります。
第1に幼少期からの養育環境です。 両親(養育者)たちにどのような育てられ方をしたか。その家族はどんな関係性をお互いにもてるシステムだったのか。家族としての機能はしっかりと発揮できていたのか。そうした面です。
 なお家族がシステムとして機能するとは子どもの側の視点で確認すると、例えば次のようになります。
①役割を分担できている為、子が親に適切に保護される。 
②良好なコミュニケーションをとれているため、絆が深まり、対立などの問題も解消しやすい。
③互いに支援しあい、調和できている。精神的に安定しやすく、協調性も育みやすい。

第2に社会が持っている文化、メッセージ 人(特に幼児から青年にかけて)が社会から強く影響される という点です。

 榎本クリニックの斎藤氏によれば、 全ての性暴力は、根底に男尊女卑の思考パターンが潜んでいる とのことです。小児性加害者たちの多くは、こどもを「かわいい」と評価するそうです。もちろん我々もそうですが、彼らはその傾向が顕著です。そこには「子ども(女児)は無力で逆らわない存在である」という考え方が反映しているわけです。この考え方は、男尊女卑と根っこを一部共有しているわけです。
 なぜペドフェリア(傾向のある)方々は、そこまで子どもにこだわってしまうのでしょうか?それは 心の根底に恐れがある からだそうです。実は自分に対する自信など、全くないわけです。不安で仕方ない。それをごまかして毎日を必死に生きているのです。一見すると余裕をもって、真面目に生きていそうな人が患者には多いとのことですが、 彼らの内面は不安・恐怖・自信喪失で荒涼している のです。

 ペドフェリア(傾向のある)方々は、絶対に自分をおびやかすことのない、かわいい存在が、異常なほどに大切になるわけです。事実、彼ら/彼女らには、 虐待をはじめとする逆境経験を有する者が非常に多い とのことです。
 彼らは自分を受け入れて欲しいのです。ですから性加害を行った者たちのが告白する際、子どもが
「受け入れてくれた」「わかってくれた」「必要としてくれた」
などと感想を言うそうです。 自分の存在意義を認めてもらえたと思い込もうとしている

 彼ら/彼女は、何を一体そんなに恐れているのでしょうか? その極度の恐れの対象は「成熟した異性」です。成熟した異性は十分な判断能力を持っていますし、その考えを実行に移す能力も持っています。ですから、彼ら/彼女らは、 成熟した異性から「嫌だ・ダメだ・無価値だ」と判断され、その考えに基づいた言動をされてしまうリスクがある わけです。それは、自尊感情などが極度に低い彼らにとっては、本当に耐えがたいことでしょう。

 そして我々が気づかなければならないことがあります。それはこの問題の構造が、果たして一部のペドフェリア(傾向を持つ)方々にだけ当てはまるのか?ということです。そうではないようです。
 日本は随分と改革されてきた面があるのも事実ですが、2025年現在、まだ 男尊女卑の文化が根強く残っている 女性に未熟さや力の無さや「かわいさ」を求め続ける社会 です。社会全体が基本的にその風潮があるわけですから、自信を十分に養えていたり、自我がしっかりと確立できているなど、 十分に精神的に成熟した以外の者たちは、全てペドフェリア患者の予備軍である といっても、過言ではありません。実はペドフィリア(傾向を持つ)方々と、そうでないはずの大人たちの境界は、ないと言っても過言ではないのです。

 相手を低い存在、ダメな存在だと決めつけて、自分の気持ちを安定させるという構図の 防衛機制(適応規制)を「引き下げ」 といいます。とても良く観られるもので、その場の効果はかなりある防衛機制です。しかし、これを続けることは、ペドフィリア傾向を持つ者たちを維持・増産し続けるようなものです。私たちは小児に限定せず、力の弱い方々も認めて大切にするという姿勢に変化していく必要があります。個人レベルでも、社会レベルでもです。

 そうして社会を変えていくことは、多くの人が抱えている生きづらさの解消にもつながるはずです。これは私の推測ですが、恐らくペドフィリア傾向を持つ方々には、ペドフィリア傾向以外にも、生きづらさを抱えているのではないか? と強く感じられます。なぜなら、 ペドフィリア傾向はあくまで、自分のこころの傷、不安、恐怖を癒すための方法の1つにすぎない からです。
 たとえばアディクション問題(アルコール使用障害、買い物依存、摂食障害など)は、併発する主要な問題の1つとなりえます。それほどまでに、ペドフィリア(傾向を持つ)方々は、つらさを抱えながら、毎日を必死に生きているわけです。

 繰り返しになりますが、彼ら/彼女らがペドフィリアになってしまったこと。その原因は(幼かった)彼ら/彼女らにはどうすることもできなかったはずです。つまりペドフィリアになってしまったことには、責任があるとは思えません。
 しかし 、ペドフィリア(傾向)がある以上、それを最低限行動に移さないようにする人としての責任は確実に存在します。 私たちは、お互いの人権を尊重することが大切なのです。その為にどのような意図をもって、専門的かつ具体的に対応すべきか? 私はそれを今回の「ペドフィリア(小児性愛)」シリーズで語ってきました。(とりわけ7章で詳説しました)

 ペドフィリア問題の解決は、恐らく親(養育者)との関係性の改善や清算などが絡むなど、人生上の大きなテーマとなるはずです。当然簡単には解決しないことでしょう。しかしながら、 長期戦を覚悟しながら、意図を持ち、効果的な方法を「実行し続ける」ことができれば、確実に改善へと向かえる問題 です。 私はみなさまの取り組みを、心底応援しています。そして、改善の効果が実感できるほどに、あなたの人生が開けていくことも切望しています。

応援しています。





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Last updated  2025.11.01 08:37:10
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